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13 元魔王の思いとある女の決意

結局、あの女を連れていく羽目になった。


まあ、正直、悪いことではないと思っている自分がいる。


あの時、眠たくて、最初の方はほとんど覚えていないんだが、

覚えていることがある。




あの女の・・・目だ。


厚化粧の女に馬鹿にされているとき、あの女の目は完全に死んではいなかった。




無意識かもしれんが、唇を震わせ、耐えている姿があった。


まあ、厚化粧はそんな反応をあいつは面白がっていたのかもしれんが・・・。


・・・まったく・・・腹の立つ話だ・・・。


そんなあの女が気にかかり、

俺は尋ねたんだ。


その時はなぜかよくわからなかったが、

過去を話し、本当の姿を見せ、俺に嫌われようとした。


そして、俺はそんな彼女を勇気づけたい、

自信を取り戻してほしいと思った。


そして、彼女を助けた。



まあ、後で最初に俺を騙したことがわかったわけだが・・・。




だが、俺はこういうプライドを捨てきれない、


本能的には、どんな逆境にいても最後まであきらめない、


そして、最後には幸運を引き当てる。



・・・そんな存在は嫌いじゃない。


むしろ、好みだ。



だから、こいつと旅をするのは正直、幸運かもしれないと思えた。



ただ・・・俺の貞操を狙うのは正直、勘弁だが・・・。



さっき、正気に戻った彼女に話をしてみると、

思った以上に礼儀正しいただの綺麗な女性だった。



そして、そんな彼女が、ある覚悟を決めていたんだ。


「なあ、本当にいいのか?


また冒険者に復帰するなんて・・・。」


「だって、サクヤさんの隣にいるためには仕方ないことですもの。」


「俺の傍にいたいなら、他のことだって・・・。」


俺の唇にこの女は人差し指を置く。


「違いますよ。


隣にいたいんです。


隣で一緒にいろいろなものを見たいんです。


それに・・・。」


「それに・・・?」


「私、いや、女性は意外と強いものですよ。


好きな人のためなら・・・。」



過去に出会った女性を思い出す。



・・・・男とともに戦場に向かった女・・・、


・・・・男と寄り添うためにすべてを捨てた女・・・、


そして・・・男の代わりに刺された女・・・・。


「・・・そうかもな・・・。


俺もお前を信じ、お前に寄り添ってやる。


好きにしろ。」


「はい!

・・・・・。」

ルンが考えるように顎に手を当てる。


「どうかしたか?」


「さっきの言葉・・・。」


「うん?」


「ぷ、ぷろ、プロポーズみたいだなって・・・。」

頬を赤く染め、そんなことを言う。





・・・・・・まあ、似たようなものか?



「まあ、お前のことは嫌いじゃないが・・・・。


面倒だ・・・・好きに受け取れ。



ただ・・・・さっき言ったこと・・・それは守るよ・・・。」



ルン視点

うううう~。


嬉しすぎます・・・まさかこんなにも・・・いいことが・・・。


本当に彼に会えてよかった。


神よ・・・。


彼に会えたことに感謝いたします。


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