【ソーセージ mari & mari】 〜 #11 ごみたまり、怪獣推しのワケ
【ごみたまり、怪獣推しのワケ】
「おっ、『キュウゴヂラ』。もうDVD出てたのね」
リビングでDVD見ていたみずたまりのそばにペタンと座り込んだ
ごみたまりはテーブルのお菓子をひとつつまんで口にほおった。
もちろんこのお菓子はみずたが買ってきたものだ。
口を少しモゴモゴさせながらごみたは自論を披露し始めた。
「あたし、怪獣って大好きよ、イエイ!
ヒーローよりも断然カッコいいわ」
「へえ、意外。なんか理由あるの?」
ヒーローサゲ&怪獣愛についてごみたは熱弁を振るってみせた。
「だって、ヒーローなんてみんな悪者じゃん。
いつもマスクかぶって顔隠してるでしょ。
あれはやましい事あって堂々と出来ない奴らだもん。
それに引き換え怪獣はヒーローたちをぶっ倒して幸せを
もたらす正義の使者だもん、イエイ!」
「ふうん、でも怪獣って毎回最後負けちゃうじゃん。
そーゆーストーリーだし」
「ゔぇええ‥‥‥」
ボソッとつぶやいたみずたのひと言に、ごみたはこの世の終わりばりの
ショック顔になってしまった。
「し、知らなかった」
これには突っ込んだみずたの方がビックリ。
ごみたは目を大きくまん丸に見開き、大事なものを取り上げられた
幼稚園児のようにウルウルと涙が溢れてきた。
身体が小刻みに震えながら口をグッとつぐみこみ上げるものに
堪えていた。
その様子にみずたの方が思わずアワワ、と動揺してしまい、つい、
「いやいやいや、ってゆーのはウソ!
怪獣はいつだって正義だし最後は勝つわ。
さあ〜、もうこれ消そうね♡」
DVDは中盤から終盤に入り始め、怪獣ピンチになり始めだったので。