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たて  作者: oga
8/26

8刀

作者 遠井moka

 バシン!!


 竹刀が混じりあう音が響きあう、夏風は面食らい一歩足を後退させる。


「なかなかでござる」


「不意討ちなんて卑怯な真似を・・・・てか、なにその格好」


 北欧はケラケラと笑い、不意討ち相手の顔をまじまじと見る余裕まである。耳に入れてあったイヤホンは取れ地面に転がり落ちている。竹刀袋は秋風に舞い北欧の足元にゆらゆらと落ちている。二人の間に距離は出来たが、前進すれば面を狙えるそんな位置にいる。


「誰だか知らないけど、この俺に面つきしようなんて怖いもの知らずな人だね」


 薄明かりに映る北欧は卑しい笑いを浮かべている。権力者が身内にいる、格差など平等なこの現代でも力を持つ相手の心情など、同じと言うことだろうか。


「北欧殿は、そうやって圧力をかけているのだな。拙者通りすがりの侍でござる!!」


 黒いものを取り上げ素顔を見せる。ちょんまげ姿の侍に動揺すらしないだと?


「みんな、そうさ。不意あれば狙い打ちしてくる。俺に手負いさせようと必死なんだ・・・無意味だってわからせてあげるよ」


 夏風の竹刀が宙を舞う、北欧から降り放たれる竹刀に太刀打ちできるものは、腰に差してある刀だけだ。


「ぐぅっつ!!」


 今度は夏風が不意討ちされた側に変わる。面を付きに来たと思われた竹刀が真っ直ぐに胴へと向けられた。よろよろと倒れる夏風の身体を支えたのは、上野少年だった。


「んで・・・なんで勝手なことしたんだよ!!」


 責められているのにそんな感じがしないのは、くしゃくしゃの泣きっ面の少年に言われているから。


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