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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
フレーデル王国編
58/350

ユーラに会う

白いシンプルなシャツに、黒いパンツ、僕が好きなタイプの服装だ。今日はちゃんと男性に見える雰囲気をしている。髪の毛は今日は結ばれてなくて、長い髪が朝の光に反射してキラキラしている。


「おはよう、ちゃんと起きれたみたいだね。」


「僕は早起きだから」

「朝御飯は?」

「まだ」

「じゃあ、そこのカフェで食べる?」

「うん」


店員の人たちや他のお客さんがユーラを見ている。

僕もやっぱり見てしまう。

一人だけ、異質な存在。綺麗すぎて別の世界から来たみたいな。


「来てくれてうれしいよ。こないだろ、普通」

「ちゃんと誰にも言わないでひとりできたよ。…約束守ってくれるんだよね?」

「そうだね、まずは朝ご飯を食べたらね。私はサラダにする、君は?」

「サンドイッチにしようかな」



ユーラはサラダとコーヒーを頼んだ。僕は玉子とハムたっぷりのサンドイッチにした。ユーラは食べ方がとても上品だ。

「君はよく食べるね」

「うん、食べるの好きだし。」

「令嬢がそんなに大きく口を開けて食べるの見たことないよ。フォークとナイフがあるでしょ?」

「でもこの方がおいしいと思わない?」

「私は見た目に美しくないのは好きじゃない。ほら、玉子口についてる。」

ユーラが僕の玉子をとって食べた。…なんとなく恥ずかしい。


「犬みたいだね、君は。」

「よく言われる。」

「フリッツに?」

「え…」


「お気に入りなんだってね、フリッツの。」

「…どうだろ。フリッツはみんなに優しいから。」

「優しい?あいつが?」

「うん。」

「…そう。」


朝食を食べ終えた僕たちは、街に散歩に出かけた。

なるべく、何かが起らないよう一目につく場所を歩くようにした。


「ユーラ」

「何?」

「…ユーラは、どうしてここに来たの?」

「普通に勉強しにきたっていったらおかしい?」

「おかしくないよ」

思わず目を反らしてしまう。


「警戒しまくりだね、リネア」

ユーラが僕の手をとって握った。僕たちはそのまま歩き続ける。

「大丈夫、私からは何もしない。ただ、会って話してみたかっただけ。私の父が殺そうとした娘に。」


「ユーラ…」

「君だけでも死ななくてよかったね。」

「…。」

真意がよくつかめない。少し怖くなった。

「君が襲われた理由だけど…」

繋がれた手はとても冷たかった。僕たちはベンチに座った。


「フェルセンはね、自分の息子の命と引き換えに君たちを襲ったんだよ、計画を邪魔する君の父と国王に警告するよう私の父に命令されて。まさか、殺すなんて思ってなかっただろうけどね。」


ああ、カールの思った通りだった。

鼓動が早くなる。この人の父親が…僕を殺した。



「これは私からの忠告だよ、うちの父に関わってはいけない、死にたくなかったら。」

ユーラがまっすぐ僕の目を見て言った。なんて、哀しい目をしているんだ。


「僕は…」




「リネアから離れろ、ミハイル」

フリッツがミハイルの手を振り払った。

「フリッツ…久しぶりだね。」

「フリッツ…なんでここに?」


「それはこっちのセリフだ。あれほど昨日忠告したのに。」

ミハイルはフリッツの首に腕をまわすとそのまま頬にキスをした。




「会いたかった」

「俺は会いたくなかった」

「…相変わらず冷たいね。」

「お前も相変わらず気持ち悪いな。」


「え…まさか二人はそういう関係だったの?」

「リネア、そんな訳…」

「私はそれを望んでる、ずっと前から。いい男でしょ?フリッツは…。ぽっと出の君になんか渡さないよ。」

ユーラが僕を睨んだ。


「…渡すも渡さないも僕のじゃないし。」

「そっか、君はあの美少年の彼女なのか?」

「…?誰のこと?僕は男に興味なんてないよ。」

ユーラが目を丸くする

フリッツが頭をおさえて項垂れた。


「…面白い。道理で私のことをそういう視線で見ていたわけだ。」

「リネア…」

フリッツが僕を睨む。


「だって、ユーラすごく綺麗なんだもん、仕方ないじゃないか」

僕は赤くなった。




「そういえば…ヴィルも僕を探してる?」

「…当たり前だ、別の街区でお前を探している。お前は本当に困ったやつだ。」


「ね、ヴィルも見つかったらみんなで博物館いかない?みたい展示があって。」

「リネア、お前なー。どっちが探されてると思ってんだ。」



「ユーラもどう?」

「…何見たいわけ?」

「建築博物館、有名な建築家の特設展やってるみたい。」

「ミハスの」

「うん」

「じゃあ、行く。」


「お前は来るなっ!リネア、おかしいだろ?!」

「だって、ユーラ芸術に明るいし、解説が楽しいから…。」

「はー…。もう、知らん。」



僕を必死で探していたヴィルは僕たちメンバーを見て今にも気絶しそうだった。

ユーラはヴィルが可愛いと言ってハグをした。



「フリッツ…どういうことです?」

「俺にも全く理解できん。リネアは…めちゃくちゃだ。見ろ、あのミハイルが全然作り笑いしていない。やばいぞ。」

「あの人フリッツが好きなんでしょう?」

「知らん。…ヴィル、…気を緩めるなよ、あいつは本当に危険な奴だからな。」

「はい…。」



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