語学研修 初日
7月の最終週、外国人留学生の為の語学研修がはじまった。
「リネアは俺が直接教えるから行かなくてもいいんじゃないか?そもそもそれだけ話せたら十分だろ。ヴィルはrの発音が相変わらず酷いし文法をよく間違えるから行ってこい。」
「スクールの規則を個人的な感情で変えたりするの辞めてもらえますか?」
「そなたがそれを言うか?」
「僕だってロマノきょうだいが参加すると分かっていてリネアを行かせたくありません、だけど規則は規則。ちゃんと守ります。」
「そなたは頭が固い…。」
「いろんな国の人に会えるんでしょ?僕は絶対行きたい!」
「はー…。」
二人が同時にため息をついた。
僕は新しい出会いにワクワクしていた。
語学研修初日、さっそくユーラと会った。
「おはようリネア。」
「おはよう、ユーラ。今日はメガネしてるんだね?」
「そう、目が悪くて。いつもはコンタクトにしてるんだけど。」
「お兄様」
横からお人形のような可愛い少女がでてきた。
「リネア、ヴェルナドッテ君、紹介する、私の妹のアリーナ・マイヤだ。」
「初めまして」
「初めまして、リネア・エステル・カールソンです。」
「初めまして、ヴィルフリート・グスタフ・ヴェルナドッテです。」
この3人、目立つな…。みんなこっちを見てる。ユーラは超絶綺麗だし、ヴィルもユーラの妹も人形みたいに整ってるもんな。僕だけ普通でちょっと寂しい。
そういえばフリッツにしろヴィッキーにしろ僕の回りは美男美女が多い。
「リネア、フレーデル語得意でしょ?私の隣で教えてよ。」
「いいよ」
「ロマノさん…、悪いけどリネアの隣は僕って決まってるんで。」
「ヴェルナドッテ様、私の隣に座ってください。」
ユーラの妹がヴィルを引っ張って隣に座らせた。なかなか積極的なお嬢さんらしい。
「アリーナは君の彼に一目惚れしたみたいで。」
「彼…?あぁ、ヴィルの事?それはない。」
「そうなの?じゃあリネア、今はフリー?」
ユーラが耳元で囁く。
僕の鼓動が早くなる。早く授業はじまって!!
フレーデル語の初日の授業はレベル分けテストだった。
僕はSのスコアを受け取り明日からSクラスに行くことになった。隣の席のユーラもS。
「ヴィルは?」
「…A」
「私と同じよ、ヴェルナドッテ様!!」
ヴィルがものすごい愛想笑いをしていたので僕は堪えきれず吹き出した。
授業後、僕たちは数人の生徒に呼び止められた。
「俺たちこれからスクールのカフェに行くんだけど一緒に行きませんか?」
髪の毛がふわふわな可愛らしい男の子に話しかけられた。…訛りがすごい。この訛りは…
「君、ロマーナ王国出身?」
「なんで分かるんだ?」
「アクセントでなんとなく…。」
「すげー!もしかしてロマーナ語話せる?」
「少しなら…」
「やった!俺全然フレーデル語得意じゃなくて…よろしくな!」
「じゃあ次、私はどこからきたでしょうか?」
次はポニーテールの少女。何故か出身地クイズが始まってしまった。
「うーん、もう少し話しを続けて。」
「そうね、私の年齢は15、好きな食べ物は…」
「ランク王国」
「ピンポーン!」
「じゃ、次私…!」
いつの間にか人がどんどん増えてきた。
「君のリネアはいつもあんな感じなの?」
「まあ、概ねあんな感じです。」
「フリッツみたいだね、人の懐に入るのが上手い。」
「そうですね、あの二人は似てる…。」
「おーい、ヴィルもカフェ行くよね?」
「あ…うん。」
「ユーラは達は?」
「行きます!私も行きたい!いいでしょ?お兄様。」
「…いいよ。」
こうして初日から僕はいろんな国の留学生と話をすることができた。あまりフレーデル語が得意じゃない人たちともある程度その国の言葉で会話ができた。外国語を勉強していてよかった!
ヴィルはもちろん、ユーラの妹のアリーナも語学堪能だったからみんなに話しかけられていた。
特にユーラはすごかった。僕がみてる限りほぼ全部の国の人と話していたようだ。
これから楽しみだ!
何がおこるんだろう!!




