女子会キャンプへ
僕は今、深い森の中にいる。しかも美しい年上の令嬢3人と。
ベリーやきのこをつんだり、魚やウサギを捕獲して晩御飯の仕度を始めた。今日と明日、テントで寝泊まりするらしい。
「リネア、あなた魚釣り上手じゃない。ウサギも簡単にさばいちゃうし、かっこいいわ。」
「小さい頃から山や川で遊んでいたから。」
リネアと郊外の別邸で過ごす間、よく一人で遊んでいたことを思い出す。ヴィルと知り合ってからヴィルともよく狩りをしたな。
「しかも、あなた料理もうまいのね。この味付け好きよ。」
「うわっ、ほんと美味しい。リネア、こっちの魚はどうする?」
「アクアパッツァにしようと思います。ニンニクはありますか?」
「リネア、この子たちは私の親友だから、普通に話していいのよ。」
「分かった。」
女性ばかりで緊張していたけど、ヴィッキーの友人は気さくで話しやすい人ばかりだった。
それにしてもフレーデル王国の女性は野外で寝泊まりしたり、白衣で走り回ったりするのが普通なんだろうか?
「リネア、フリーダはね、あなたと同じ外交官を目指しているの。エマは建築、私は医学を専攻してるわ。女性でもこの国は男性と同じ職業に就くことができる。私の父たちが変えたのよ。」
「すごい…。」
「せっかくこの国にきたんだもの、いろいろ学んでみなさいよ。選択肢は一つじゃないの。」
「そうよ、女だからってね、嫁ぐだけの選択肢なんてまっぴらゴメンよ。」
僕はこの姿になって、女性として生きることに絶望していたけど、この国は女性にも男性のように活躍できるチャンスがあるんだ。
「僕の国も変えれるかな」
「ヴィル君次第じゃない?」
「うん…」
「変わらなかったらこの国に引っ越したらいいのよ。」
「フリッツがなんとかしてくれるわ。」
「僕、今日ここへ来てよかった。」
感動して泣けてきた。
「リネア、可愛い!!」
ヴィッキーが僕に抱きついた。少しお酒くさい。
昼間は暑かったけど日が暮れると一気に涼しくなった。
焚き火を囲んで僕たちはいろいろな話をした。
ヴィッキーとフリーダはビールをたくさん飲んで夜中まで騒いでいた。
エマと僕は先にテントに入り、エマがいろんな建築の話をしてくれた。来年ロマーナ王国に留学するらしい。
「リネア、あなた建築にもすごく明るいのね。話が合いそう。私が留学したら訪ねて来るといいわ。食べ物もおいしいのよ。」
「行く!!」
「おいでおいで!ロマーナの男性はロマンチックで素敵よ。」
「…そうなんだ。僕そういうのまだ分からなくて…。」
「こんなに可愛いのに?だめよ、恋をしないと、人生損するわ。」
そういうものなのかな…。なんせ、初恋が女装した幼なじみだからな。
僕が男を意識する日が来ることなんてあるんだろうか。
まだ…やっぱり考えられない。
次の日、ヴィッキーとフリーダは二日酔いで朝ずっと寝ていた。夜中フリーダが吐いて大変だったらしい。
朝ごはんはエマと僕の二人で食べた。パンにハムとチーズ、コーヒーのシンプルな朝食だ。
「外で食べる朝ごはんは美味しいわね。」
「うん、コーヒーが美味しい。二人にサンドイッチを作っておこうか。」
「リネア、私の嫁に来て!」
「えっ?!」
朝ゆっくり起きてきた二人が朝食をとった後、湖に行って水遊びをした。スタイルの良い3人の水着姿に僕はすごくドキドキした。フリッツやヴィルがいたら喜んだだろうな…。
何故か話の流れでヴィッキーと僕で泳ぐ競争をすることになったんだけど、負けたら罰ゲームだと誰かが言い出した。
「ば…罰ゲームって?」
「…初恋の話をする。」
それだけは勘弁して…。
僕はなんとかギリギリのところでヴィッキーに勝つことができた。
リネアの体を鍛えて置いてよかった。ヴィッキーの初恋の話は改めて聞くことになった。




