表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/82

神々のゲーム2 新ヒロインはドジで抜けていますが、ドラゴンの子供を子分にしてしまいました

「黒服、今度のパティちゃんは何かめちゃくちゃひ弱そうだが、大丈夫か」

戦神が心配して聞いてきた。

アンタラに比べたら普通は皆、ひ弱だ!

俺は思わず叫びそうになりながら、


「たしかにそう見えますが、閻魔様にも喧嘩売るほど気は強いですよ」

「そうか、閻魔相手に喧嘩を売るほどか! じゃあ大丈夫なんだな」

戦神は納得したが、大声で啖呵切った後は、ヒロインが青くなっていたのは言う必要もないだろう。


「ちょっと待ちなさいよ。黒服! 今度の子は全然胸が無いじゃない。それで恋愛できるの? 少なくともこのゲームは恋愛ゲームなのよ。いつも戦神が怪獣ゲームにしているけれど、王子様に恋させないとゲームエンドよ。そこは私は許さないわよ」

何か愛の女神様が余計なことを言ってくれるんだけど…… 確かに今度のヒロインは恋愛には疎そうだけど、そこまで面倒見られるわけ無いでしょ。既に二けたに届くほど失敗しているのだから。

でも、女神相手にそんな文句は言えない……


「何言っているんですか? まだ5歳の女の子ですよ。5歳の子が胸があるわけ無いでしょ」

俺は常識論で言い返した。


「何言っているのよ。私は5歳の時から胸は大きいわよ」

「愛の女神様と一緒にしないでください。普通は胸ないですから」

俺は必死にヒロインをかばった。

ここでやり直しなんかになった日にはたまったものではない。


「まあ、女神様。ここまで黒服が必死にやってくれたんですから、少しは見てみましょうよ」

何故か悪魔がかばってくれるんだけど、絶対にこいつは何か企んでいる。


「そう、仕方がないわね。じゃあ、悪魔ちゃん。貴方がそう言うならば、ここは我慢して見ていてあげるわ。でも、この子が王子を落とせなかったらあなたが私の相手をしてよ」

悪魔に向かって女神がしなを作っていうのだが……


おいおい、何の相手をさせる気だ? お前らもう少し真面目にしろよ!

少なくとも俺が何年もかけて作り上げた世界の邪魔をするな!




でも、心の中でそう叫んでいる俺も次の瞬間、目が飛び出してしまった。


皇子は転移させたのに、卵だけが残っていたのだ!


さすがアラサーのパティは全身血だらけの王子を見ても、ビクともしなかった。

今回新登場の魔法少女に変身してくれてヒールで治してくれたのだ。

この魔法少女の姿は戦神と悪魔には受けたようだ。女神は頭を抱えていたけど……


そして、王子を村長の家の前まで、転移させるのも上手くいった。


よしよし、と俺は思ったのだ。


でも、この子は抜けていたのだ。


なんと、皇子と一緒に転移させなければならないドラゴンの卵が残っていたのだ……


でも、この卵は史上最悪のドラゴンを呼び出す卵なのだ。何忘れてくれるんだよ!


慌ててパティは卵を転移させようとしたけれど、なんと、その卵にヒビが入ったのだ。


「えっ?」

俺の目が点になった。


お、終わった! 俺は最悪の予感が的中したのだ。


次の瞬間、ぱこっとドラゴンの子供が卵から孵ったのだ。


これは泣き出す、そして、ドラゴンが転移してきて終わりだ。


俺は真っ青になった。今までの俺の苦労が……


しかし、何故か、ドラゴンの子供はパティを見たのだ。


その瞬間ヒロインとドラゴンの目と目が合ったのだ。


何だこの二人、いや、一人と一匹の間に何かが走る!



「ぴー」

ドラゴンが鳴いたのだが、今までの鳴き方とは違う。何というか親愛の情があるのだ。


「えっ?」

これはうまくいくのでは?


そして、パティはなんとドラゴンの子供を抱きしめていたのだ。

「ぴーちゃん」

と名前までつけて。


チロリロリン


チャイムが鳴って裏ルートが勝手に開いた。


『最強のドラゴンの子がパティを親に認定しました』

『パティは子供を『ぴーちゃん』と名付けて契約しました』


「はっ?」

俺は空いた口が塞がらなかった。


ドラゴンの子供がパティを親認定してしまったのだ。


「なんてこった、こいつすげえな。竜を子分にしてしまったぜ」

戦神は笑って喜んでいたけど。


「なるほど、面白い。この子は魔王の素質ありますね」

おいおい、悪魔、余計なことを言うな。


俺は悪魔を睨みつけたが、悪魔はどこ吹く風だ。


「竜を子分にしたのは良いけれど、王子とは全然目を合わせなかったじゃない。これで本当に王子と恋できるの?」

恋の女神がぴーぴー言ってくれるけど、そんなのは知ったことじゃない。

取り敢えず、第一ラウンドクリアで俺はホッとしたのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。

私の

次の作品

はこちら

『転生したら地味ダサ令嬢でしたが、助けてくれた王子様に恋してしまいました。』

https://ncode.syosetu.com/n9394ik/

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

7月5日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ