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俺とボクとは釣り合わない  作者: アッキ@瓶の蓋。
天才にはあと1歩が足りない

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16/23

2

肌寒い12月の冬空。

枯れた葉っぱが風に巻かれて、宙を舞うのを傍目で見ながら、私は書類を目に通す。



その書類内容は今年の参加者の名簿である。去年に比べて、20人くらい多くなっているその書類を横目で見ながら、目の前の梶原(かじわら)君に声をかける。



「今年の人数、明らかに君の人徳だね。だいたい内容は毎年派手になるけど、人数は決まって一定なはずなのに、今年がこれだけ多いのは君のせいだよ、梶原義人(かじわらよしひと)君」



「いや、別に俺だけが原因じゃないだろう。毎年、人では多くなるものだし」



参加者用のパンフレットのホッチキスを閉じながら、そう返事をかえす梶原君。



……手伝ってくれると言う事なので、梶原君に早速仕事を振り分ける事にしたのでありました。

出来る限り、こうやって仕事を一緒にして、梶原君との仲を深めていこうと言う私の作戦なのです。これも私がやっている作戦の1つです。

こう言う作戦をいくつも積み重ねて梶原君と恋仲になる作戦なのですけれど……。



(結構、策はやっているつもりなんですけど)



まぁ、こんな鈍感男を好きになってしまった私も私なんですけれど。

私はそう言いながら、別の書類を持ってその中身を見る。



「……うん。購入リストね。重要だからこれは私の方でやっておくよ」



「あぁ、頼んだ。俺は俺で事情があるから、これで失礼するな」



そう言って、梶原君はそのまま立ち上がる。



「事情……? 参加して欲しい女子とか居るとかじゃないだろうね?」



そう私は冗談めいて言ったつもりなんだけど、彼はこう返事をしたのであった。



「えっと……本当にそうなんだが」



はい……?

え、クリスマス会に参加して欲しい女子?



それって……遠回しな好きな人連れて来る宣言ですよね? それって本当ですか?

え……? 妹とか姉とか、そう言った家族的な人を連れて来るとか言う事ですか? 家族とかって、参加できないはずなんですけれども……いや、出来ればそう言う話だと良いんですけれども……。



「だ、大丈夫か? 綺理(きらり)? 顔が赤いんだが?」



「……き、き、き、綺理!?」



いつもはさん付けなのに、呼び捨て!? そ、そ、そ、そんな事をしてくれるなんて!?

ただでさえ、梶原君が女性を連れてくれるって言う発言で、困惑していると言うのに!



「おーい、綺理。どうしたんだ、妹尾綺理?」



「あぅー…………」



ま、また呼んでくれるなんて!? ちょ、ちょっと、梶原君!

どれだけ私を困惑するんですか、あなたは!?



「あぁ、これじゃあ無理だな。ちょっと意識が飛んでいるし。

なら、先に帰らせてもらうからな。じゃあな、綺理さん」








……気づいた時にはもう梶原君は帰った後だった。



「……仕事しておこうか」



そう私はそう言って、明日2人で仲良く話せるように仕事を出来る限り減らす事に、私は努めたのでありました。



……20分も経ったら、やりすぎに気づいたので片付けて、家に帰ったのでありました。

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