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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
エンゲル王国編
152/350

父上と私

「ミハイル、そこにいるんだろう?」

「…」

私はなんとなく嫌な予感がして、父に予約した店に来てみたところ、予感通りリネアと父が一緒に店に現れた。


店の人に彼らの隣の部屋に入れてもらい一部始終話を聞いた。

気が気じゃなかったが無事リネアは帰宅できて安心した。



「隠れていないででてきて一緒に食べたらよかったのに…。食事は人数が多い方が美味しいっていうでしょ?」


「父上…、あの雰囲気でいつそんなタイミングが…。」

「バォズのあたり?」

「はー…。冷や汗をかきましたよ。」


「店を変えるかい?」

「そうですね。」

私と父は父の滞在するホテルのバーに入った。


「君とこうして酒が飲めるのは嬉しいね。」

「そうですね」

「あっ、全然嬉しくなさそうだな。さっきの子のほうがよっぽど可愛げがあったぞ。」

「…比較されても…。」


「面白い子を選んだね。君がわざわざ外国まで連れて行きたいって言うからどんな美人なのか巨乳なのか楽しみにしていたんだけど…。」

「父上…。」


「君たちの事を大切に思ってくれている可愛い子だ。」

「…」

「まだまだ子どもだし世の中の事を知らないけど、あんなふうに自分の為に言ってくれる友人は僕にはいないなぁ。ちょっと羨ましいよ。」


「友人じゃなかったらもっと良かったんですけどね。全然私に興味を持ってくれなくて…。」

「父と恋愛の話?嬉しいなぁ…。何なに?あの子、他に好きな男でもいる訳?」

「…フレーデル王国のフリードリヒ…」

「何それっ!?あの子、そんなにいい訳…?3ヶ国、いや4ヶ国の権力者の息子制覇っておかしくない?」

「4…?あぁ。まぁ…時間の問題ですね。ていうか私は彼女に何もしていませんよ。」

「君が?何で、まさかセルゲイも?」

「…したら私が酷い目にあわせます。」

「へー。面白い。本気なんだねぇ。…それにしてもフリードリヒ君かぁ…。お似合いだね。」

「言わないでください。どうせ私は…。」


「根暗だもんね、君たち兄弟は。フリードリヒ君は明るいし楽しいしリネアにぴったりだ。」

「父上は本当に酷い人だ…。」

情け容赦ない。昔から本当に平気でこういう事を言う。


「リネアに物凄く怒られちゃった。僕の事本当に悪人だと思ってるみたいだ。まぁ…間違ってはいないんだけど。」

「間違ってはいませんよ」

「君も今している事を辞めたい?」


「私は動物や自然が好きですし、小さな子どもが売買されるのに加担はしたくないですね。」

「もっと早く言ってくれたらよかったのに…。子どもの取引はさ、貧しいシェルターにいるよりお金持ちに貰って貰ったほうが幸せかなってことから始まったんだよ。動物は最初は死んだ物だけを加工して地域に利益を還元しようってのが始まりだった。

薬は…、必要な薬を安く届けてあげたいって始めたことだったんだけど、気づいたらすべて知らないうちに話がどんどん大きくなって、いつの間にか利益を追うためなら人殺しも犯罪も受け入れるようになっていっちゃったんだよね…。」

そうだったのか…。父上がこんなふうに話してくれるなんて初めてだ。


「君たちには僕の事業を継ぐならある程度闇の部分を知っていてほしいと思っていたし、この国を背負って立つ存在になるために厳しく育ててきたつもりだったんだ。」


「…」

言葉がみつからない。



「リネアを殺した話はさ、実は僕が言い出したんじゃないんだ。もちろん商売に邪魔なカールソン家や国王を脅してやればいいと思ったから協力したんだよ?だけどまさか殺すなんて思わなかったんだ…。だって僕が彼女達を殺したって何の特にもならないと思わない?」

「…じゃあ誰が指示したんですか?まさかフェルセンが…?」

「いや、彼じゃない。大公だよ。」


「大公…」

「そう、彼は時期国王の座をずっと昔から狙ってるからね。僕の資金提供を受けて勢力拡大中でしょ?」

「…」


父じゃなかった…。リネアを…オスカルを殺すよう指示をだしたのは私の父じゃなかったんだ…。

「ミハイル…何も泣かなくても。」

「よかった…あなたじゃなくて…。」

「頼まれて刺客を用意したのは僕だからね、まぁ似たようなもんだよね。」


「リネアに言われたのもあるけど、セルゲイは今の仕事から手をひかせる。今回は相手も悪かったし、今の彼では無理だろう。君はどうしたい?」

「…私にも選べるんですか?」

「もちろん。君が今している仕事以上に利益を生み出してくれるなら僕は全く構わないよ。小さなレストラン一軒ではどうにもならないだろうけどね。」


「では私も手を引かせてください。この事業自体も他に変わるものがあればやめていただきたい。私はもっと自分の国をクリーンなイメージに変えていきたいと思っています。」

「僕も父から引き継いだ時はそんなふうに思っていたなぁ…。まぁやれるだけやってみなよ。」


「ありがとうございます。」

信じられない…。父とこんなふうに話すことができる日が来るなんて…。

「また泣いてるの?君がこんなに泣き虫だったなんて知らなかったよ…。」

「すみません。なんだかとても感動していて…。」



「父上…。リネアの事ですが。」

「うん?」

「協力して貰うことは可能ですか?」

「可愛い君の為だ…と言いたいところだけどね、とりあえずその件は保留だ。」

「保留…。」


「とりあえず、彼女は僕の手札の一枚にしておこうと思う。ヴィルフリート君、フリードリヒ君、イーチェン君、そして君たち二人、もしかしたらもっと他に使い道があるかもしれない。だから君も僕が渡してもいいと思わせる何かを用意してくれたら渡してあげよう。」

「父上は本当に酷いな…。」

「簡単に手にはいったら面白くないでしょ?」

「はー…。分かりました。今日のところはこれで。」


「明日が楽しみだね!彼女は何を用意してくれるのかな?」


「気が重い…。」

「だから君は根暗って言われるんだよ」

「放っといてください。…それからもう一つ、お願いがあります。」


「何だろう?珍しいね…。」




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