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俺とボクとは釣り合わない  作者: アッキ@瓶の蓋。
天才にはあと1歩が足りない

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第2巻、『天才にはあと1歩が足りない』。

開幕、開幕~。

妹尾綺理(せのおきらり)

そんな私の名前が黒板に白い文字で書かれていた。



その上には私に当てはまれた役職が書かれている。

役職の名前は……『クリスマス実行委員長』。



「……はい? なんですか、この私に全然似合わない役職の名前は」



今の季節は12月。まだ初雪は見てないけど、それもあと2、3週間すれば見れるんじゃないかと思うこの頃。

熱中症がはやる季節じゃないけど、こんな幻覚を見るって事はやっぱりそれに近い症状じゃないかと思う。だって、あまりにもそれは私には似合わないから。




「いや、お前にあてはめられた役職だよ、妹尾。普通に書いてるだろ、クリスマス実行委員会って」



「梶原君……。別に私は文字が読めない訳じゃないよ。信じられないだけであって」



目の前に座る男性、梶原義人(かじわらよしひと)に前から話しかけられて僕はそう答える。



梶原義人。

このクラスの実質的な委員長。いや、委員長は別に居るけど、その人は梶原君に比べたら人気が無いし。いや、それでも十分に有能なんだけど。

要するに梶原君は皆の仲を取り持つパイプ役を(にな)っている人物。



焦げ茶色の短髪男性。感情に乏しそうな顔、平均より少し高いくらいの背丈、ほどほどに筋肉質な身体。



それが彼、私が片思いしている男性、梶原義人である。

最も、私がいくら片思いしているとはいえ、そう会うたび会うたび顔を赤らめたり、挙動不審(きょどうふしん)になっている訳じゃない。

ちゃんと心の準備が出来ていれば、大丈夫だし。

いや、本当だよ? 準備さえできれば本当に大丈夫、大丈夫。



閑話休題(かんわきゅうだい)



今は目の前の事が信じられない。なにせ、クリスマス実行委員長なんて一番私がやるべきではない役職だからである。




クリスマス実行委員会。

毎年、この高校、入江(いりえ)高校では学校全体でクリスマスをお祝いする。

まぁ、希望者のみの行事なのだが。それでもなお、希望者がゆうに200人を超える行事なのだが。

実行委員会の仕事は、実行委員会のメンバーでクリスマスを楽しんでもらえるために、色々と策や物品を用意する仕事である。



この委員会はクリスマスしか出番が無いけど、毎年毎年皆の期待に答える内にハードルが年々上がっている、まさしく期待されまくりの委員会。

去年なんかクリエイターの頑張りが分かる氷像と色鮮やかな打ち上げ花火を用意してたから、今年はそれ以上をやれと言う事である。



(いやいや。そんな無理難題を私なんかに押し付けないで欲しいです!)



しかも、これが推薦(すいせん)でそれをやった人物には逆らえないから困った物である。

もう私がやる事は決まってしまっている。

逃れられないのだ。この七面倒臭い行事から。



何が悲しくて、こんな物の委員長を引き受けなければならないのだろう?



「しょうがないだろ、綺理さん。皆がお前が相応しいと認めたんだから。大人しく受け入れろ」



「梶原君……」



あぁ、流石私の好きになった男。とてもカッコいいよ。



「大丈夫、俺が伝える範囲は手伝うからさ」



「梶原君……」



あぁ、こんな状況じゃなければきゅんきゅんと、萌え死にしているのに!

……いや、きゅんきゅんって。自分で言っといて、とても恥ずかしいな。この言葉は。



「……えぇ。手伝ってもらいますよ、なにせあなたが無理矢理推薦したんですから」



頬が赤くならないように、私を実行委員長に推薦した人物、梶原義人に私はそう言ったのであった。

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