お兄様と私 1-2
「…好きな人、ね。」
「…用は済んだんだろう?そろそろ暗くなる前に君も帰るといい。」
「そうですわね。これ以上私に知られるといろいろ面倒なことになりそうですものね。」
「よく分かっているじゃないか。」
「お兄様…」
「なんだ?」
「私、お兄様がお望みなら、いろいろ協力して差し上げたいと思いますの。女社会の中で国王の娘が見方でいること、リネアにとってもお兄様にとっても損はないと思いますわ。」
「…何が望みだ?」
「これからも、ここに自由に出入りさせてくれる許可をいただきたいのです。私リネアととても仲がよかったんですよ。」
「それだけ?」
「それから…誰にも言わないと約束しますから本当のことを教えてください。協力に必要不可欠です。」
「…君は本当に僕ににているな。弟が僕たちみたいじゃないことを祈るばかりだ。…許そう。但し、部屋はきちんとノックして入室すること。それから、父と母に根回しする際は協力してほしい。」
「…今度はどんなわがまを通すおつもり?」
「14歳の誕生日を迎えたらリネアを僕の婚約者にするつもりだ。本人には内緒で。もちろんカールソン公爵夫妻にも許可をいただくよ。」
「…相変わらず卑怯だこと。」
「君だってリネアがお姉さんだったら、と言っていたじゃないか。」
「リネアが、と言いましたのよ。」
「何か問題でも?」
「…ありませんわ。他の殿方に嫁ぐよりはマシですもの。
本人は望まないでしょうけどね。」
「16歳の社交界デビューまであと2年以上ある。それまでにいろいろ周りを固めておきたい。」
「…好き、なんですの?」
「…君の言う好きは、多分僕のとは違う。僕はリネアにそういう感情を抱かない。でもリネアとなら結婚することはできると判断した。」
「…ややこしいこと。」
それから兄は私にオスカルとリネアにおこった不思議な話をしてくれた。信じられない話だったけど、二人を見た私には納得できた。
兄はオスカルに私も秘密を知ったこと、知った上で味方になると伝えてくれた。
オスカルはすごくほっとしていたらしい。
私はもう少しだまされた振りをしておくべきだったと少し後悔した…。




