僕とオスカル 1-1
オスカルと出会ったのは僕が7歳の時だった。
僕は生まれてすぐ母の元からひき離され、たくさんの護衛や教師に囲まれて育った。国王に相応しい器になる為に父と祖母に厳しく育てられ、母に育てられていた妹や弟と会うこともあまりなかった。
物心ついたころ、僕のまわりにいる者は権力や金に執着の強いものばかりだと気づいた。
僕に近づく者は何かしら目的があったからいつも僕は細心の注意を払い誰にも心を許さなかった。
孤独だった。
孤独で不自由、それが僕の日常だった。
僕はそれが僕の宿命であり受け入れるより仕方ないと思っていた。
ある日、父の主宰するパーティーで、父から一人の少年を紹介された。
明るい栗色の髪の毛、エメラルドグリーンの瞳をもつ少年、
それがオスカルとの初めての出会いだった。
「はじめまして、殿下。オスカル・ヨハン・カールソンです。」
屈託のない笑顔だった。
「オスカルは私の重臣の息子でね、年も同じだしきっとお前と話が会うと思って今日は来てもらったんだ。」
「お招きに預かり光栄です、国王陛下。」
父が誰かを紹介するのは珍しい。父の目から見てこの少年は信用に値するということか。
「僕はヴィルフリート・グスタフ・ヴェルナドッテだ。」
「あー!!あのっ!!あれっ!!」
少年が遠くを見ながら目を輝かせて興奮している。
「どうしました?」
「あの魚はロマーナ王国のものでは?あの赤いフルーツはポルターノ王国からでしょうか?!」
少年が僕の手を引っ張り食事の並ぶテーブルにつれていき、あれこれ質問し始めた。
僕はこの国の皇太子だ。
それなのにこの少年…オスカルといったか、この少年は僕より目の前の料理に釘付けで僕が横にいることを全く気にしていないようだ。皿に入りきらないほど料理をあれこれのせはじめたと思ったら、他のテーブルが気になってまたいってしまうではないか。
「この阿呆!!」
オスカルの父がオスカルの頭をげんこつで殴った。
「いてーっ!!」
「殿下、大変失礼いたしました。うちの愚息は食べ物や珍しいものに目がなく昔から気になるものがあると他のことが見えなくなってしまうどうしようもないバカでして…。」
「…そうです、バカです。…すみません殿下。魚に気をとられました。」
「…ぷっ」
「で、殿下?」
「あははは!なんなんだ君は!!」
笑いが止まらなかった。
僕はお腹を抱えて笑ったのはこれが初めてだったと思う。
「よろしく、オスカル…と呼んでもいいかな?僕のことはヴィルと呼んでくれるかい?」
「もちろんだよ、よろしくな、ヴィル!」
「オスカルっ!敬語で話しなさい!」
「かまいませんよ、カールソン公爵」
オスカルの笑顔は今まで僕が見てきた回りの人間のとは全く違った。
僕は初めて誰かに興味を持った、そして仲良くなりたいと思った。
初めて会った時から君は特別だった。




