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俺とボクとは釣り合わない  作者: アッキ@瓶の蓋。
俺とボクとは釣り合わない

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俺が通う高校の事を話そう。高校の名前は、入江(いりえ)高校。これまでの生活から分かるように、割と皆が和気あいあいと過ごす学園である。俺も皆も、この雰囲気を気に入っている。



対して、綺理(きらり)ちゃん先輩が言っていた隣の高校とは、恐らく皆本(みなもと)男子高校の事である。

皆本男子高校は不良が多く、素行が悪い事で有名であり、街のニュースでも良く取上げられている。




恐らく運悪く、だんごは巻き込まれてしまったのであろう。

これはもはや運みたいな物だ。巻き込まれる人は何をしても巻き込まれるし、巻き込まれない人は何をしても巻き込まれない。綺理ちゃんからそう話は聞いていた。

運が悪かった。ただ、それだけで綺理ちゃんは片付けてしまっていたけれども、俺はそれで終わらせてしまいたくはなかった。




そして、俺と蓮華はだんご救出するために、綺理ちゃんに聞いただんごが捕まっているとされる廃工場へと向かうために、裏道を歩いていた。



「くそぅ! くそぅ!」



「お、落ち着いて! あっくん!」



隣で蓮華(れんげ)がそう(なだ)めるように言う。

きちんと綺理ちゃんからメールで説明してもらっている。



たまたま、買い物中の彼女が襲われて皆本男子高校の生徒達に連れて行かれたらしい。

それを見ていた綺理ちゃんのクラスメイト、梶原(かじわら)先輩の話によると自分もどうにかしてその娘を助けようとはしたらしい。

ただ、それをやるにはその時、別の用事をしていたためにそれが出来なかったらしい。とても反省しているらしい。



「くっ……! 分かっているよ、ここで怒ってもしょうがないって事はさ!

でもさ……そんな風に思っていても抑えきれない気持ちって事はあるんですよ」



「あっくんって、そう無意味に正義感強い所あるよね?」



「はっ……? クラスメイトだからこんな物だろ?」



「……うん。ボクはそんなあっくんが好きなんだけど」



何故か、蓮華の顔が赤い。いったい、どうしたのだろうか?

俺はそう言いながら歩いていると、遂にお目当ての廃工場に辿り着いていた。



「じゃあ、蓮華。先程話してた通り、俺が視線を引き付けておくからその間にだんごを助け出しておいけな」



「う、うん。ボクも頑張るけど……(あつし)も気を付けてね」



そして、廃工場の重い扉を開けると



中には鉄パイプやら釘バットで武装している、王道(テンプレ)の大量の不良達がこちらを睨み付けていた。



「あ、敦君! それに蓮華さん!」



その真ん中、地面から少し浮くくらいの所でだんごは縄に縛られていた。

だんごは僕達を見て笑顔になっていたけれども、その目元には涙の跡が残っていった。



そしてその近く、豪華な椅子に座るようにして大柄な男子生徒がピーナッツを潰していた。



筋肉質な身体に白いシャツを着ており、その上に黒い学ランを羽織るようにして着ている。

陽に焼けた赤銅(しゃくどう)色の肌、少し白みがかかった黒髪を肩の辺りまで伸ばしている。

そんな彼は、俺達を見ながらニヤリと笑みを浮かべていた。



「ふん! 貴様ら、何者だ。この俺様、病院坂中(びょういんざかあたる)様率いる、皆本男子高校生徒連合に何か用か?」



「少し、その女性を返して貰おうかと」



俺がそう言うと、病院坂はハハハと笑って、



「ハハハ! 面白い奴だ! 良いだろう。少し相手してやろうじゃないか。

……お前ら、やれ」



『ヘイ!』



周りの不良共はそう言って、俺達に向かって来た。



「さぁ、だんごさんを返して貰おうじゃないか」



俺はそう言いながら、不良共に向かって行った。

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