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ポイント評価をいただきました!
文章評価は2pt。ストーリー評価は5ptでした。
……文章、もう少し頑張ってみます。
赤や黄色の紅葉した葉が地面に落ちるこの季節。
短期間の間に幼馴染とクラス委員長の2人から告白を受けた俺は、どうしようかと悩み……
「ここに来たって事?」
「……そうなるな」
目の前の人物は呆れたと言った顔で俺を見つめる。
少し大きめの女子のセーラー服、そしてその下から見える茶色のセーター。流れるような黒髪に、染み一つない肌。気だるそうな紫色の瞳に、高校2年生とは思えない歳不相応な小柄な体躯。
件の人物は溜め息を吐く。
「風紀委員やら生徒会長やら。面倒臭い問題をただの高校2年なんかに、ぶつけないでくださいよね」
「そう言うなよ、綺理ちゃん」
「だーれーが、綺理ちゃんですか」
と、件の人物の高校2年生、妹尾綺理さんはツッコミを入れる。
図書副委員長と言うそれなりに高い立場にあるにも関わらず、全くやる気が無さげな綺理ちゃんは溜め息を吐きながらそう言う。
「だって、この学校では有名だよ。綺理ちゃんに任せておけば安全安心第一、って」
「私はどこの工事担当者ですか。ただの無駄に仕事をする機会が多いだけの、図書副委員長ですし。
……はぁ~。そもそも綺理なんて言う変わり者の名前を親が付けるから。
大体、何ですか、この名前。『綺麗』の『綺』なんて言う無駄に難しい漢字だし……変な読み方ですし……」
ぶつくさ、ぶつくさと、独り言を言いまくる綺理ちゃん。何か嫌な事を触れてしまったのだろうか。
「……まぁ、良いけどさ。でも2人の女性から告白されて、その対処方法を聞いてきたのは君で5人目だよ」
「既に4人も事例有りなのかよ」
その内何人が二股していると思う、と綺理ちゃんは言っていた。俺は答えられずにうっ、と言っていた。
「……まぁ、私としては付き合いやすい方が良いと思いますよ」
「付き合いやすい方が良い……?」
そんな単純な事で良いのだろうか? 本当にそんなので良いのだろうか?
「付き合いやすい方が良い? そんなので決めて良いのか?」
「だって離婚するのに一番大きな理由は、『意見の不一致』ですよ。要するに……あまりにも分不相応の2人は似つかない。
だから付き合ったと仮定して、それで一緒に居るのが可笑しくない人間の方が、付き合うのはお勧めですよ」
「そう言う物か……」
確かに高嶺の花とかは敬遠されるって言うしな……。あれ、でもそれだったらあの2人ならばどうなるんだ?
どちらもそれなりに、美少女で人気があるし。どちらと付き合ったのが、自然なんだ?
「なぁ、どっちの方が自然だと思う? 綺理ちゃん?」
「だ・か・ら、綺理ちゃんって言うな。……そこは自分で考えてくださいよ。
あぁ、だったら胸が大きい奴を選べば良いでしょ。男なんて胸にしか目が無い人間なんだし」
酷い言われようだ。
「あー、はいはい。相談が終わったならば、すぐに帰ってよ」
しっししと彼女は帰るように言った。
「最近は読書の秋週間でそれなりに本の貸し借りが増えてるんだから」
「あぁ……。11月の本読み強化月間でしたっけ?」
「9月はスポーツの秋。10月は芸術の秋で、11月は読書の秋なんだって……。食欲はどこに消えたんだよ、って話なんだけど……」
そんなのでも増えているんだから世界は単純だよ、と綺理は愚痴るように言う。
「で、確実に増えているのか?」
「ふっ……。馬鹿にしないでよ。
……本だけにほんの少し増えているよってね」
「……」
ツッコミ待ちなのか?
「……黒歴史確定」
そう考えるならば言わなきゃ良いのにと思う俺だった。
本当は短編で仕上げる予定だったのですが、友達が長編にした方が良いと言うので少し長編にしてみたいと思います。
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