Sinngouki
プロローグ
「パパーママー、ちょっと待って、靴紐結ぶから!」
呼びかける女の子が一人、
「先行ってるぞー!」
答える父親、微笑む母親
少女は立ち上がり、走り出す
ガスッ!
少女の顔は赤く染まる
「うわぁ!」
またこの夢か…
私は両親を交通事故で亡くした。
中3の冬、合格祝いの食事をした帰り道の事で、今でもこんな風に夢に出てくる。
「まいったなー、今日始業式なのに、
縁起悪いな〜、」
そんなことをつぶやきながらもさっさと着替えを済ませ、家を出る。
学校に着いて、新クラスを見ようとクラス表をみると、
雨谷 青兎
こんな人うちの高校にいたっけ、
転校生かな、イケメンだったらいいなー
なんて馬鹿みたいなことを考えながら、歩いていると、
ドンッ
誰かとぶつかった。
「わぁ!」
私は、慌てて頭を下げて、
「すっ、すみません!よそ見してまし た!」
「だいじょぶです。」
「本当ですか!」
顔を上げると、そこに立っていたのは、
かっこいい男子…
「本当にすいませんでした。」
「急いでるんで、」
そういって、彼はいってしまった。
なんじゃあの美少年は!?
本当に同じ世界の住人か!?
同じクラスならいい…
キーンコーンカーンコーン…
やっ、やばッ!
早く教室へ行かなければ!
ダッシュで廊下を駆け抜け席に着く。
「ギリギリセーフ、」
「セーフじゃないっしょ、真希、」
「ごめんごめん」
この子は、杏。
私の幼馴染で、どんなときだって支えてくれた。
「ホームルーム始めるぞー、席つけ〜」
ガタガタッ
「転校生を紹介するぞー、入ってきて」ガラッ
「こんにちわ、雨谷青兎です。」
あの子転校生だったんだ。
やっぱ、かっこいいな、
「雨谷くんって、イケメンだよね〜」
「杏〜、もしかして狙ってんの?
杏は、けっこーなべっぴんさんだから
ねー。」
「うん、だって超がつくイケメンだし」
狙ってる子はいっぱいいるんだろうなーなんて考えながら、彼を見ると、
目があった。彼は、瞬きをしてクスッ
と笑った。まるで、バカにするみたいに
ふざけんなって、睨んだけど、もうこっちを見てなかった。
Akatukiです!
これからよろしくっす(≧∇≦)