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第百六十四章 菊子、再び地球で暮らす

菊子は、「何で二人とも、貧乏人から金銭を騙し取り、自殺に追い込むような、血も涙もない、やくざと一緒にいるのよ!」と怒っていました。

陽子は詐欺師に、「おい!今、彼女が言った事は本当か?貧乏人から金銭を騙し取っても、大金は無理な上、後で厄介な事になる可能性がある為に、お金があり余っている奴や、人に言えない犯罪絡みの金を持っている奴だけにしろと指示したわよね!」と透視で確認していました。

陽子が確認している間に詐欺師は、「しかし、犯罪絡みの金を持っている奴も、あとで厄介な事になりませんか?」と陽子の指示に従っていなかった事がばれたので、恐る恐る反論しました。

陽子は、「犯罪絡みで厄介な事になった時の為に、私達がバックにいるのでしょう。その時は、遠慮なく丸東組に連絡すれば組員が対応するから、あなたは何も心配しなくても良いのよ。でも貧乏人の場合は社会問題になる事がある為に、簡単には行かないわよ。」と透視で確認しながら説明していると、菊子の言っていた事が本当のようでした。

日本刀を詐欺師の首筋に当てて、「貧乏人から騙し取った金銭は、厄介な事になる前に、今直ぐに返しなさい!さもないと、あなたに天国じゃなく地獄までの片道切符をプレゼントするわよ。今度、私を騙したら、只では済まないから、覚悟しておきなさい!」と命令しました。

詐欺師は慌てて、「陽介からから騙し取った金銭は、今日中に銀行に振り込みます。」と陽子を怒らせたので慌てました。

陽子は、「その言葉に間違いないわね。ところで銀行口座は知っているのでしょうね!その顔は知らないようね。自宅を回ってでも本人に直接返しなさい!あなたの詐欺が原因で被害が大きくなっていれば、自腹で穴埋めしなさい。陽介さんだけではなく、貧乏人から脅し取った金銭全部よ。一週間後組員に確認させて、返していなければ、死神が、お迎えに来るからな!覚悟しとけよ。具体的に言うと、私達と一緒にいる宇宙人は肉食よ。あなたは、この宇宙人の食事になり、最後は太陽に投げ込むから証拠は一切残らない為に、失踪扱いになるでしょうね。逃げても無駄よ。タイムマシンがあるから、どこに逃げてもすぐに解るわよ。」と少し脅しておきました。

それを聞いた悪戯好きのアヤメとコスモスは、詐欺師の事務所が壊れない程度の恐竜図鑑で見た最強の肉食恐竜ティラノサウルスに変身して、「お前は美味しそうだから、金銭は返さなくても良いわよ。」と詐欺師に迫りました。

詐欺師は腰を抜かし、「か、返します!必ず返します!」と失禁して青ざめた上ずった声で怯えていました。

詐欺の件は片付いた為に陽子は、「今日の所は、あなたの顔を立ててやりますけれども、いくら強くても、やくざと関わらない方が良いですよ。やくざは、あなたに敵わないと判断すれば、陽介さん一家を狙いますよ。充分気を付ける事ね。」と忠告しました。

菊子は、「あんたの家族はどうなのよ!」とやくざの対応を確認して参考にしようとしました。

陽子は、「ご心配なく。私の家族は組員が護衛しています。陽介さん達は誰が護衛しているのですか?」と忠告してコスモス達と去って行こうとしました。

菊子は、「一寸待って!母ちゃん、まだ話しは終わってないわよ。何故地球にいるのよ。」と何かあるのか興味がありました。

アヤメは、「菊子!あなたこそ何か隠してない?自分の胸に聞いてみなさいよ。」と去って行きました。

菊子は、“そう言えば陽介が菊子記念館に私が当時書いていた日記が公開されていると言っていたが、テレジア星の文字で子供を作った事を書いたが、それがばれたかな?子供を捜しに来たのかな?でも何故やくざと一緒に捜すのだろう?”と不思議そうでした。

まさか先程のやくざが菊子の孫だとは気付かず陽子が、“菊子お婆ちゃん”と呼んだ時は興奮していて、その事は頭の中にありませんでした。

アヤメ達が帰った為に仕方なく菊子も帰り、陽介に詐欺師に騙された金銭は直ぐに銀行に振り込まれる事を説明しました。

陽介は、「助かりました。有難う御座いました。最初あなたを疑って申し訳御座いませんでした。しかしこんな小型のUFOでアンドロメダ星雲から来たのですか?凄いですね。」とその科学力に驚いていました。

菊子は、「いいえ、この小型UFOは近距離用なので、太陽系内部だけです。アンドロメダ星雲まで行ける大型のUFOを火星に着陸させています。」と返答しました。

陽介夫婦は経済的に立ち直りましたが、詐欺師に騙された事などを、近所に知られていて、今迄住んでいた住宅には人目もあり、住み辛くなっていた為に引っ越しする事になりました。

陽介の子供が菊子の持っている小物や、UFOの設備などは、地球の物とは全く異なり、丸でアニメの世界のようで、小型UFOでも、これだけ凄いのだから、大型のUFOはもっと凄い設備があるのだろうと思い、一度乗ってみたくて、菊子と一緒にいたいと言って聞きませんでした。

困った陽介夫婦は、詐欺の件では、丸東組の名前も出ていた為に心配で、菊子に一緒にいて貰えれば心強い為に、「可能であれば陽介の妹だという事にして、一緒に来て頂けませんか?」と頼みました。

菊子は、テレジア星に帰っても、一人淋しい生活が待っているだけですし、アヤメやコスモスも地球に住んでいた為に、母のアヤメに説明して、再び地球で暮らして行くと伝えました。

アヤメは、組員が亡くなった時には、陽子達が通夜や葬式を行う為に、見ているだけで何もしなくても良いので他人事ですが、陽介が亡くなった時には、そうもいかない為に、厄介な事が苦手なアヤメは、何とか菊子をテレジア星に帰そうとしていました。

アヤメは、「私は、地球で仕事ができたので、仕方なくいるのよ。陽介の件は、お金も戻って来て、もう片付いたのでしょう?それだったら、もう地球にいる必要は何もないでしょう?いつ迄も何しているのよ。早く帰りなさいよ。」と説得しました。

菊子は、もう二度と淋しい思いはしたくなかった為に、「何で母ちゃんと、コスモスが地球に住んで、私だけが住んだらいけないのよ。陽介が丸東組の名前を聞き、脅えているのよ。私に一緒にいて欲しいと希望しているのよ。これは、私の立派な仕事よ。」と反論しました。

アヤメは、「何が仕事よ。UFOを子供の玩具にするだけじゃないの?それは危険よ。玩具の拳銃でも地球人は死ぬわよ。」と呪縛の時に猪熊巡査との会話で知った事を説明しました。

菊子は、「私は母ちゃんより地球は長いのよ。何が危険かは解っているので心配しなくても大丈夫よ。母ちゃん達こそ何の仕事があるのよ。やくざの幹部の用心棒が仕事なの?それだったら、私だって陽介一家の用心棒よ。同じじゃないの。何故私だけ駄目なのよ!」と不満そうでした。

短気のアヤメは、「五月蝿いな。何でも良いから、帰れ!」と怒り出しました。

菊子が、「何でも良いだなんて、そんなの無茶苦茶よ!何故私を無理に帰そうとするのよ!私に知られたくない事でもあるの?何か隠している事があるのね。」と言い返しました。

頭脳明晰なアヤメは、これ以上口論するとそれがばれると判断して、口論しなかった為に結局菊子は再び地球で陽介達と暮らして行く事になりました。

菊子達は子供の転校手続きをして、閑静な住宅街に引っ越して来ました。

引越しの荷物を整理して、さっそく自治会長の鶴岡さんや近所の人達に挨拶回りをして、新しい生活を始めました。

一方マリの娘の紅葉が中学生の時に、同級生達と遊んでいると、航空学校の生徒でパイロット訓練生にナンパされました。訓練生はまだパイロットのライセンスを取得できていませんでしたが、女生徒には自分はパイロットだと自己紹介して、離陸や着陸は、どうだこうだのと色々説明して、ベテランパイロットの振りをしていました。

紅葉の同級生は、「大空を自由に飛行できれば気持ち良いでしょうね。羨ましいわ。」と羨ましそうでした。

彼は、「それは言葉では言い表せないほど、とても気持ち良いよ。君達にも一度見せてあげたいね。」と自慢していました。

紅葉は、“何処がパイロットなのよ。まあ良くも、あんな出鱈目な操縦方法を説明して、良く言うよ。感心するわね。“と呆れていました。

そんな中、ある女生徒が、そんなに気持ちが良いのでしたら、是非飛行機に乗りたいと言い出して、後に引けなくなり困っているようでした。

紅葉は、彼がどうするのか暫く見ていると彼は、「週末に航空学校の飛行機に乗せてやるよ。」とあとに引けなくなり航空学校が休みの日にこっそりと航空機を拝借しようとしました。

紅葉は、“ヤバイ!”と思い、トイレに行って母に電話し、事情を説明しました。

マリは、「私が商社に勤務していた頃に、航空機を購入した顧客を指導していて、その航空学校には指導に何度か行った事があり、良く知っているので私から連絡して、事情を説明しておくので、紅葉!あなたが副操縦席に乗り、どうにもならなくなったら、紅葉が操縦しなさい。但し、航空学校の職員には会わないようにしないと、あなたが中学生だとばれるわよ。」と提案しました。

彼は、そんな話になっているとは知らずに航空学校の航空機を休日にこっそりと拝借しようと考えて、女生徒達と日程の打ち合わせをして、その日は別れました。

紅葉は帰宅後マリにその日を伝えました。


次回投稿予定日は、2月6日です。

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