ごっこまんの140字小説集③
ごっこまんがX【https://x.com/gokkoman】で発表している140字小説のまとめ
人狼ゲームやろう
「何それ」
あれ、僕以外知らない?
ならやりながら説明するね
まずくじ引きで人狼を決めて…
「あー!はいはい!」
ピンと来た?いけそうなら本番しようか
「人狼だーれだ!」
あー違う違う
『俺〜』「ふぅ〜!」
考えられる限り真逆だよそのゲーム
「じゃ俺君吊るしま〜す」
こいつ怖っ!
――人狼の王様
・
「鳶が鷹を生む
凡才が神童を儲ける比喩です
本日一羽ご用意しました、鳶が生んだ鷹
子の才能を信じる
この鷹は親心に適う縁起物
特別価格で」
鷲だ
「何しろ鳶の鷹、外見は鳶とも鷹とも」
それも禿鷲
「愚禿と申しまして」
親鸞の自称
「鸞は鳳凰の一種」
『鸞です』
鸞じゃねえか
いやしゃべったな?
――ランタカトンビ
・
「想像力豊かだな!その推理に従えば俺は全員ブチのめしてトンズラこけるぜ!」
『惜しい。推理を披露した以上、単騎制圧できると暗に告げたつもりだが』
「試すか?」
孤立した山荘に徒手空拳が炸裂す
その調子で争え
真犯人、合成魔獣娘は息を潜める
何で被害者がピンピンしてて探偵とバトり出すのよ
――ドッカンバトル探偵 剛力
・
狐は葡萄を採ろうとした
だがいくら跳んでも届かない
「どうせ酸っぱい葡萄なんだ。食べる価値ない」
『うっふ〜ん♡そうなの〜?♡私、どれだけ酸っぱいのか試したいわ〜♡』
狐は必死で葡萄を採る
ドスケベ狐お姉さんにねだられたからではない
『君もど〜ぞ♡』
谷間の葡萄はたわわで、うおデッカ…
――◯っぱい葡萄
・
みなさん、石化シチュお好きですよね
人間を石化させると、同じ体積でもグッと重さが増します
一体何が起きているのか、実験してみましょう
今回はメデューサさんが手伝ってくれました
「アイマスク取りま〜す」
(この世の終わりのような大爆発)
核融合が、起きましたね
でんじろう先生のはぴエネ!
――石化考
・
歯も生え揃ってねえ小僧っ子が、風の噂にやんちゃしてると聞きゃあ…
ちょっと目ぇ離した隙に牙が抜けてやがる
テメエ何でこうなる前にわしを呼ばん
「いつ抜けるかなんてわかりませんよ」
一報寄越さんか
「乳歯が抜けただけですよ」
『じいじみて。歯生えた』
あぁ〜孫の笑顔でじいじキュン死する〜
――牙抜け
・
イタリア人は激怒した
必ずスパゲティが折られるのを阻止すると心に誓った
対策は二つ
決して折れないスパゲティ
折れば粉微塵のクスクスと化すスパゲティ
結果は失敗
後者は袋詰めからクスクスと化し全滅
前者はフェラーリの新素材に採用
後のフェットチーネラーリ
名車メンオルギーニの先駆けである
――イタリア製麺・車産業偽史
・
天照大御神がまた引き籠った
『困った。今度はショート動画漬けだぞ』
「任せろ…天照様!右左どっちで料理作りましょう」
天の岩戸が微かに開く
「料理系がブーム…Jammo ja!」
【Vai!Vai!】
ウキウキで飛び出す天照
【次の神有月はナポリに集合な!】
『出雲大社だよバカ』
「Approved」
『おい』
――ドパガキ天照
・
ざぁこ♡ざぁこ♡
襟元擦り切れ♡
嗅いだり吸ったり♡
水イカくっさ♡糞害くっさ♡外見くっさ♡
食う寝る忘れシコる処♡
無駄撃ち子種の無駄子種♡
逮捕逮捕逮捕の性犯罪♡
性犯罪のガチ末代♡
ガチ末代の恥晒しのお嫁来ないの♡
超不細工の超助平♡
「君だけだよ、僕の名前を呼んでくれるの」
親恨め
――メスガキ寿限無
・
この店は目の前で揚げてくれるのか
「ええ何でも揚げますよ」
じゃあ棚
「お客さん…からかうんなら出てってくだせえ」
棚“に”でなく棚“を”揚げろってんだ
「とまあウチの揚げ足取りはセルフサービスなんでさ」
へえ、大将、やるね
「お客さんも通だ。棚は爪先立ちで届くくらいで?」
そうそうこの高さ
――揚げもの屋にて
・
世界一ふわふわなパンケーキを作る
世界一ふわふわなら、世界一空気を含んでいる
全世界の空気をパンケーキ一つに詰めれば不動の世界一だ
畢竟、そのパンケーキは世界最大
完成品は限りなく大気の組成に近づく
つまり僕らは既にふわふわパンケーキにほぼ包まれている
幸せだね
わかったなら代金を払え
――世界一ふわふわなパンケーキ
・
「ヤベーぞ逃げろ!」
暴走したキョンシーの襲撃
『道士はどこだ』
「何か[せや急々如律令の“律”を“淫”に変えたろ]とかほざいて…」
『バカじゃねえの』
【ヤらせろッ!】
「うわぁー!」
…
【でキョンシーから仙人になった訳】
「そうはならんやろ」
【なっとるやろがい。今日の房中術ノルマヤるよ】
――ファッキンキョンシー
・
【手足が三対ある生物は】
昆虫?
【我々ケンタウロスの手足は】
…三対
【そういうことだ】
夢壊すなよ
【夢押し付けた側が言うな】
ごめん
【我々の真実を教える】
大袈裟な
【声帯ないから楽器で話してる】
どんな…は、初音ミク!?
【便利な世の中だ】
男の声に聞こえる
【調教だ】
えっぐ…Pやれよ
――ケンタウロス考
・
金ビキニ職人の朝は早い
繁忙期のGW、取材に応じてもらった
職人の金尾基二氏は語る
「金ビは着る人が選ぶ物じゃない。着せたい人が選ぶ」
彼のTLには金ビ絵がずらり
「着る人が喜ぶ物を目指してて。けど、渋々着てもらうのがミソだね」
金尾氏の仕事着も金ビ
堂々の着こなし
しかしむしろ寂しげだった
――金ビキニ職人
・
【朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。これは何か】
スフィンクスの問いに旅人は赤面する
「昨日の夜の体位…」
【詳しく】
「手押し車、駅弁、Y字バランス…」
【ぐふふ】
艶めいてお色気変化=ジツするスフ淫クス
「イヤーッ!」
旅人のヘルス・カラテ!
【グワーッ!】
「正体見たり。淫魔犯すべし」
――サキュバススレイヤー
・
私のお墓の前で煽らないでください
そこに私はいません
は?いないが?
死に無知なメスガキが…
千の雑魚に×2なって
お前の集団登下校に吹き渡ってわからせてやる
秋には光になってお前に降り注ぐ
冬は生え際のようにギラつく雪になる
朝は鳥になって早起きわからせる
夜は星になって地動説わからせる
――千の雑魚になって
・
催眠アプリの多くはジョークアプリ
だが稀に本物が紛れている
そうした本物もある意味偽物なのだが、機能は本物なので悪質だ
その一例
催眠を試す際、本番前に予行演習をするはずだ
その際、アプリは使用者に次の催眠をかける
「限度一杯課金し忘れろ」
課金後、アプリは自動でアンインストールされる
――カスの催眠アプリ
・
「ここは手を組もう、僧侶」
『やむを得ませんね、死霊術師』
「我が先に。貴様は後始末」
『承知しました』
死の魔術が命を狩り、浄化魔法が不浄を清める
「如何に痛んだとて、これで食える肉になったろう」
『でも何か黒い汁が…』
「理論上は…ペロ…あ醤油だ」
『薄塩で肉風味のナンプラーだこれ』
――異世界ギリセーフ
・
怪談タクシーに乗った
「真夜中のこの辺でした。黒髪でワンピースの女性を乗せて…」
ベタだなあ
客がいつの間にか消えてシートが濡れてたとか
「で、こう言うんです
『良い加減、死んだって気づけ』って
ははあ、じゃ幽霊らしいタクシーをやろうかって…」
タクシーが消える
私は叫ぶ
夜のド田舎だぞ
――怪談タクシー
・
手を合わせっこ
私より遥かに大きい手
「お手」
私を犬扱い
ムカつくから冷たくする
でも、甘えたい心はお見通し
この手で今から、滅茶苦茶に…
両手に頭を包まれる
親指が頭を撫で、人差し指が顎を、残りが喉元から胸を…
「お前これ好きだねぇ」
こいつ他の女の臭いをさせて
【ゴロゴロ】
この猫誑し
――仔猫ちゃん
・
あの夏、一緒に遊んだ少年と再会する
「お、お前、女だったのか!」
『違う』
「どう見たって女…」
『私は卑しい雌犬』
「おっとそうきたか」
『野良だよ』
「誰に覚えさせられた」
『自分で』
「独学かよ!」
『…あ、犬はワンって鳴かなきゃ。お仕置きを』
「しねえよ」
『放置プレイ』
「無敵か」
――すっかり見違えたあの夏の子
・
糊を食べた雀に怒って、お婆はその舌を切ろうとした
が、雀の舌は既に切れていた
【スプリットタンよ】
得意げに披露する雀に「遊び人め」と僻みながら、お婆は釘づけ
【そだ、爪塗ったげる】
お婆は嫌がっても無抵抗
綺麗な爪にうっとりするお婆
【お婆可愛い】
「別に…」
雀はズルい
その笑顔が憎い
――舌切り雀ギャル
・
「タイムマシン完成だ」
博士まだ途中です
「私は未来の私だ」
激務で壊れたか?なら完成品は?
「ない
マシンは搭乗者のみ時間旅行させる物だった
往復にはマシン用マシンが必要だ
早速計画変更を」
後日、身元不明の遺体発見
更に後日、実証試験で事故
博士失踪
計画凍結
休日返上させてきた博士が悪い
――時間を死守せよ
・
通勤電車で見かける彼
大勢の中で彼だけ印象深い
いつも見てたせいか、ある日彼が手を振った
これは…決心し話しかける
「いつも走って電車に追いついてますよね」
彼は驚いた
『手を振らすのは良いよ。会話はヤバいよ。俺屋根伝いに走る忍者の妄想だよ』
満員電車で私の周りが空いている
私だけの忍法
――限界ブラック忍者
・
「ごん、お前だったのか。いつもTLに海外ニキのグルメを流してくれたのは」
ごんはガッツリと肉を食らったまま頷きました
兵十は瓶コーラにバターピーナッツをドポポと、注ぎ落としました
スパイシーな炭酸が、瓶口からボコボコ出ていました
「そのBBQ肉、おくれよ」
二人は肉とコーラを分け合いました
――ごんぎつねニキ
・
魔法は法則に非ず
熱源に太陽の核融合、呼吸に量子トンネル効果
生物は法則を利用し尽くしてきた
何故魔法は例外か
魔法は後発で開発されたシステムだからだ
システムなら管理者がいる
我々は管理者に支配されている
「陰謀論きちぃ〜」
『仕様書抜きで引き継いだ身にもなれよな』
「前任者殴りてぇ」
――異世界ディープステート
・
書類選考通過の通知が届いた
実技試験の会場へ向かう
試験官が実技内容を説明する
「皆さんの資格は充分。これから私が剣を振ります。その動きにご対応ください」
達人の太刀捌きだ
剣の軌跡が光の尾を残し、一撃で無数の太刀筋が光る
僕は操縦する手に汗を握る
斬撃エフェクトってドローンだったんだ
――爽快ソードアクションRPG
・
アキレスと亀
アキレスでも逃げる亀を捕まえられない、パラドックスの一種です
今回ご用意しました、その亀
〆切り、借金取り…誰にも追いつけないこの亀と一緒なら、逃げる不安とおさらば
今なら特別価格
お買い上げありがとうございます
どうぞお持ち帰りください
どうしました?捕まえるだけですよ
――アキレスと亀
・
私は分かれ道に立った
片方は正直村へ、もう片方は嘘つき村へ
それぞれの村の娘が一人ずついる
一つだけ質問して、正しい道を選ぶには…
【隣の子、好き?】
「大好き」
『大嫌い』
大好きと言った子が泣く
大嫌いと言った方が焦る
「嘘よ」
『ねえ本当にやめて』
そうか…
ここが私の目的地だったのか
――正直百合村と嘘つき百合村
・
ここのパスタは店員が好きなだけチーズをかけてくれる
「ストップって言ってくださいね」
その最中、妻が産気づいたとの電話が
代金だけ払い、産院へ
母子共に健康
育児に没頭
妻とあの店に寄ると、入口から雪崩れる粉チーズ
『湧き所なのよ』
慌てて私はストップをかけた
で、離婚
頭固い男は嫌ってさ
――無限チーズ
・
何でこの施術を?男?
「いえ」
じゃ何?
「肩乗りの小さな自分に台詞を復唱させる?のが流行りで」
言うほどか?
「息子は大トロで」
…!
「中トロはあっても小はね…私が代わると言うと『ママは赤身じゃん!』って…それで、脂肪注入を…グスッ」
…これ、子供に
「何?」
似たようなもんさ
「トロッコ…?」
――大トロ『ママは赤身じゃん!』小トロ『アカミジャン!』
・
魔王様、女にした勇者に親衛隊が就き破竹の攻勢です
「余が女にしたと伝えよ」
天晴、親衛隊を服従させるとは
「当然。誰が女の体に慣れさせたと」
武器庫を占拠し、過程の開示を要求しています
「余と勇者だけの思い出ぞ」
奴らが暴動を
「余も女と伝えよ」
今度はタチネコ論争が
「迷惑すぎるぞよ」
――追い詰め百合魔王ちゃん
・
知恵の実を食え
蛇がイヴを誘惑する
「神様がダメって」
【これでもか】
蛇は知恵の実の芯をくり抜き、バターを入れた
粉砂糖をまぶしてオーブンへ投入
バターキャラメル香る焼き知恵の実のパンケーキ、シナモンとバニラアイス載せ、味変用チョコソース
「わぁ♡」
【生命の実つける?】
「つけりゅ♡」
――ギルティ超えてシン超えて滅
※再掲&リメイク
・
ゴーレム住宅を売り出した
これが大ヒット
備え付け家具もゴーレムの一部で、家事はフルオート
オートロックは鍵不要の生体認証
何より歩けるから不動産じゃない
ただ、夢の住まいにもクレームはつく
「急に家に入れなくなった」
原因は壁にかけた額縁
誰だって怒るに決まっている
身体に釘打たれたら
――ゴーレム住宅
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↓は本当に読んで欲しいやつ
無原罪御宿の吸血鬼
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