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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
フレーデル王国編
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初めてのデート

週末、アリーナに誘われて僕たちは動物園に来た。スモーランドでは、生物の尊厳を守る観点から元々国にいない動物は一切飼育しない法律が僕が生まれる前に決まったため、僕はあまり動物を見たことがなかった。


フレーデル王国の動物園は大きく、それぞれの生き物がゆったり生活できるだけのスペースを確保している。

「アリーナは初めて?動物園は…」

「リスラ王国にはもっと大きな動物園があるの。私動物が好きだからたまに行ってたわ。」

アリーナが僕と手を繋いだ。


「どこから見る?」

「アフラル大陸のコーナーが近いね。」

「じゃあ、そこから行きましょうか。」


初めて見るアフラル大陸の動物達に僕は感動した。象やキリン、ライオン、シマウマ…どの生き物も美しい。

「綺麗だね」

「そうでしょ…。とても美しいわ。」

アリーナが少し寂しそうな顔をした。


僕たちは動物園のカフェで昼食をとった。

「アリーナ、元気ない?疲れた?それとも僕が退屈させたかな?」

「違うの…。ねぇ、後ろに私たちの警備がいるでしょ?背を向けたまま話してくれる?唇の動きを読まれたくないの。」

「…分かった。」



「うちの国で、私のお父様が動物の違法取引をしているの」

「…」

「私は、あんなひどいこと早くやめて欲しいと思ってる。お兄様も同じよ。…でもお父様が怖くて誰も逆らえない。あなたの国の人もこの国の人も関わっているわ。」


「ミハイルは…。」

「命令されたことはしていると思うわ。逆らったら命に関わるもの。私だけよ、お兄様が私を守っているから私だけあまりお父様が何をしているか知らないし、お父様の事業に関わっていないのは。」

「…つらい事を話してくれたんだね。」

アリーナが僕を抱き締める。


「ヴィルフリート…、私普通の生活がしたいの。常に監視されたり一言一行慎重に行動しないと明日どうなるか分からない暮らしになんてもう戻りたくない。このままあなたとこうしていたい…。」

アリーナが涙を流す。僕も彼女を抱き締めた。


彼女には申し訳なかったけど、特に彼女に対して何も感じなかった。アリーナは一緒にいても苦痛じゃないけどそれ以上の感情が生まれる気がしない。

ただ、このままうまく関係を続けて情報を得たいと思った。


オスカルは今頃何をしてるんだろう?

ここでこうして抱き締めているのがオスカルだったら僕は幸せだったのに。君が僕の婚約者になるのが待ち遠しい…。


その日は夕食を一緒にとって寮に戻った。

寮の中庭にオスカルたちが楽しそうにバーベキューをしていた。オスカルはクラスメートのランク王国の生徒と何やら込み入った話をしているようだった。


どうしてあそこにいるのが僕じゃないんだろう?

君は僕が知らないうちにどんどん友人を増やしていく。

どんどん離れていってしまう気がする。


「お兄様たちだわ、入れてもらう?」

「いや、今日は遠慮しておくよ。」





僕は夜遅くオスカルの部屋を訪ねた。フリッツがいないといいんだけど…。

「ヴィル」

「入ってもいい?」

「いいよ、宿題をやっていたんだ、丁度よかった。」


オスカルはコーヒーを入れてくれた。

「どこかに行ってた?夕食誘いに行ったんだけどいなかったから。」

「アリーナと出かけてた。」

「デート?」

「そうだね。」


「どこに行ったの?」

「動物園だよ」

「…」

「君は苦手だったよね。」

「うん、あんな小さい所に入れられるの見るのも苦痛だよ。」

「それなりに広いし、安全で食事も十分貰える。それほど悪くないんじゃない?僕はそう思ったけど。」

「…僕は嫌だな。」


僕はオスカルにもたれた。

「…やっぱり君といると安心する。僕は檻の中でも君がいるなら耐えれるよ。」

「なんだよそれ」

「なんでもない。…君こそ今日はどこかへ出かけたの?」

「あ、うんイベントサークルに入ったんだ」


「何それ」

「あちこち出かけるらしいよ。エマとフリーダに勧誘されたんだ」

「半年しか入れないのにそんなの入ったの?」



「僕、留学の延長を申請する事にしたんだ。もう父とスクールからは了承を貰ったよ。」

何だって…?



「…聞いてない。」


「…了承されたのも最近だしね。」

「…フリッツに言われた?」

「フリッツが薦めてくれたけど、決めたのは僕だよ。もっとこっちで勉強していろいろな人に会いたいって思うんだ。」

どうして?以前ならこんな事絶対になかったのに。



「僕に相談もしないで…?」

「相談したら、反対されるだろ?僕はもう自分のことは自分で決めるよ。」



オスカルが離れていく…


僕はこの前と同じ過ちをおかさないよう怒りと不安を抑えた。

オスカルを後ろから抱き締める。

「ずっと一緒にいるって行ったのに…。嘘つき。」

「今しかできないことをやってみたいって思ったんだ。理解してくれる?」

「…離れなくない。」

君の側にいたい。だけど…。


「ヴィルも残ったら?」

「僕は帰国する。国でやらなければならない事があるから。」

「そう…」

オスカルは少し悲しそうな顔をした。



僕もオスカルも来年の4月に15歳の誕生日を迎える。それまでは我慢するんだ…。気づかれないよう慎重に段取りを進めなければ。

早く僕のものにしたい。その為に安全で快適な場所を用意してあげるんだ。他の場所に逃げられないように。






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