秋
透けた水飴みたいな声
小さい頃を思い出して 涙や恋しさがこみ上げてくる
そんな声
そんな声で私の名前を呼んで欲しい
秋晴れの中
あなたの隣に 立ってみたい
明るむ陽を 眺めてみたい
人生の半分以上を一緒に過ごした人たちみたいに 肩に寄りかかってみたい
そんな思いを紡いだまま 紡いだだけ
飽き 死んでいく
風化した栄光が輝いて見えるくらいに
焼き芋のコゲのように 焦がれてやまない恋心ともつかない
切なさが心をじくじく食べてしまって
秋風の優しく冷たい寒さに
あなたへの 想い心も溶けていく