ヴィルからの手紙 2
ニコちゃんに貰った手紙についてヴィルに確認の手紙を書いたところヴィルからもすぐに返信が届いた。
「オスカル、誕生日プレゼントありがとう、とても気に入ったよ。紅茶もおいしかった。」
喜んでもらえてよかったな…。
「僕からのプレゼントは気に入ってもらえたかな?」
ん…?そういえば何か届いていたっけ?
僕はヴィルから先日届いたプレゼントの包みを開けた。
僕の大好きなスモーランドの陶芸作家さんの作品が入っている。
しましまの可愛い虎猫の置物だ。
「うわー!!可愛い!!」
「ところで、例の航空券の話、君の言う通り僕の所にも届いていた。日付も同じ。実は、最近こちらで気になることがいくつかある。例のクラウス大公たちの動きがやけに静かだ。静かすぎて逆に何かあるんじゃないかと疑っている。そしてこのタイミングでこの航空券だ。関係があるとしか思えない。」
クラウス大公ってフェルセン侯爵と一緒に不正取引をしている人だよね?ニコちゃんが共謀して何かしようとしてるってこと?
だとしたら、何故僕たちを国に呼んだ?
いない間に何かを起こすつもりだろうか?
僕はヴィルの手紙を読んで急に不安になった。
僕は手紙を最後まで読んだ後、ユーラの部屋に向かった。
部屋のドアをノックする。
「どうぞ?」
「ユーラ…。」
「どうしたの?そんな顔して…。」
「ユーラ、何か知ってたら教えて。」
「…。」
「僕たちがニコちゃんに呼ばれた理由、何か知っていたら教えて。」
「…。」
「ユーラ。」
「…リネア、ここに座って。」
ユーラは僕をベッドに座らせた。
「…お茶を入れよう。」
「ユーラ、お茶なんか飲んでいる場合じゃないんじゃない?」
「…」
ユーラが僕から目を反らす。
僕はユーラの手を握る。
「何か知ってるんだよね?」
「教えたら、君はその見返りに何を差し出す?」
「…また取引?」
「そうだよ。私は君みたいにお人好しじゃない。君もそれを分かっているはずだよ。」
「…何が欲しいの?」
「…君が欲しい。」
「…具体的には?」
「私としてくれる?…それが交換条件だ。」
「今すぐ?」
「今すぐ。」
ユーラは本気で言ってる。
僕の弱みにつけこんでこんなことを言うなんて卑怯だ。
だけど僕も嫌なら聞かなければいい。
ただ、僕が聞きたい情報がでてくるかも分からないのに、こんな取引をしていいんだろうか?
だけど万が一、ユーラの話しが国の一大事に関わる内容だとして、僕が了承することで解決につながるのだとしたら?
目の前の超絶美形の青年は嬉しそうに僕を見て笑ってる。
僕がなんて答えるか試してるんだ。
こういう時のユーラは僕の味方じゃない。
「リスラ共和国へ行けばわかるっていったよね?」
「言ったね。」
「行ったせいで何か起こる可能性は?」
「…先に答えるのは君だよ、リネア。ズルはいけない。」
「ユーラ、君がそんな低俗な意地悪をするなら…」
「するなら?」
「絶交だ!」
「絶交…?」
「そうだよ。困っている友人の弱みにつけこむような奴はこちらからお断りだ。もういい、君をあてにはしないし、君のような奴とは口もきかない。ご飯も用意してやらないから勝手にしろ!」
僕はユーラの手を振り払い部屋を出ようとした。
ユーラがドアの前で僕を引き留める。
「リネア」
僕の手をつかんで彼が僕を抱き締めた。
「…そんなに私とするのが嫌?」
「そうじゃなくて、そういう卑怯なところが嫌だ。」
「君に絶交されるのは嫌だな…。」
「僕は怒ってる、だからもう口をきかない。離して。」
「そんなに睨まないで…。」
「離せ。」
ユーラが僕をさらにきつく抱き締めた。
「…ごめん。許して?」
「…」
「ごめん、少しからかっただけなんだ。」
「…ひどいよ。」
ユーラは僕を彼の膝の上に座らせた。
「…君はリスラ共和国に行くしかない。」
「…選択肢はないってこと?」
「そうだね。君がリスラ共和国にいる間に何か起こることはないと思う。私の知っている限り。」
「…ありがとう、それで十分だよ。」
僕はユーラの頬にキスをした。
「リネア…。」
「…。」
「君は…これを計算でやっているとしたら相当質が悪い。」
ユーラの顔が赤い。
僕もつられて赤くなる。
「だって…。」
「もう一回して?」
「やだよ。…あ、そうだ。」
「何?」
「あのさ…。ちょっと相談なんだけど。」
「ん?」
「イーチェンがさ…。」
僕は先日の賭けの話をユーラにした。




