3 元魔王は金を望む
「で、これからどうなさるのです?」
「ああ、旅には金が要る。だから、町で金を稼ぐ。」
「ああ・・・冒険者ですか・・・。」
「正解だ。
ただ、この姿はよくないな・・・・。」
「なぜです?」
「たぶんだが、指名手配される。」
「・・・・・・。」
「この体がな・・・どうしてもって・・・な。最後の願いだったよ・・・。
・・・・それに、襲い掛かってきたやつはすべて凍らせた。」
「・・・その少年は?」
「ああ、死んだよ・・・絶望のなかでな・・・。
想いだけは伝わってきた・・・たった1つの希望も・・・な。
いずれ何か供養をしてやらんとな・・・・。
これ以上はお前でも語れん、すまんな・・・。」
「・・・いえ・・・。」
「・・・それしてもこの赤髪は目立つな・・・金か茶色が妥当か?」
「・・・銀にしたらいかがでしょう?
逆に目立つのでわからないのでは?」
「ああ、そうだな。
だがなんで銀?」
ボッ。
「そ、それは・・・・。」
スロウ視点
言えるわけないじゃない・・・。
前の の髪の色と同じだから・・・なんて。
「まあいい、それにしても・・・前と同じ色か・・・。」
ギクッ。
「目はどうするか・・・青か?」
「く、黒なんて・・・。」
「ほう、黒か・・・まあいい。」
ば、ばれた・・・絶対にばれたわ。
私のバカ・・・。
サクヤ視点
まあ、こいつのことだ。
どうせ見分けやすいとかだろう・・・。
衛兵か・・・。
「おい、止まれ。
ここには何のようだ・・・。」
「ああ、観光からの帰りでな・・・途中で身分証をなくしたからここで作ろうと思ってな。
この国を気に入ったから、仕事としても丁度いいかと思ってな・・・。」
「おお、そうかそうか・・・。
悪いな。
王都で騒ぎがあったらしくてな・・・珍しい赤髪で赤い目のお前くらいの奴を手配しているようで・・・。」
やはりか・・・色を変えておいてよかった。
「お前は・・・明らかに違うな。」
ギクッ。
「ああ、だろう?
場所を聞いてもいいか?」
「おう、いいぜ。
この通りをまっすぐ行ってな。
その通りに赤い屋根の建物がある。
そこが冒険者ギルドだ。
魔力が桁違いなあんたならすぐに活躍できるだろうよ。」
「ほう、いい目してるな。」
「だろう?
自慢だぜ。」
危ないところだったかもしれん・・・俺の魔力がもう少し少なかったら、ばれていたかも・・・。
気を引き締めんとな・・・。
面倒はごめんだ。
スロウはいつまで、固まっているんだ・・・。
存在が希薄だから、わからんかったようだが、
本当の使い手だったら、まずかっただろうに・・・。
いったん送り返すことにした。
「帰れ。」
ポンッ。
よし・・・がんばってみるか・・・。