ソフィーの魔法講義②
みここです。初投稿しちゃいます。
「どっちかっていうと私に風魔法の適正はないんだよね」
彼女はそんなことを言う。
先ほどまで風を使っていた彼女のいうセリフではない。
「適正って?」
「魔術適正のことさ」
ソフィーは様々な色をした小さい球体を8個出現させる。くるくると回るそれらは、赤、青、緑、空、紫、茶、白、黒の色を宿していた。
「これがその魔法適正を見るときに役立つ指標。それぞれ、各魔法にどれだけ才能があるかってことを示してくれる。ほら、緑色のを見てごらん? そこまで大きく光っていないだろう?」
彼女が浮かべている球体のうち紫と白は強く光り輝いていたが、それ以外は明るさがすこし物足りなかった。
「私は補助魔法と光魔法が得意なんだ。だけどそれ以外の魔法はあまり才能がないんだよね」
彼女が言うには、魔法は8種類ある。
色を指さしひとつづつ教えてくれた。要約するとこんな感じである。
赤……炎魔法。炎を操ることができる。情熱的。
青……水魔法。水を操ることができる。穏やか。
緑……風魔法。風を操ることができる。芯が強い。
空……雷魔法。電気を操ることができる。活動的。
紫……補助魔法。人によってさまざま。攻撃的だったり保守的だったりする。
茶……大地魔法。自然の力を借りられる。信仰心が強い。
白……光魔法。光や浄化を扱う。朗らか。
黒……闇魔法。闇や影を扱う。気位が高い。
後述の部分は、その魔法適正によって扱う人の性格にそう言った傾向があるという意味である。
こうしてみると割と魔法は種類が多いようである。
「あとね、これら魔法を組み合わせったりするとさらにいろんな魔法になったりするんだ。例えば炎と水をかけ合わせたら、氷や霧魔法になったりとかね」
そういって彼女は目の前で氷の結晶を生成する。同じ組み合わせでも、加減次第でいくらでも魔法は分岐し派生する。魔法というのは深いものなだよ。そう彼女は語る。
「ちなみにアルバは風が得意だったりするんだよ」
へぇと思う。メイド長は真が強いタイプなのだろうか。しかしこれら性格診断のようなものが有るわけだが、誰にも当てはめられるような内容なような気がするのでいまいち的を射ていないように感じた。
「で、ミラの魔法適正も見てみる?」
「え、見れるんですか」
ニシシと彼女は笑う。
指先で僕の胸の中央に触れ一気に引っ張ると、数珠繋ぎのようにあの輝かしい球体が現れた。
「これがミラの適正だよ」
「おお」
僕の魔法適正。
輝く光を持つ球が僕の適正。才能。
しかし、引き抜かれて現れた球体はすべて、薄黒く濁っていた。
みここでした。初投稿しちゃいました。
黒い……黒いですね。適正。