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第百六十三章 菊子、陽子と争う

フジコは、「約束通り、あなた方が一家心中する前に来たので、私達の事を信用して頂けますよね。」と一家心中しないように忠告しました。

陽介は、「あなたは、本当に宇宙人なのですか?今のは何かのトリックではないのですか?」と半信半疑で聞きました。

フジコは、「そんなトリックを仕掛けている時間はありませんでしたよ。今迄の事からも解ると思いますが、その手紙にも書いているように私は地球人ではなく、寿命も地球人よりも長いです。」と説明しました。

陽介は、「それじゃ、俺が生まれる前から生きていたとでも言うのか?」と信じられない様子でした。

フジコは、「ええ、そうよ。陽介さん、お久しぶりですね。陽子お婆ちゃんの葬式の時にお会いしましたフジコです。皆は私の事を博士と呼んでいましたが、覚えていますか?今こちらに向かっている菊子ちゃんの事も覚えていますか?」と子供の頃に会った事を伝えました。

陽介は驚き、最後まで捨てなかったアルバムを見ながら、「えっ!あなたは、本当に、博士なのですか?何処かで会った事があるような気がしていましたが、信じられません。」とアルバムを見てもまだ信じられない様子でした。

フジコは、「ええ、そうよ。思い出して頂けましたか?菊子ちゃんは陽子お婆ちゃんの親友でしたので、必ずその詐欺師からお金を取り戻してくれるわよ。但し、暫く菊子が同居すると思いますが、奥さん、菊子は甘えん坊で、陽介さんに抱き着くかも知れませんが地球人ではないので、人間の形をした犬か猫だと思って、大目に見てやって下さいね。」と女房が嫉妬しないように手を打っておきました。

その後、フジコは時間短縮の為に詐欺師の事を、通信機を通じて菊子と一緒に聞いていると、サクラから借りた菊子の操縦する大型多目的艦が火星に到着した事を察知して、陽介夫婦を庭に連れて行きました。

フジコが、「ほら、もうすぐ来るわよ。」と指差すと、夜空に何か光ったかと思えば突然UFOが出現しました。

陽介夫婦は、「飛んでいる所が見えなかった。」と宇宙人の科学力に驚いていました。

フジコは、「光より早く飛んでいた為に地球人には見えなかっただけで、私には見えましたよ。」と説明しました。

フジコは菊子に、「後は任せて良いわよね。」と言い残して、テレジア星へ帰って行きました。しかし、帰る前にアヤメとコスモスに会い、菊子の事を説明していた事を菊子は知らずに、二人が地球にいる事すら知りませんでした。

一緒にいた陽子が、「菊子さんて、母を捨てた人よね?どんな人なのか一度会って見たいわ。」と噂の菊子に会いたいようでした。

アヤメが、「今の博士の説明では、陽子の名前の由来になった、芹沢陽子さんの孫が何らかの事件に捲込まれたようなので、その件が片付いてから、ゆっくりと会おうか。」と今会いにいけばややこしいので、その件が落着してから会う事を提案しました。

フジコが、「何らかの事件って、詐欺だって言ったじゃないの。女神ちゃん、まさかとは思うけれども、詐欺って何か知っているの?」とアヤメの発現に不信感を抱いていました。

アヤメは、「詐欺師が、詐欺という悪い事をするのでしょう?」と返答しました。

フジコは、「悪い事には間違いないけれども、女神ちゃんの説明には肝心な部分が説明されていないのよ。詐欺とは何かという事がね。要は、金品を騙し取る事なのよ。」と説明しました。

アヤメは、「悪い事じゃん、私の説明に間違いはないだろう!」と怒っていました。

フジコが、「もう良いわ。女神ちゃんに解って貰おうと説明した私が馬鹿でした。そういう事だから、私はテレジア星に帰ります。」と帰って行きました。

フジコに後を任された菊子は、家の中には蒲団も何もない為に、菊子の近距離用小型UFOをプレハブのような簡易建物で覆い、菊子のUFOで一緒に生活する事になり、陽介の子供は無邪気に地球の設備とは全く異なる凄い設備に大喜びしていました。

借金は、以前菊子が地球に住んでいた頃に、当時の政府からの礼金を孫の陽介に渡そうとして用意していましたが、無理やりアヤメにテレジア星に連れて行かれた為に、そのままテレジア星まで持って来ていて結構な金額でしたので、それで返済して、地球へ移動途中、フジコと一緒に聞いた詐欺の話の続きを、陽介から聞きました。

詐欺師を見付けるのは、UFOに搭載されているタイムマシンや菊子の透視力などをフルに活用すれば、直ぐに見付かりました。

菊子と陽介はその詐欺師の所へ行き、陽介が詐欺師と話をしている間に菊子が透視力を使い、もう捨てられているかもしれない証拠を捜していると、詐欺師の机の引き出しにその証拠がある事に気付き、引き出しから、その証拠を取り出そうとしていました。

詐欺師は慌てて、「おい!こら!勝手に人の机の引き出しを開けるな!」と菊子を必死に止めようとしましたが、菊子はまるでロボットのようにビクともしませんでした。

詐欺師が驚いている間に菊子が証拠の書類を取り出して、「これ何?警察に持って行こうか?」と詐欺師を睨みました。

詐欺師はそんな事をされると今回だけではなく、今迄の詐欺も警察にばれる為に、菊子をなんとかしようとしましたが、刃物でも全く歯が立たず、詐欺師は最後の手段として、「俺のバックには丸東組がついているのだぞ!」と脅迫しました。

しかし菊子は、「それがどうした!来るならいつでも来い!」と陽介がいると、やくざが来た時に足手纏いになる為に陽介に、「後は私が話を着けるので、あなたは帰りなさい。」と帰宅させました。

陽介は、「菊子さん、丸東組は只のやくざではありませんよ、やくざからも怖がられている、凄いやくざです。」と菊子を心配していました。

菊子は詐欺師に聞こえないように小さな声で、「私は地球人ではありません。大丈夫ですよ、地球人には負けませんので安心して下さい。巻き添えになるかもしれないので、陽介さんは先に帰っていて下さい。」と陽介を帰しました。

その間に詐欺師は丸東組に電話して、「詐欺がばれて、化け物みたいに強い女が来た!助けてくれ!」と助けを求めました。

丸東組の組員は、「女は何人だ?」と何人の女に襲われたのか確認しました。

詐欺師は、「一人です。」と返答しました。

丸東組の組員は笑いながら、「お前は一人の女も始末できないのか?情けない奴やな。今から行くから待っていろ。」とどんな女なのか考えながら詐欺師の所に向かいました。

詐欺師は菊子に、「今、丸東組の組員がここに向かっている。今、謝れば俺が丸東組の組員に、もう来なくても良いと話をつけてやるぞ。」と菊子の出方を見ました。

菊子は、「お前では話にならないので、その丸東組とやらと直接話をするよ。」などと雑談していました。

暫くすると丸東組の組員が数人来て、話し合いましたが決裂して殴り合いになりました。

菊子には、全く歯が立たず、思い余って陽子に連絡して、「今、姉御が来る。姉御は無茶苦茶強いから、お前もこれまでだ!」と陽子に期待しました。

菊子は、「お前らも只の使い走りか。」等と話をしていると、陽子が来て、二人が取っ組み合いになり、互角でした。

陽子は、「驚いたわ、私と互角に闘える人がいたなんて。」と驚いていました。

菊子は、「それはこっちの台詞よ!でも、お遊びはここまでよ!これでお終いよ!」と菊子は自分の腕を槍のように伸ばして、陽子を突き刺そうとしましたが、陽子は菊子が木刀だと思っていた日本刀を抜き、対抗しました。

驚いている菊子に陽子は、「あなた、もしかして、菊子お婆ちゃん?」と陽介さんが詐欺の被害に遭ったと聞いたが、丸東組の関係だったのねと世間は狭いと感じました。

菊子は、「小母さんなら兎も角、お婆ちゃんとは何よ、あなたのような血も涙もないやくざに知合いはいないわよ!」と再び陽子と取っ組み合いになりました。

菊子は黒ヒョウに変身して陽子に襲い掛かりましたが、猛獣と闘いなれている陽子とは互角でした。

菊子は、「お前は何者だ。」と驚いていました。

陽子は、「人に物を尋ねる時には自己紹介してから尋ねるものよ。」と菊子の事を知ろうとしました。

菊子は、「お前に自己紹介する必要はない。」と拒否しました。

コスモスが意思波で陽子と菊子が争っているとアヤメに連絡していた為に、アヤメが来て、体を流動体にして天井に貼り付いて様子を見ていました。

菊子はアヤメの意思波に気付き、「一寸母ちゃん、何しているのよ。見ていないで、この血も涙もないやくざをなんとかしてよ!」と助けを求めました。

アヤメは、「自分の孫をやっつけようとするのは、血も涙もあるのか?」と陽子の正体のヒントを与えました。

菊子は、「何、訳の解らない事を言っているのよ!」とアヤメのヒントに全く気付いていませんでした。

菊子はアヤメが助けてくれそうもないので、両腕を槍の様に伸ばして、陽子を突き刺そうとしました。

陽子は日本刀で片方は躱しましたが、もう一方を躱せずに突き刺さりましたが、陽子の上着に化けて警備していたコスモスが、それを阻止しました。

突刺せなかった為に菊子が、“えっ?”と驚いた瞬間、「いった~、菊子姉ちゃん、何するのよ!」と上着から女性の姿になり、アヤメも天井から降りてきて、女性の姿になり、「人には血も涙もないとか言いながら、何、自分の妹を突き刺しているのよ。」とまだ陽子の正体に気付かないのかと呆れました。

菊子は驚いて、「一寸、二人とも何故地球にいるのよ!宇宙旅行だとか何とか言いながら地球に来ているのはどう言う事なのよ!それになんでそんなやくざと一緒にいるのよ!」とアヤメが陽子の正体を告げても全く気付かずに怒っていました。

アヤメは菊子が頭に血が上っていて陽子の説明をしても無駄だと判断して、「ええ、地球も宇宙旅行になるでしょう?嘘は吐いていないわよ。」と陽子の話題から離れました。


次回投稿予定日は、2月2日です。

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