表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

第1話 目ざめたらそこは異世界でした

主人公目線でどんどん書いていきます。

「…はっ!!…はぁ…はぁ…」

 先ほどの夢から飛び起きた私は息を整える。

 酷い悪夢だった。あんなバッドエンド…いやなんであのゲームのライバルの視点からの夢を見るんだ。額からは汗が流れ落ちる。

「お嬢様!!大丈夫でございますか!?」

 隣にいるメイド服を着た人が心配そうに私を見つめる。

 …お、お嬢…様!?

 だ、誰のことだろう?まさか私じゃないだろう。

「今すぐ旦那様、奥様、そしてお医者様を呼んでまいります!!」

 そういって、彼女は部屋を慌ただしく出て行った。…というか、この部屋でかいな…。私の住んでいたアパートの部屋何個分だろう。そしてこのベッドもやたらふかふかしているし、天蓋つきの豪華なものだ。どこの時代のものだ?というより私はなぜここにいるんだ?

 足をベッドの下に出そうとしてもなかなかベッドから出られな…よし!出れた!!

 …なんで、こんなに小さくなっているんだろう。足も手も小さい。確か、確か…そうだ!幼稚園卒園のときに、手の大きさを残しましょう、ということで手に朱色の絵の具をたっぷりつけて色紙に押し付けるときぐらいの大きさだ。童顔で平均以下の身長だったとはいえ、こんなに小さくはなかったぞ、私は。

 よいしょっと、ベットの下に降りるとそこは未知空間だった。すべてのものが大きく見える。いや、私が縮んでしまっただけか。何とか今の自分の姿を確認しようと鏡を探すと、運よく姿見を見つける。

「え、えぇぇぇぇぇ!!」

 姿見を通してみた私はそれはそれは可愛らしく、4、5歳くらいの綺麗な銀髪に赤い瞳をしたまるでうさぎさん。ん?この姿は確か、乙女ゲーム「愛する君に指輪を」の主人公のライバルだったオリ…

「オリヴィエ!!リーヴィ!!大丈夫なのか!!」

 そう!オリヴィエ、オリヴィエ・マドゥルゥ侯爵令嬢の姿を幼くしたものだ!!って、んん!?

 部屋のドアの方を見ると、そこには茶髪と金髪の中間の髪色とひげを持った、服を着ていても筋肉ムキムキだと分かるようなでかい男性が立っていた。

「リーヴィ!!元気になったのか!!」

 そういって彼は一目散に私の方に向かってくる。逃げる間もないまま、その人に抱きしめられ頬擦りされる。

「お、お父様…」

「元気になって…!!どれほど心配したと思っているんだ!!」

 あ、圧迫死しそう…。

「あなた、リーヴィを抱き殺すつもりですか?」

 そういって圧迫死するほど力を入れられていた腕を簡単に引きはがし、私を抱っこする麗人。すげぇ、どんなわざ使ったんだ!っというか、めっちゃ美人!!何この人、某歌劇団にいそうなくらい凛々しくて素敵な黒髪の女性だ。

 …ん?この人たち、確か…オースティン・マドゥルゥ侯爵と侯爵夫人じゃないか!って、私のパパさんとママさん!?

 こんなすごい人たちから生まれたんだ…私。っというよりオリヴィエは。

「この子はまだ病み上がりなのですよ?あんなに高熱にうなされて意識朦朧状態で、やっと一週間ぶりに目を覚ましたんですよ」

 おお。お母様、私の状況説明ありがとう。そしてその間に前世にプレイしていた乙女ゲームの世界に転生したと気づいてしまい、しかも最終的には夢で見たバッドエンド行きになるオリヴィエ・マドゥルゥ侯爵令嬢に運悪く転生した、と。

 なんてこった…!!


 さて、どうするか。あのバッドエンドが必然なら崖から落ちても死なないようにしなければ。



「いやぁ、リーヴィが目を覚ましたことがあまりにも嬉しくって!生死を彷徨いながらもこっちに戻ってきてくれたんだ!」

 そういってマドゥルゥ侯爵…面倒になりそうだからもうお父様でいいや。お父様は涙をポロポロ流しながら感極まっている。この筋肉おじさんからは想像できない姿だ。

「それはわかりますが、こんな親ばかな顔をあなたの部下には絶対に見せられませんわ。王国騎士団の士気がガタ落ちします」

 私を抱えている腕とは逆の手を額に当てて、悩まし気にため息をついている。

 王国騎士団…?…はっ!そうだった、お父様は王国騎士団団長で陛下から勲章をいくつももらっている魔法剣士で魔法と武術には長けている方だった。チートのように強く、騎士団の中では彼に扱かれた者は終わった後は魂の抜かれた廃人と化すが、徐々に頭角を現し優秀な魔法剣士になると言われるほど教え方もうまいし、慕われている。だが笑わない。まして泣くことはない。だからこんなにいつも仏頂面のはずの彼が親ばかだなんて、こんな姿を見たら、あこがれの騎士像であった団長の姿が崩れてしまう。

 …そうだ!お父様に魔法や武術を習って、あのバッドエンドに備えよう!!




「お父様!!私、魔法剣士になりたいの!!」



 そう言ったときのお父様とお母様の顔はまさに鳩が豆鉄砲を食ったような顔だった。




 はっ!!詳細説明吹っ飛ばしてた!!

私も頭の中で考えた詳細を省いてしゃべってしまうことがあります。

周りの反応はまさにお父様やお母様のような顔です。

そしてそこから詳細説明に入ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ