02
「俺が…オーファン…だな」
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そう言った瞬間、もう一つの記憶が流れ込む。
こう、頭の中に、ゾワ〜ッと。
まるで、もう一回人生を繰り返すかのように。
しかし、頭の中にだけ。とんでもないスピードで進行していく。
意味は理解ができる。
わからない単語でも。
この、『王家の教養』として身につけた、されど、まだ完璧に解析されていない
精霊語ですら。
誰もが解析できなかった、
神語ですら。
全てが、あたまのなかに…
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「な、なぜ、防げる?」 「な、なぜ?」 「オーファン様、あなた様の加護では⁉︎」
そう、三人の大人達は叫んだ。
三人は神殿騎士。
光、発動方法を見ただけでなんの神か分かるのだ。
「僕は…オーファンだ」
されど、そんな少年を、一瞬で信じることなどできない。
たとえ、自分を創造神だと言っていても。
この世に真の正義など存在しない。
たとえ、相手が子供でも。
自分が信じることこそ、正義。
創造神様に適するものは、邪悪。
故に…自分の正義を突き進む。
それこそが、神殿騎士なのだから。
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「ふう、こんなもんか。」
オーファンはため息をついた。
その足元には、三人の大人達が倒れていた。
それは、神殿騎士。
「無駄に強かった…僕って、こんなに影響力があったんだな…」
それは時間にして約三秒。
相当弱位の聖霊を倒すのに、十秒。
これだけでも、神殿騎士の強さがわかる、と言うものだ。
そこで一つの疑問がアグノスの頭をよぎった。
〜なんで俺には加護がなかったのか、と。〜
その問いを解くため、単純な答えの求め方を思いついた。
それすなわち…
「里帰り!」
姿を消したアグノスは、神界に向かった。
評価がつくことを祈ります。…いやでも、めんどくさいしいいかなあ…………