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あっくんがだんごさんに告白しているのを見たボク、榎蓮華は、家に帰るとそのまま部屋に帰った。
お母さんが心配していたみたいだけど、今のボクには関係なかった。
「どうして……ボクは……」
ボクは泣いているんだろう。
「別に……あっくんとだんごさんが付き合おうと……構わないはずなのに……」
ボクとあっくんは幼い頃から仲が良かった。
時には喧嘩をした、でもすぐに仲直りした。
勉強も運動も一緒にした、ボクの方が得意だったけれどそれでもなお一緒にしていた。
ボクとあっくんはお互いに兄妹、時々姉弟。そう言った家族に近い存在だった。
だから、そう言った恋心を抱くと言うのは、家族や親友に近い存在だった。
そしてここでは、あっくんに恋人が出来るのは喜ばしい事のはず。
ボクの役割は、2人の仲を祝福するのがボクの正しい役目のはず。
「だから……泣いているのは……変なのに……」
ボクの目から涙が止まらない。
もしかして、これが……
「……恋?」
だったら、少し遅かったのかも。
「幼馴染に相手が出来て初めて分かる恋なんて……遅すぎるよ……」
その夜ボクは1人、枕を涙を濡らし続けた。
夢を見た。
ボクとあっくんが抱き合っている夢。とても心地よい夢だと思った。でも、状況は一転する。
そこにだんごさんが現れて、あっくんとボクとを引き裂く。
そして2人で抱きつきあって……キ、キスを……。
「……って、なんて夢を見てるんだよ、ボクは」
ボクは夢の不快さに気づいて、そのまま起きた。
「やっぱり……ボクはあっくんと付き合いたいのかな?」
と、ボクは体育座りをしながら、小さく言ったのであった。
ボクが起きたのは、空はまだ暗く、陽は昇っていなかった。
「あっくん……。ボクはどうすれば良いの?」
と、ボクは小さく幼馴染に問いかけた。