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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
フレーデル王国編
66/350

俺とヴィル 1

部屋をノックする音。やはりきたか。


「どうぞ」

「…いい?」

「あぁ。さっき部屋に戻った。」


俺はヴィルにもお茶をだした。

「…で、なんだったんですか?」

「…まぁ、予想通りというか。いや、予想以上というか。」

「ロマノ?」

「あぁ。」

ヴィルの顔が物凄く不安そうだ。


「…付き合わないかと言われたらしい。」

「ロマノに?!…それで?!」

「友達ならいいと断ったみたいだが…。」

ヴィルがほっとする。


「俺はむしろ不安になった。ミハイルは本気でリネアを好きになるかもしれない。リネアにとっても、ミハイルは好みの顔だし二人とも芸術好きという共通点がある。お互い中性的だから一緒にいても違和感がないだろう。お試しで付き合ってみる、という可能性は今後大いにあり得る。…ヴィル、お前どうする?」

「どうするって…」


「俺は、行動にでるかもしれない。」

「…フリッツ…。」

「あんな奴にリネアを渡したくない。」

「オスカルがこの国に留学をすると決めた時点でこのようなことは遅かれ早かれ起きること予測していました。ただ、オスカルの命を奪った関係者がオスカルと付き合うなんて…あり得ない。危険すぎる。」

「そうだな。」


「僕は15歳になったらリネアを婚約者にするつもりです。例え紙面上の物でも契約は契約なので。最悪付き合ったとしても、あんな男と結婚まではさせない。」

「じゃあ、俺が俺の権力を行使したらどうする?」

「…」

「そなたの国より、フレーデル王国の国の力は上だぞ。」

「…そうですね。でも、僕はオスカルを知っているから。」

「…どういう意味だ?」

「オスカルは、僕を裏切れない。僕がオスカルといることを望む限り、彼は僕から離れられない。」


「…。そなたはミハイルと少し似ているな。なんと言うか…。」

「卑怯、でしょう?」

ヴィルが卑屈な笑みを浮かべる。

「…心理戦に長けると言うか、急所をつくのが上手いというか。リネアはそなたに弱いからな。俺はそういうのは好かんが、理解はできる。

…それで?そなたはただ書類のサインを待つだけか?」

「…打てる手は打ちますよ。ただ、オスカルを縛り付けておくのは不可能ですから。」


「はー…。気が重い。リネアの門限5時にするか?帰ってこなかったら飯を抜くとか。」

「怒って帰ってこなくなりますよ、ロマノに餌付けされたらどうするんですか?」

「…そなたは一緒に帰宅できないのか?」

「無理ですね、向こうが早く終わるし。どちらにしても語学研修が終わったらお互いバラバラです。…寮もロマノと同じになるんでしょ?」


「いっそリネアを国に返したいくらいだ。」

「…誘ったのはあなたです。」



俺はもう一本ビールをあけてグラスにそそいだ。

「ヴィル…俺がリネアに付き合ってくれと頼んだら付き合ってくれるだろうか?」

「…相談相手間違えてますよ。…僕はリネアがあなたと付き合うくらいならロマノの方がマシだ。危険なことを除けば。」

「なんで?俺たち友達だろ?」


「だからです。僕は数少ない貴重な友人と幼馴染みの親友が付き合うことにより、今までの関係が変わるなんてごめんです。

あなたは僕がリネアと付き合うことになったとしたら、僕たちに遠慮して席を外したり一緒に遊びに行くのを控えたりできますか?」

「…すごく嫌だな。どっちにも変に気をつかわなきゃいけないのか。」


「僕はあなたの事を人間的に尊敬しているし頼りにしている。そのあなたに嫉妬したり嫌いになったりしたくないんです。」

「…なんか今、そなたを抱き締めたくなった。そなたも人に取り入るのがなかなか上手いな。」

「僕は思ってないことはいいません。」

「ヴィル…ぎゅーするか?」

「しません。男同士はパスです。」




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