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第二部、第11〜15回=秘密或奥妙

第12回


・しょくじのはなし……中華の円卓


 主客四人が一組とは、明治期の日本が中華料理に馴染み出したころのルールかもしれないので、中的に適用できるものかは、ちょっとビミョー。

 なお、地方料理の種類や時代もよく分からんので、というか、あまりに準拠しぎると地方が特定になりかねないので、ざっくり炒だの炸だので済ませました。

 そうはいっても、一応知っているのと知らないのとでは、かなり印象が違ってくる。だから調べようかとも思いましたし、専門書があるだろうことは、分かっているのですが、今までいろいろ調べて考えたことは、明清時代のものが古代に拡大されている「ところ」の区別は、どうしたってつかない、ということ。


「まどれえぬを糾察(きっさつ)し、大王(おほきみ)をめぐらひてなげく」

 とは、さすがに書かずに済んでも、

「羊羹は、尼君がお好きでしたねえ」

 と言っちゃう平安物はやりそうだ! と◯やって書いてないからおっけーみたいな!


 中国は広い。そして歴史が長い。広ければ広いほど、地域差は大きくなり、時間が長ければ長いほど、見えるものは圧縮されて行きます。

 上海料理なんて分類、本当はナイんですよ。というのは簡単で、そして間違ってもいる。今の上海でいえば2億人が食べている料理って、もう和食なみに広い話になるでしょう。

 そんなでまあ……テキトーを採用するのでした。


 烏梅漿=スモークプラムのジュース……燻した梅を煮つめたシロップ状のもの。おめでたい五色の飲みもののうち、黒を担当するらしい。というか、燻す梅か……黒酢を思い浮かべそうだ。和音声は、うばいしょう、かな。



・植物のメモ(14回含む)


楓樹 :フウジュ:フォンシュ

   :白膠香のもと。まあ日本語でカツラ…桂だね

水寫 :オモダカ:シュイシェ

   :水生植物。ってまあ日本語では、澤寫と書くことのが多い

吉祥草:キチジョウソウ:ジーシィァンツァオ

   :茅、ただし日本でいう「カヤ」とは違う

   これ、ルビをキッショウソウにしたまま直してないわ……

大金櫻:和音声なし:ダージンイン

   :ナニワイバラのこと、ばらの漢字「王久」がでないのはちょっと辛い


第13回


・たてもののはなし……三合院の形はコ、四合院の形はロ


 なんだかんだいって、残っているのは明清時代のものが多く、当時にして唐時代を再現してみたり、改装したりと改変が激しい。

 しかも……本当にまだ残っていたモノならともかく、1980年代に「そんな感じだったらしい」で観光用に現代の考え方で再築したものも多い。

 ので、あんまり参考にならないというか、かつては華やかだったに違いないというノスタルジックなイメージが先行しておりますというか……架空中華ですから、そういうところこそ、借りるのに便利なんですけども、平安と江戸をいっしょにするのはどうかと……思わなくもない。


 とりあえず、耳房。

 じぼう…と読むべきかもしれないけど、アタマの中ではなぜかミミボウ。まあ、日本の建屋にはない考えなので、イメージだけして下さい。

 控えの間というけれど、耳という字義通り、主房の両脇についてる小部屋のことです。クローゼットだったり、従者や宴席の歌舞人が待ってたり、使い方はいろいろ。

 ただ、一般家庭的な建屋としての耳房は部屋というより棟で、主、もしくは家人の住居となる部分です。主房は居間や応接室があって、皆が集まるところ。主房の反対側に、フタをする廂房があれば四合院。ないと三合院となります。

 棠梨〜で、白屋とさんざん書かれている韶華の家は、院、すなわち庭があるような個別のものではありません。


 なお、時代が時代なので、どこも建物の壁がぶあついです。重そうで、でかいです。鉄筋入れられないからしょうがないね。

 瓦も日本のものより重い。というか奈良時代からして重すぎる中国式の瓦に困って、もっと軽いものを作るようになったようです。

 そんなで土塀だのを、ひょいと越えるというのは、サル以外のなにものでもありません。もっとも、中国でもサルは南部の生物なんだよねえ……



・なまえのはなし2……幼名


 基本的に、古代中国で庶民に個人名が使われることはありません。だれかさん家の次女とかそんな認識。そんななかで、個人的なのが幼名。

 でも幼名と名前があって、地の文章と会話文とで名前が違っているとなると面倒なので、棠梨では、ほとんど幼名を採用していません。幼名でしか登場しないことが確定している景景と永児くらい。瑠璃なんかは、あっても良さそうだけどつけなかった。碧眼から青青ってするわけにも、いかないしね!

 第四皇子は行第四と書くべきかもしれないけど、分かりにくいから、そのまま。



第14回


・こうていのふくそうのはなし……漢字がでません


 一言で終わってしまいました。

 いやまあ、皇后の衣の如く、出ない漢字がぞろぞろある宮廷衣装でありますが、この回で紐をぷらぷらさせている冠は、通天冠。

 イメージは、平安の烏帽子のもっと太くて短いもの。

 とりあえず……黒い長靴を後向きに被ったのを想像して下さい。それで、足先のでっぱりを横に並べた玉で縫い止めて、本体にくっつけちゃったみたいな。

 あるいは黒い紙袋を被って、底の部分をたたみながら折って、ざくざく横に数珠玉で縫ってしまうような。

 いや、なんか……まあそういう黒い布あるいは皮の冠に、どーんと横に簪をぶっさし、頭に固定する。で、突き出た両端の簪にヒモを巻きつけ、顎で結んで安定させるけれど、カッコ良く垂らすのがマスト。

 簪の固定の位置は、結った(まげ)の根本あたりが基本。ということは、ほぼ頭頂、でなければ、ちょっと後ろ。

 のはずなのですが、どうも現代の中国でもよくワカンナーイ扱いらしく、この前見たテレビの古代中国劇(製作もちろん中国)では、簪が脳天を真横に突き抜けていた。いいのか?ゾンビか?それとも最新の研究で、あれはただの飾りと断定されたのか……?

 とにかく、皇帝に限らず、高位文官が毎日の仕事をするときの冠であります。


 皇帝だけが着る禁色は、唐時代でも初期、政権が安定していないだけに、いろいろと規定が変わっております。

 庶民が黒を禁じられたのちを採用してますので、借りた設定ほど初期とはいえないのですが、皇帝の普段着としては、黄にあたる色、赭黄(しゃおう)などを着用していることになっています。

 ざっぱなイメージとしては、下着にあたる(しろ)の着流しの衣に、ヒダヒダのある白い(エプロン)を腰に巻きつけ、襟の合わせがある袍を上に着る。帯にほっそい前掛けや玉飾りをつける、とできあがり。

 袍は明清時代になるまでは、わりと「短い」ので、皇帝でも弁慶の泣きどころ当たりまでの長さ……なんだろうけど、だいたい足首まであることになっている。見栄え問題ですので、それでイイでしょう。


 (くろ)は、服装の規定としての黒い色でしょうかね。皇帝の重要イベントに際して着る衣です。ごてごてと飾り付け部分が多い上に、漢字がでないのでまあ、スッゴイ重装とだけイメージして下さい。


 歴史絵画で見る、中国皇帝の袖から出るひらひらは、下に着た単衣が見えているものと思われます。

 襟もとからでてるひらひらも、初期は単衣のようですが、のちに襟から寒さが入るのを防ぐのと、汚さないように挟んだモノっぽい。


 さて、単衣がひらひら外に出てると、襟もとが緩みますね。それで押さえにヘンな飾りを首につけております。首飾りなんだろうけど、いきなり真ん中に丸かったり四角かったりするモノがついてるやつ。

 絵画では、超絶平面的に描かれて意味不明。うっかりすると聴診器かよと思ってしまうもの。

 これが領の文字で表されていて……領子(えり)と区別がつかなくて、調べるのに長いこと混乱の元となり……気づけばエリとカザリを混同してメモしていた。そんな手元のデータを訂正できなくて、個人的にはそれ……ナカッタコトにしてます。


 唐宋より儀式用具として採用され、まあ……初期はホントの重石っぽい、玉とか使ったモノだったよう。けれど、のちには押さえの意味が失せてしまい、飾りだし紙で作ってもいいよねって……待てい!それで平面的白なのか!



第15回……秘密或奥妙


・きゅうでんのはなし……命婦院など


 中国と和訓が違うのは分かっていても、命婦はミョウブと読む。文字通り、女官たちの事務所。近くに厨を管理する殿がありますが、漢字が出ないので不採用。そのうちテキトーな名前で出すか……もしれません。

 このほか、いろいろな宮殿を出していますが、実在と勝手に命名したものが混ざりあっています。

 武成殿と迎宮、麗春台はあります。史館もあります。

 でも、実在であろうと形も正確でないし、かなり役目などをいじっています。

 まあ……迎宮は、則天武后が増やしたものなので、参考時代にはないです。武后好みの美形を集めて歓待する宮だそうで……使わないよね……


・でなかったかんじのはなし……キュウ!


 クサ冠に九。これでキュウ。イナカの意味が大部分ですが、獣の巣という意味もあって、国名を変えたくなかったのです。

 当地では勿論、キュウとは称しません。これから考えます。第三部は書き出す前に、キュウとオトウサンの名称を確定させなければなりません。

 けどまあ……キュウが出てくると、字面がキュウキュウうるさい。漢字にすれば良かったかなあと悩むばかりです。


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