魔法少女になって独立派の誘拐犯にお仕置きしました
ええええ!
ウッソ! 侯爵の息子弱すぎ。せっかく縄抜けしたので、もっと強いかと思ったのに!
普通はここで魔法をミラーで跳ね返すとかしろよ!
と思ってしまった。
まあ、あんまり期待するのは酷だ。所詮13歳だし。
私は無理やり納得しようとした。
「ブラッドリー様」
頼みのブラッドリーが一撃でやられてしまってお嬢様はもう涙目だ。
「何だ、あっさりやられたのか。他愛もないな」
後ろを振り返ってデービーが呆れて言った。
「じゃあ、お嬢様。今から俺等で楽しもうか?」
デービーの言葉にその周りにいかつい男たちがお嬢様を取り囲んだ。
「嫌よ」
お嬢様が逃れようと後ろに後退りする。
その足をデービーが踏みつけたのだ。
「おい、お前ら、お嬢様の体を押さえつけろ」
「いやあ!」
ローズお嬢様の悲鳴が響いた。
お嬢様が一瞬で地面に抑え込まれていた。
豊かな胸が揺れているんだけど……
少しその大きさにムカついたのは秘密だ。
そのでかい胸にデービーが手を伸ばした時だ。
今までのお嬢様の行いは私としてはあまり許せるものではないが、まだ、13歳の若い身空だ。
いやらしい男たちにおもちゃにされて良いものではない。
私は何も考えずに行動していたのだ。
「解除」心のなかで縄を解くよう祈ると、バサリとあっさりと縄は解けた。
そして、お嬢様の様子をいやらしい顔していた魔法使いにむけて、怒りの飛び蹴りを御見舞したのだ。
沙希様キッーーーーク、と心のなかで叫びながら。
「ぎゃっ」
そして、ほうけた顔をしていた魔法使いの横顔にモロに私の足はヒットしたのた。
男はそのままお嬢様に襲いかかっていた男たちの中に突っ込んでいったのだ。
ダーーーーン
そしてボウリングのボウル、いや飛ばされたピンのように回転しながら、皆を巻き込んで弾き飛ばしてくたれのだ。
「ギャーーー」
男たちの悲鳴が響く。
やった! 見事だ! 私もやれば出来るのね!
私は自画自賛した。
いやいやいやいや、普通は運動音痴な私がやっても出来るわけはない。
でも、私が心に祈ればその通りできたのだ。
これも魔法の一部だろう。
お嬢様の方を見ると、お嬢様はあまりの事に気絶したみたいだ。
ブラッドリーもボロ雑巾のようにのびていたし、本当に情けない。女の子を守るヒーローはこんな事で負けてはいけないのに! しかし、見方を変えればこれは変身するチャンスだ。
「この女あ、よくもやってくれたな」
起き上がった魔法使いが怒りのあまり顔を真っ赤にして立ち上った。
「まずはその女もまわしてやれ」
「えっ、こんな幼児はちょっと立たないぞ」
男どもは下卑た笑みを浮かべてくれた。
「ふんっ。ガキどもはだまりなさい!」
私は完全に切れていた。年はお嬢様と一緒なのに、幼児だと! 実年齢は私の方が遥かにお前らより上なんだよ!
「ほううう! いつまでその威勢のいい口が続けられるのかな?」
ケントが笑ってくれた。
「ふんっ、それはこっちのセリフよ」
「野郎ども、やってしまえ」
男たちが私に向かってこようとした。
「わっはっはっはっはっ! 私は無敵の沙季様よ! 怪獣も宇宙人も私の前にひれ伏しなさい!」
このセリフ長すぎるんだけど、こんなの言っている暇ないじゃない!
私の心の叫びが通じたのか、何故か男たちが途中でスローモーションのようにゆっくりになっているんだけど。
これも無敵の力か?
何故か、この長いセリフが言えたのだ。
そして、私は光に包まれて変身したのだ。
ピンクなど派手な衣装に!
「な、何だ」
「お前、犯されるのに衣装を替えたのか」
「その子供みたいな衣装だと更に萎えるんだが」
そう言ったケントを私の指は一閃した。
ドカーーーーン
爆裂魔術が炸裂して一瞬でボロ雑巾のように吹き飛ばされたケントは壁を突き破って外に飛んでいった。
「フンッ、口だけ男はこうなるのよ! 次に死にたいのは誰?」
私の言葉に一瞬男たちの動きが止まった。
「何してる、やってしまえ」
デービーの言葉に魔法使いが私に魔法を使おうとした。でも、そんなの許す訳はないじゃない。
私が人差し指を立てると、そこから爆裂魔術が魔法使いを直撃した。
ドカーーーーン
二人目が壁を突き破って外に飛び出した。
「やばい」
男たちは明らかに戸惑った。
私が見た目以上に強いのがわかったのだろう。
でもこれは3分間しか使えない。
さっさとやっつけなければ
「どうしたんだ?」
そこに外にいた男たちが大量に入ってきた。
数は50人くらいいる。結構な量だ。
「おい、その女をやっつけろ」
デービーが言ってくれた。
男たちが私に向かってこようとした瞬間に爆裂魔術を御見舞する。
5名ほどがまた、壁を突き破って飛んでいった。
「動くな!」
「ギャッ」
それを見て逃げようとした男たちは見えない壁にぶつかって顔を歪めて叫び声を上げた。
「捕縛」
私が言うと、縄が現れて全員後手に縛ってくれた。さすが無敵は凄い。50人も一瞬だった。
「な、何しやがる」
まだ元気があるやつもいるみたいだ。
「下半身カッター」
「えっ」
私の声に男どもは皆ぎょっとした。
次の瞬間、男たちの下半身を覆っていたズボンや下着がビリビリに分解した。
「キャッ」
男たちが慌てる。
女じゃないんだからいちいち恥ずかしがるな!
と思いながら、
「逆さま」
「ぎゃ」
全ての男たちを逆さ吊りの状況にしてやったのだ。
悪い奴らはお仕置きしないと。
「ウォーター」
そして、建物の中を障壁で覆って大量の水を中にぶちまけたのだ。
私は空に浮いた。ついでにお嬢様とブラッドリーも。
「悪いことをしたお前らはお仕置きよ」
私は手を下げた。その瞬間男たちは顔から水に突っ込んだのだ。
水の中に顔をつけられて男たちが、暴れる。
一旦、出してやった。
「どう? 許しを請うつもりになった」
「誰がお前なんかの」
デービーが言ってくれた。
「そう、じゃあ地獄で閻魔様に謝りなさい」
そう言うや私は再度全員の顔をプールに付けてやったのだ。
男たちが必死にバタバタするが私は無敵なのだ。私の術から逃れられるわけはない。
「わっはっはっはっは、正義の沙季様は無敵なのよ。天を誤魔化せてもこの沙希様の目は誤魔化せないわ」
私は高笑いして言ってやったのだ。誰も水の中で聞いていなかったけれど……
そして、私も調子に乗りすぎたのだ。
気付かないうちに3分間経ってしまったのだ。
私は力を使いすぎて、そのまま気絶してしまったのだ……
さて、気絶してた沙希様はどうなる?
続きは明朝です。
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