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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
フレーデル王国編
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フリッツの姉

夕食に国王夫妻が来てくださった。フリッツのお姉さんも後で来てくれるらしい。


「おぉ、君たちが…。我が国へようこそ。」

「初めまして。ヴィルフリート・グスタフ・ヴェルナドッテです。この度はお世話になります。」

「うん、フリッツの父親のフランクだ。去年はいろいろ息子が世話になった。感謝する。」


「初めまして。リネア・エステル・カールソンです。よろしくお願いいたします。」

「そなたがリネアだな。…フリッツが帰国してからそなたの話ばかりしておる。」


「あなた…。初めまして。フリードリヒの母のカトリーナです。よくいらっしゃいました。」

「初めまして。」

「初めまして。」


フリッツのお母さん優しそうな人だな。お父さんはフリッツに似て面白そうな人だ。






部屋の外からバタバタと走る音がする。



ドアがバタンと音を立てて開いた。


現れたのは長い黒髪に、グレーの瞳を持つ背の高い美しい女性だった。服装は何故か白衣を纏っている。これがフリッツの…?


「…遅くなりました!」

女性は僕を見るとどんどん近寄って来る。

「あなたが、テントのお嬢さんね!!」

美しい女性は僕の手をしっかり握った。


「私ね、あのテントとっても気に入ったの!うちの国は機能的なものはあるけどあんなに素敵なデザインのものがなくて、フリッツにもらってからあれを持ってあちこち出かけているのよ!」

「ヴィクトリア、きちんとご挨拶を…。」

フリッツのお母さんがこめかみに手をあてた。


「ヴィクトリア・アンナ・フォン・フレーデルよ、ヴィッキーでいいわ。よろしくね!」


「初めまして…。」


これが僕とヴィッキーの最初の出会いだった。




国王夫妻は僕たちにフレーデルの郷土料理を振る舞ってくれた。数種類のソーセージが並び、ジャガイモや酢キャベツが添えられた。


「おいしいー!」

「リネア、あんまり急いで食べると喉につまるぞ。取り分けてやる。」


「フリッツ、あんたが優しくて気持ち悪いんだけど。」

「姉上こそ、白衣のまま来るとかおかしくないか?」

「だって実験の途中で帰ってきたのよ。ゲオルグの奴、正確なデータがとれないって何度も何度もしつこくてさぁ…。」


「…二人とも、お客様の前ですよ。」

「ヴィッキー、一度始めたことを途中でやめたらいけない。」

「お父様、そうは言いますけど彼がしつこいせいで私が遅刻したんですよ?」


なんか、楽しい家族だな。同じ国王の家族でも、ヴィルの家の方が落ち着いている。

ヴィルは疲れているみたいであまり食事が進んでいないようだった。


「ヴィル…疲れた?」

「うん。今日は早く寝るよ。」

「うん、ゆっくり休んで。」

僕はヴィルの頭をなでた。


「あら、ヴィル君とリネアは仲良しなのね。」

ヴィル君…、新しい呼び方だ。


「幼なじみなんです、僕とリネアは。」

「へぇ…よくみたらヴィル君、美男子ね、皇子様って感じ。」

ヴィッキーがヴィルを繁々観察する。きょうだいそろってそっくりだ。



「…本当に疲れているみたいね、お風呂の用意してあるから先に休むといいわ。」

「ありがとうございます。」


「リネアはどうする?これからデザートだけど。」

「いただきます!」

デザートはバイリッシェ・クレームというバニラと生クリームたっぷりのプリンみたいな冷たいお菓子が出された。熱い夏にピッタリで、あまりの美味しさに僕はおかわりまでいただいた。



食事の後、ヴィッキーとフリッツの三人でお茶をした。

「姉上」

「何?」

「…二人にしてくれないか?久しぶりに会えたんだから。」


「駄目よ、あんたいやらしいことしそうだもの。リネア、私あなたの部屋を私の部屋の隣にしておいたのよ。何かされそうになったらこっちに来なさい、わかった?」

「姉上…」

フリッツはうつむいた。お姉さんの前では小さなこどもみたいでかわいい。


「ヴィッキー、フリッツはそんなことしないよ、僕のこと犬くらいにしか思ってないから。」

「リネア、あなたそんな髪型と服装して、自分の事'僕'って呼んでるの?話し方も…まるで男の子みたいね。」


「うん、これが僕の素なんだ。自分の国では'私'って言うようにしていたんだけど、この国では誰も僕の事しらないから、素のままでいようと思って。ヴィッキーが不快だったら言ってね。気を付けることも一応できるから。」

「初対面の私に素の姿を見せてくれたんでしょ?そのままでいいわ。」

「ありがとう。」

ヴィッキー、すごく素敵な人だな…。


ヴィッキーは僕の頬を両手で触れた。

「リネア、自分の事を犬に例えたりしちゃ駄目よ、自分の価値を自分で落としては駄目。自信をもって、あなたは十分魅力的よ。」

心臓がドキドキしてきた。こんなキレイな人にそんなこと言われたの生まれてはじめてだ。


「姉上…頼むから部屋に…。」

「じゃあリネア、私の部屋にいらっしゃい。朝まで語るわよ。」

ヴィッキーが僕の手をひっぱり彼女の部屋へ連れて行った。



僕が女性と朝まで過ごしたのはこれが初めてだった。

…といっても途中から疲れて寝てしまったんだけど。



起きたらヴィッキーはすでに支度してスクールに行った後だった。


僕は随分寝てしまったらしい。



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