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まぁ、別にそんなに懇願しなくても梶原君はすぐに来てくれた。
まぁ、入り口近くのテーブルなんだから来るのが普通なんだけれども……。
「おっ、綺理さんじゃん! 何、してんだよ?」
「……気にしなくて良いですよ、梶原君」
けど、梶原君よ。姉川さんと来るのは予想外だったんですけれど……。
「……はい。梶原君と姉川さんの2人ですね。どうぞ、ジュースです」
私はそう言って、梶原君にオレンジジュースを、そして姉川さんには……何が好きか分からないので、とりあえず青汁を渡しておいた。
「あぁ、ありがとうな。綺理さん」
「……これ、嫌がらせでしょ?」
2人はそう言って、手に持ったジュースを飲み干す。明らかに姉川さんは、嫌そうな顔だったんですけれども……。
「今日は2人でパーティーですか?」
「まぁ、な。こいつはこうでもしないと、こう言う賑やかな所には来ないからな。
この前言ったかと思うが、こいつはビルから一度死にかけている。だからこう言う、楽しめる場所で定期的に人間に慣れさせてるのさ」
「……あぁ、なるほど」
どうやらこの元自殺志願者を人に慣れさせて、もう二度と戦うって言う意思を起こさなくするのが狙いですか。梶原君らしいと言えば、梶原君らしい策ですね。
「……もうしないってば」
「はい、はい。まぁ、そう言う訳だから……今日は楽しんでくるよ。綺理」
「あ、はい! 私も出来る限り終わったら合流するので、楽しんでいってください! 梶原君………………(それに姉川さん)」
ボソッと言って、2人を中にお通しする。
「おっ、ありがたい。ありがたい。
じゃあ、姉川。入るか。中ではダンスパーティーみたいなのもやってるらしいし」
「……分かったわ。楽しんどく。
(さっき、明らかに私をあまり、歓迎していないみたいですよね)」
そして2人はパーティー会場の中に入って行った。
楽しそうだったのが、少しいらつくんですけれども……。
「……まぁ、今は新山さんが来るか? それか他の人に頼むとしましょうかね」
早く来てくれると嬉しいんですけれども……。
パーティーを梶原君と、早く楽しみたいんですけれどもね……。




