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11話 新たな旅 聖女の町へ

鉄角獣討伐から数週間、交易都市の冒険者ギルドで休息中のエリックの元へ

鉄狼団のヨナから手紙が届く。


遥か遠方の町「ルミエール」の大聖堂に、優秀なシスターたちが集められている。

その中でも特別な能力を持つ者に与えられる「聖女」の称号。

その称号を持つ者の中に、「祝福」の力を持つアリシアというシスターがいるという。


交易都市のギルド酒場でエリックはヨナからの手紙を握りしめ、目を輝かせる。

「ルミエールの大聖堂…、聖女、アリシア。…母さん…そこに居るのか?」

リナが三つ編みを振って割り込む。

「おい、金髪!何だよ、聖女って?すげえシスターってことか?」

エリックは頷く。

「ヨナの手紙だと、大聖堂には特別な力持つシスターが集まってて、その中にアリシアって名前が…。

 9年前、修道院で会えなかった母さん。きっとここに移ってたんだ!」

マリアが酒杯を叩き、

「ハッ、いいじゃねえか!金髪、母貴(ははき)に会いに行くってか!」

ガイルがニヤリ、

「坊主、良かったな。けど、ルミエールは遠いぜ。道は魔獣だらけだ。」

クレアが眼鏡を直し、

「大聖堂は聖魔法の中心地。『聖女』は癒やしや浄化の力を持つと聞きます。

 アリシアさんが…そうなら、素晴らしい方なのでしょうね。」


エリックは拳を握り、決意の目を向ける。

「…俺、行くよ。母さんを捜すため、ルミエールまで、絶対たどり着く。」

仲間を見回し、声を低くする。

「けど…この旅は危険すぎる。ギルドの依頼でもないし、この先は俺一人で…」


そこまで言ったところでリナが立ち上がり、テーブルをバンッと叩く。

「ハァ!?金髪、何だよそんな水くさいこと!アタシを置いてく気か!?」

彼女は三つ編みをブンッと振り、顔を赤らめる。

「母ちゃん捜すってんなら、アタシも行く!置いてくな、馬鹿!」

エリックがポカンとする中、マリアが豪快に笑う。

「ガキ、いいぞ!俺も行く!長い付き合いなんだ、今さら一人で放り出せるかよ!」

ガイルが肩をすくめ、

「俺の案内なしじゃ道に迷うぜ?置いてかねえでくれよ。」

クレアが微笑む、

「エリックさん、あなたの目的は私たちの目的でもある。アリシアさんに、私もお会いしたいわ。」

エリックは目を潤ませ、呟く。

「…お前ら…くそ、ありがと。」

リナが照れ隠しに、

「う、うるせえ!さっさと準備しろ、金髪!」と吠える。



数日後、ルミエールへの街道を進む5人。

森の奥、魔狼の群れが襲いかかる。

マリアが大剣で先陣を切り、「ガキども、遅れんな!」

リナが剣を振り、「アタシが一番倒す!」と突進。

エリックは「風刃」で援護し、「リナ、無茶すんな!」

ガイルが「鷹の目」で敵の数を確認、「20匹、囲まれてる!」

クレアの「神壁」が牙を弾き、5人の連携で魔狼を撃退。


夜のキャンプ、焚き火を囲む。

リナがエリックに近づき、三つ編みをいじりながら呟く。

「なあ、金髪…母ちゃんに会えたら、どうすんだ?その…アタシとか、仲間とか…置いてく?」

エリックは驚き、笑う。

「バカ、置いてくわけないだろ。母さんに会ったら、お前らを紹介する。

 『こいつが俺のライバルで、最高の仲間だ』ってな。」

リナは顔を赤らめ、

「…ふ、ふん!まぁ、いいけどよ!」とそっぽを向く。

エリックは彼女の照れ顔にドキッとする。

(…リナ、ほんと可愛くなったな)

マリアが酒を煽り

「しかし聖女だろ?どんな美人か楽しみだぜ!」

ガイルが呆れ声で

「マリア、聖女に絡むと神罰くらっても知らねえぞ?」

クレアが微笑む。

「きっとエリックさんの優しさはお母さん譲りね。」

エリックは星空を見上げる。

「母さん…待っててくれ。俺、絶対たどり着く。」

ルミエールの町はまだ遠い。

魔獣、盗賊、そして聖女の謎。

女神の転生レースがエリックを導いたこの旅、仲間と共にどこまで行けるのか?

新たな旅が、今、始まる。

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