01
サブタイトルが01なのは、かっこいいからです。決して二桁出すからではありません。
ガチャ
「お呼びでしょうか、父上」
少年の声が響いた。まだ幼さを感じさせる声。容姿はまだ小さく、五、六歳ほどにしか見えない。
少年はその顔を向けて尋ねた。
そんな様子を見もせずに、父上、と呼ばれた男性は、
「やれ」
そう一言呟いた。その時
ガサッ
と音がして、
少年に布がかぶせられた。
「「「「全てはオーファン様の名の下に」」」」
少年は、意識を失った。
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少年…アウトスは思った。
確かに僕は妾の子。しかし、ここまでする必要があったのか。
この世界には、加護と言うものが存在する。加護には、剣神の加護や、生命神の加護、魔法神の加護、そして…創造神オーファンの加護など、様々な加護が存在する。しかし、誰でも加護はある。そう。
だれでも、だ。
大国の王子ともなれば、目に留まり、大きな加護…運がよければ寵愛すらももらえるのだ。
王子で加護、寵愛が弱い場合…王位継承権を失う。
それでは、大国の王子、僕はどうなのか。
加護の儀式で、なんの光も無い。
答えは知っていた。しかし、知らないふりをしていたのだ。
そう。
僕には、なんの加護もないと言うことに…
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「お前を倒すことがこの世のためだ」 「お前は消える運命だ」 「オーファン様の仰せのままに」
暗い雰囲気が漂い、たいまつの明かりしかない。
そこでは、三人の大人が1人の子供を囲んでいた。
性別は分からない。
そして、その純白の鎧に刻まれた、光の紋章。
それは、神殿騎士の証。
神敵を滅す、光を模した騎士団。
「お前には加護がない。」 「誰にでもある、加護がな」 「それすなわち…」
「「「お前は、神に見放されたのだ」」」
そんな神殿騎士たちは冷酷な声で伝える。
「死ね!」 「お前なんか、消えちまえ!」 「オーファン様、万歳!」
呪いの言葉を。
勢いを持って突き出される槍。周りには螺旋の渦が渦巻いており、常人でないことを示していた。
その槍が当たるかと思われたその時。
ーーーーーーーーカキーンーーーーーー
「は?」 「ひ?」 「ふぇ?」
槍を弾く音が聞こえた。
三人は、なぜ、とでも言うように口を開けた。
「あ、そっか」
槍を弾き飛ばしたのは、
「僕は……オーファン様、だな…」
アグノス…もとい、オーファンだった。