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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
フレーデル王国編
57/350

夜のカフェにて 1

僕は夕食後ヴィッキーとカフェに出かけた。


「そりゃ怒られて当然だわ。」

「うん…、あとで自分でも悪いと思ったよ。ヴィッキーは、その二人のこと知ってる?」

「私はあまり知らないのよね。小さい頃は遊んだこともあったけど。年に一回くらいどこかの国で顔を合わせるけど、年も下だしね。綺麗な子だったでしょ?」

「うん…すごく綺麗だった。」

「あら、リネアのタイプ?」

「うん…。」



「あなた、そっちなの。」

「へ?」

「だから、女性に興味あるの?あ、ミハイルは一応男だけどね。」

「まぁ…どちらかと言えば。」

「そう…。私は駄目よ。男にしか興味ないから。」

「ヴィッキーは大丈夫だよ。好きだけどフリッツの女版て感じだもん。」

「…。なんて言っていいかわからないわ。でもリスラ共和国の人間だからね、気をつけるに越したことないわよ。」

「わかった」




「そう、気を付けるに越したことないよ。」

前の席にいる人がクスクス笑いながら振り返った。

今朝会った、綺麗な人…。


「ユーラ」

「リネア、だった?今朝はどうもありがとう。楽しかったよ。…久しぶり、ヴィクトリア。」

今度は髪を結んでいた。

「久しぶりね。」


まさか同じ日に二回会うとか…。

「偶然かしら?」

「こっちが聞きたいところだよ。」


ユーラは何人かの男性と来ているみたいだった。


「一緒にボードゲームしているんだ、君たちも参加しない?」

「何か賭けたりしないならいいわよ。」

「しないよ、遊びだもん。」

「いいわ。リネアはどうする?」

「やりたい!」


フレーデル王国はボードゲームが有名で、僕とヴィルもよく遊んでいる。ユーラが遊んでいたのはホルスデアガイラー。全員同じ数字のカードを15枚受け取り、場に出たマイナス5から10までのカードを自分の手持ちのカードを一枚ずつ出しながら取りに行くゲームだ。取ったカードの点数が一番高かった人が勝ち。駆引きと性格が勝敗を決める。


「へぇ、リネアは強いね。」

「何度もやっているからね。」

僕が連続で2勝した。

「じゃあ、私も本気をだそうかな。」


それから本気になったユーラにまったく勝てなくなった。状況判断力の高さ、駆引きの強さが半端ない。

「ミハイル、あなたかなり前からこのゲームやっていたわけ?」

「今日が初めてだよ。さっき買ってきたところ。

「…」

なるほど、油断しちゃいけない相手だって実感した。

ヴィッキーは一度も勝てないことが不満だったらしく僕とユーラを追い出してユーラと一緒にいた人たちとゲームを始めた。


ユーラが僕に声をかける。

「リネア、何か食べる?」

「うん、少し小腹が空いた。」

「じゃあ、マルチパンを頼む?アーモンドは食べれる?」

「うん、好き。」


ユーラは僕にマルチパンとコーヒーを頼んでくれた。

「おいしい、ちょっと甘いけど」

「うん、私には甘いな。嫌いじゃないけど。」


綺麗に結ばれた髪、長い睫毛。細い指。…本当にこの人が事件に関わっているんだろうか。

「見すぎ」

「え」

「私の顔、見すぎ。」

ユーラが笑った。


「ごめん…」

「嫌じゃないよ、かわいいなって。」


ユーラが僕の耳元で囁く。

「君が嫌じゃなかったら、また会おう。二人で。」


僕は自分の顔が赤くなるのが分かった。

ユーラが僕の髪に触れる。

「綺麗な髪の色。瞳は私と似た色だね。」


エメラルドグリーンの瞳…。


「君の兄も同じだったのかな」

ユーラが笑った。

「君が襲われた理由を知りたかったらおいで。他の人に言わないと約束して、一人でこれるなら。」

そう、耳元で囁いて、僕に書いた紙を渡した。



「リネア、勝ったわ、帰るわよ!」

「うん…」



帰りの馬車で僕は無言だった。

「どうしたの。何か言われた?」

「…ううん。強かったよね、ゲーム。」

「…強かったわ、あの子、侮れないわよ。」



明日の朝 10時 場所は美術館の前


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