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第53話 試験結果は!?

 

 三島と一緒に探星高校の広場に着くと、他の受験生たちも集まっていた。


 アイドル課やプロデューサー課はもちろん、音楽、演劇、ダンス、映画・映像放送、アニメーション、芸術管理などあらゆる学部の候補生たちが最終試験の合否を待っている。


「――すっぎうら~!」


「……ん?」


 快活な声に振り向くと、視界が急に真っ暗になった。

 それと顔全体がつきたてのお餅みたいに柔らかくて暖かい何かに包まれる。

 息苦しいが、このまま死んでも良いと思える多幸感と良い香りに抱きしめられていた。


「ちょ、ちょっと! 何してるんですか!?」


 三島がそう言って俺の顔にかぶさった何かを引きはがすとそこには慌てた表情の二反田が居た。


「ご、ごめん! 再会できたのが嬉しくて、つい顔に跳びついちゃった! 苦しかったよな?」


「いや、最高だった」


「……セクハラですか?」


 三島が額に青筋を浮かべながら俺に笑顔を向ける。

 ごめんなさい、つい本音が。


「いたいた、杉浦! もうすぐ発表だ、ドキドキするね」


 今度はそんなことを言いながら月読が歩いてきた。


「どうせお前は首席合格だよ」


「違うよ、杉浦が受かるかどうかドキドキしてるんだよ」


「お前は俺の保護者かよ」


 そんな話をしていると、今度は半泣きで雪華さんが駆け寄ってきた。


「みなさ~ん! わ、私最終試験でペン落としちゃって! し、しかも拾い上げる時に机に頭をぶつけちゃって! もうダメかもしれません~!」


「……だそうですよ、変質者さん? 貴方の粗相に比べたら可愛いモノですね」


「三島も人の事言えねーだろ。それと、雪華さん大丈夫。俺はもっとやらかしまくったから」


 そして、さらにもう1人。

 ミディアムヘアーの黒髪が良く似合う可愛らしい女の子が笑顔で俺のもとに駆け寄ってくる。


「良かった! 貴方も最終試験まで来られてたんですね!」


 1次試験で俺が助けた、読字障害ディスレクシアのアイドルだ。

 彼女は俺たちを見ると、ペコリと頭を下げた。


「改めまして、アイドル志望の一ノ瀬比奈(いちのせひな)です! 貴方のおかげで1次試験はトップ通過できたんです! 台本を全部覚えていたのは私だけでした!」


「そういや名乗ってなかったな、俺は杉浦誠。じゃあ、一ノ瀬は合格確実か」


 一ノ瀬は困ったように頬を指でかく。


「あはは~、それがですねぇ……。最終試験がスタジオでして、指示に従ってコメントやリアクションをする試験だったのですが……私、カンペが読めなかったんですよねぇ……」


「そ、それは運が悪い……。でも、一ノ瀬も雪華さんも一度は1位を取ってるわけだしきっと合格できるよ」


 三島は少し不機嫌そうに俺の袖を引いた。


「貴方、私以外のアイドルにも手を出して邪魔をしたんですか?」


「じゃ、邪魔なんかじゃないよ! むしろすっごく助けてくれたの!」

「そうそう! 俺なんか杉浦が居なかったら試験もちゃんと受けられてなかったし!」


 一ノ瀬と二反田が弁護してくれた。

 三島はなおも面白くなさそうな顔でため息を吐く。

 こいつ、どうしても俺を変態にしたいのか。


 3人のアイドルたちに囲まれた俺を見て月読は笑う。


「あはは、羨ましいなぁ。あ、合格発表は午後4時らしい。もうそろそろだね」


 そう言っている間に布の掛かった大きな立て看板が広場に運ばれてきた。


(ここに、合格者の番号が……俺は『31番』。頼む、数字があってくれ……!)


 俺と同じように雪華さんと一ノ瀬も隣で受験票を握りしめて固唾を飲んでいる。


「頼む~、杉浦を合格させてやってくれ~!」


 二反田なんかは声に出しながら手を合わせてくれていた。

 月読は微笑ましくそんな様子を見て一緒に手を合わせる。


 少し離れた位置では嵐山ヒロが腕を組んでその立て看板の布が取り払われるのを落ち着き払って待っていた。


 全ての受験生が、緊張した面持ちで布に覆われた看板を見つめている。


 そして、ついにその布は取り外された――

読んでいただき、ありがとうございます!

合格発表は本文にもあった通り午後4時なので、『明日の午後4時』に投稿予定です!

本当の合格発表を見るみたいに、ライブ感のある楽しみをしてもらえると嬉しいです!


「楽しみ!」

「ドキドキする!」

「みんな合格してますように!」

と思ったら↓から☆を入れて頂けると嬉しいです!


それでは、発表を楽しみにお待ちください!

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― 新着の感想 ―
[良い点] そうですか 西サモア時間で明日の16時ですね。わかりました (鬼)
[良い点] 後書きには笑えた
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