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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
エンゲル王国編
179/350

プールサイドにて

「うわー!!久しぶり!!気持ちいい!」

ユーラの部屋に行くとユーラがプールへ誘ってくれた。僕の水着はあの後すぐ誰かが買ってきてくれたらしい。

ワンピースにも見えなくないような布が多めの水着を選んでもらえてほっとしている。ビキニとかだったらさすがに恥ずかしい。


「いきなりそんなに泳ぐと足をつるよ?」

「だってー!楽しいんだもん!あ、浮き輪もあるんだ?」



ユーラはプールサイドで飲み物を飲みながら本を読んでいた。

「入らないの?」

「うーん、少しお酒ものんだしなぁ。」

「私を誘っておいて自分ははいらないとか、つまんない。一応水着だよね、それ?」

「じゃあ競争する?」

「いいね!」


「じゃあ何か賭けよう。」

「すぐそれだ。」

「じゃあリネアが決めていいから。」


「そうだなぁ…。何にしよう?美味しいケーキの店に連れていってもらうのもありだし、美術館にも行ってみたいし…。」

「それ、ただの明日の予定じゃない?」

「そうそう、お土産も買いたいんだ。…あっ、じゃあ負けた人は明日勝った人の言うことを聞くってのは?念のため言うけどキスとかは無しで。」

「…いいだろう。荷物もちに使ってあげるよ。財布代わりにはならないのは分かってるからね。」

「…負けないよ。」


「君は少し先にスタートするといい。」

「じゃあお言葉に甘えて。」


「用意、スタート!」


僕は得意のクロールで思い切り泳いだ。

そういえばフレーデル王国の湖でも競争したなぁ。

みんな元気にしてるかな?


気づいたらすぐ横にユーラが迫ってきた。

プールが自宅にある人と勝負をする事自体無謀だって最初に気づくべきだった。


どんどん離される。ヤバい。負けたくない!!僕はがむしゃらに手足を動かした。


あれ…?足が…


「リネア?」

「あし…」



「リネア!」


足をつったらしい。

水の中で動けなくなった僕をユーラが抱えて助けてくれた。

プールサイドのベンチに僕を運んでくれた。



「ありがとう…。」

「大丈夫?」

「うん、まだつってる…。久しぶりだなぁ。痛い…。」


ユーラが僕にタオルをかけてくれた。

「…ありがとう。」

「うん、このまましばらく休んで。」


「ユーラ」

「何?」

「…ありがとう。」


「何が?」

「君がクーデターをとめるようニコちゃんに言ってくれたって聞いた。」


「私が言ったこと覚えてる?君は選択を迫られるって。」

「うん」


「あれはさ、当初クーデターの後国に残るか、それとも亡命するかを選んでもらう予定だったんだ。」

「えぇ?!」


「だけどクーデターが起これば君のお父さんも失脚、資産や爵位を抑えられる可能性もあっただろう。私は君が悲しむのは見たくなかった。ただでさえ私たちのせいで君は妹を亡くしたのに…。」

「…私も両親の悲しむ姿は見たくないな…。」



「最初は父がエンゲル王国に来た時に話をしたんだ。クーデターをさせないようにできないのか、それからヴィルフリートと君をどうするかについても。」


「…ありがとう。」

「私はね、本当は君を婚約者にしたかったんだ。」

「え?そうなの?」


「それなのに君に会った父は君の可能性を最大限利用する方針に切り替えたらしい。」

「…私にそんな利用価値あるかなぁ?」


「リネア、父には気をつけて。君の事は気に入ってるけどいざとなったら彼は国益を優先して非常な行動にでる人だ。」

「…ユーラ、私はさ、ユーラたちと違ってニコちゃんに育てられた訳じゃないから分からないけど、彼がそこまで非常な人には思えないんだよね。人の話を聞く耳ももっているし、国益を優先させるのは国のトップなら当たり前じゃない?…私は与えられたチャンスを最大限いかしてみるよ。スモーランドの皇太子妃になって窮屈な生活をするよりよっぽど私にはあってる。」


「君は本当にポジティブだね。」

「能天気だけが取り柄だからね。ねぇ…ユーラ、本当にお兄さんになっちゃったんだね、私の。」

「そんな嬉しそうにしないでくれる?私は全くそんな気ないから。」

「アリーナといる時すごく優しいお兄さんらしい顔してるの知ってる?私ちょっと羨ましく思ったんだよ。最近私の方が一緒にいたからさ…。」

「だから、私は君の兄になるつもりはないから…。」


僕はユーラを抱き締めた。


「分かってる。だけど、本当に感謝してる。私の一番大切なスモーランドを救ってくれてありがとう。」

「…私たちを救ってくれたお礼だよ。…ところで。」

「何?」


「こんな水着姿で抱き締められたらさすがに理性がもたないんだけど…。私が君を好きだって本当に分かってる?」

ユーラの顔が赤い。

「…分かってるけど、理性がもたないって…一体どうしたい訳?」

「とりあえずキスしたい。」

「…キスだけなら…。」


「いいの?」

「私はフリッツが好きだし本当は駄目だけど、でも今はそれしか感謝を伝える方法が見つからない。ユーラはお金や物はいらないだろうし。」


「じゃあ遠慮はしないよ?君からしてくれる?」

「…分かった。」


僕はユーラの首に腕を回した。




「ちょっと待って!」

「…ヴィル…。」

ヴィルとアリーナが僕たちを見ていた。


「…何してる訳?婚約解消したらいきなりそれ?」

「いや…その…。これには理由が…。」

ん?僕はもう言い訳する必要はないんじゃないか?

でもヴィルがすごい笑顔だ。


「ヴィルフリート、君はもう部外者だよね?黙っててくれない?」

「そうですわ。お兄様の邪魔をしないでください。」

「僕の目の前でそんな事はさせない。」


「ヴィルフリート、あなたには私がいるでしょう?」

「それとこれとは別問題だよ。僕はまだ君の兄をリネアに相応しいと認めていない。」

「私は君の兄になる予定なんだよ?上手くやっていくべきじゃないか?」

「くっ…。」

「私がリネアと結婚したらみんな親戚になって楽しそうじゃないか。」

「…。」

「本当ね!楽しそうね、リネア?」


「騒がしそうだし面倒くさいのばっかりで嫌だ。」

「一番トラブルを起こして面倒くさい君がそれを言う?」

「ヴィル、私は面倒くさいんじゃない。ただ自分に正直なだけだ。」


「…。ミハイル、あなたは本当にいいんですか?これといたら保護者役もやらなきゃいけないんですよ?」

「それは言えてるな…。」

「私は小さいこどもじゃない。もう15歳だし道に迷ったり知らない人について行ったりもしない!」

「…先日知らない客について行ったよね?」

「それはっ…。」


「ヴィルフリート、リネアといたかったら嫌でも保護者役はセットなのは理解しているし諦めた。私は彼女の自分勝手でお調子者な所も自ら危険に飛び込んでいく馬鹿な所もそれなりに楽しんでいる。だから安心してリネアを私に譲ればいい。」

「ユーラ、ひどい。」

「本当のことじゃないか。」


「…フリッツに渡すよりはいい気がしてきました。分かりました。リネアをよろしくお願いします。」

「そうだろう?フリッツにだけは渡したくないって思うよね?」

「ええ。フリッツだけは駄目です。」

「ヴィル、勝手に決めるな!」


「リネア、諦めた方がいいわ。お兄様はしつこいし執念深いから…。」

「アリーナ…。君は私の妹だよね…?」




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