表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わりとえげつない能力で異世界踏破  作者: みここ
魔女の屋敷
11/38

ソフィーの魔法講義①

みここです。初投稿おおおおおお。


 ソフィーの屋敷はそれはそれはいろいろなものが置いてあった。

 オルティア家の屋敷と比べれば小さいが、それでも一般家庭の一人暮らしにしては大きすぎるものであり、メイド長の代わりに掃除をしていた僕としては一人でこれを維持するのは難しいだろうなぁなどとどうでもいいことを考えていた。

「そこに座り」

 部屋に案内された後、ソフィーはソファを指差し言う。ソファには毛布が汚く掛けられており、この上で寝るときもあるのだろうと容易に推測できた。

「さて、なにからすればいいかな」

「あの、なにかするんですか」

「ん? アルバ――メイド長から聞いてないのか」

 そうか、メイド長はアルバって言うのか。結局彼女の名前は聞いていなかったので心のどこかで引っかかっていたのだ。それにしても聞いていないこととは何なのだろう。

「僕は、メイド長からとりあえずソフィーさんの家に行きなさいしか言われてないです」

「そうか。う~ん……、初めに言っておくけど、私はミラ――君の事情は知っている。こことは違う別の場所から神によって飛ばされてきたことをね」

「それもメイド長から?」

「ああ、そうだ。だから、この世界の知識に疎いミラをを心配したのだろう。アルバは私にお前を託した。私は魔法の担当ってことかね」

「魔法の……」

 彼女はすでに見た目からして魔女だ。ヴァンもすでに言っていたが、帝国の騎士すらも寄せ付けないほどの力を持っている。この人から魔法を教えてもらえれば、間違いはないのだろう。

「私は魔法は直感でやってるからね。詳しい理論とかは教えられないけど、それでもいいかい」

「ええ、もちろんです。教えていただくだけでも助かります」

「よし、ではここだと狭いから移動しようか」

 彼女が指を鳴らすと、一瞬で周りの景色がすり替わった。転移魔法だ。場所は平原。水平線までなにもない。短い草が風に吹かれて、海を想起させるような波がこちらに寄せてくる。

「ここでいいかな」

 ソフィーはまたも指を鳴らすと、椅子が突然現れ彼女はそれに座る。椅子が浮いた状態で姿勢を保つと彼女は本題に入った。

「魔法ってのはね、見えないエネルギー――魔力を使って発動するんだ。魔力は本人の体内にそれぞれあって、空中にも少ないが浮いている。これが多いと魔法適正があると言われ、たくさんの魔法を使えることができる。魔力は、使えば一時的に失われるけど、体内で自然と生成されるから消えてなくなることはない」

 つまり、いくら魔法を使っても休めれば次第に魔法をまた使えるようになるということか。

「そしてレベルの高い魔法ほど使う魔力量が増えるから、魔力量がそもそも少ない人は使うことすらできないんだ。そうだな、試しに今ミラが使える魔法を見せてごらん」

「僕の魔法……か」

 僕だって魔法が使える。メイド長から奪ったものが有るからだ。しかし、今は力が無くなっているためほとんどは使えない。せいぜい洗濯物を乾かすときに使いまくった乾いた風くらいしか出ない。

 ブオオオオ

 僕は手から少量の風を出して見せる。

「なるほどねえ、ドライエアか。日常でも使える便利な奴だね。しかし、その程度じゃ旅の時に敵から守ってくれないだろう? そういうのはこうやって使うのさ」

 彼女が手を前方に突き出すと唱えた。

「ドライウィンド!」

 グオオオオと激しい風が真っすぐに飛んでいく。先ほどまであった草たちの規律正しい波は一瞬にして崩れ去り、一本の長い歪みだけがひたすら水平線の向こうまで続いていた。

「これが対モンスター用の魔法さ」

「す、すごい」

 彼女の放った風なら、先ほどのオークすらも彼方へ吹き飛ばせただろう。威力が僕のドライエアと大違いだ。

「そういえば、ミラにもギフトがあるんだろ?」

「え? ああ、ありますけども」

「私にも実はあるんだ」

 ニヒヒと笑いながら、先ほどと同じく彼女は手を突き出す。

「今度はそれを見せてやるよ」

 彼女はすうと、息を吸い込み呪文を唱える。

「マジックブースト:ドライエア」

 ドライエア……先ほど僕が使った乾燥用の魔法だ。

 しかし彼女のそれは、洗濯に使えるものではなかった。

 爆発音が響いたかと思ったら、低い唸り声のような風が彼方まで吹き飛んでいった。乾いた風は水分を奪い取り、あたり一面の草たちが元気をなくしてしなびてしまっている。直接当たっていない僕も喉に潤いを欲してしまっていた。

「これが、私のギフト――マジックブーストさ」

 威力がないはずの低級魔法を、一瞬にして精気を奪い取る死の空風に昇華してしまう。もし、先ほどのドライウィンドに使っていたら、ここは荒野になってしまっただろう。

「私のこのギフトのおかげで、魔力消費が少なくても強敵と張り合える。持久力にも一発の威力にも秀でたギフトなのさ」

 改めてギフトの強さを思い知った僕なのであった。

みここでした。初投稿だああああああ。

今回は魔法の強さを見せるとともに、ギフトの立ち位置もわかってきました。

いやあ、強いですねギフト。

マジックブーストは、アクティブギフトになりますね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ