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第百七十一章 渚、銀竜会に殴り込む

渚は喧嘩仕度して集まった組員を三手に分けて、二手には、表門と裏門で待機するように指示して、「今から私が乗り込むから、誰も出入りさせるな!応援が来る可能性がある為に、その応援を中に入れるな!その間にもう一手は本部に忍び込み高校生を捜して救い出せ!」と指示しました。

組員が、「姉御一人で乗り込むのは危険です。」と止めました。

渚が、「私は一人で大丈夫よ。そんなに心配だったら、争いになれば忍び込んだ一手が、私の応援にくれば良いじゃないの。そこは任せるわ。」と指示して、渚は銀竜会に乗り込んで行きました。

渚に気付いた銀竜会のチンピラは、「何だ?お前は!何しに来た!」と怒鳴りました。

渚は、「私の同級生が、お邪魔していると聞いたものですから迎えに来ました。」と冷静でした。

銀竜会のチンピラは、渚が高校の制服を着用していた為に高校生だと解り、「俺達は、高校生に用はない。ここは学習塾ではないので、高校生はいない。俺達にレイプされたくなかったら大人しく帰れ。」と笑った瞬間に、奥のほうで争う声がしました。

チンピラは何があったのかと思っていると、奥から高校生が出て来て、渚を見ると、格闘技の達人に守って貰おうと渚に近付いて行きました。

渚は、“矢っ張りここだったか。”と思い、「あらあら、誰だったかしら?“ここは学習塾ではないので高校生はいない!”と言ったのは?高校生がいたという事は、矢張りここは学習塾なのですか?最近の学習塾も変わったわね。接線とは何ですか?解らなければ、立ってなさい。」とからかいました。

チンピラは、「五月蝿い!黙れ!生意気な。立っていろだなんて、嫌な事を思い出させやがって!」と数人で渚に殴りかかりましたが、全員渚に倒されました。

渚は、「ここの学習塾は体育の授業もしているの?それにしても弱いわね。修行が足りないわよ。」と笑っていました。

チンピラが、「兄貴!一寸来て下さい。」と助けを求めました。

奥から日本刀を持ったやくざが出て来て、「お前達は女子高校生一人の相手も碌にできないのか?情けないやつだな。所で女子高校生が何をしに来たのだ?」と穴で笑っていました。

渚は、「私の同級生が大変お世話になったと聞いたものですから、そのお礼をしなければ、大変失礼にあたるのでね。」と返答しました。

やくざは、「それはそれは、こいつらが動けなくなるような、たいへん結構なお礼を頂きまして、有難う御座います。こちらも、お返しをしなければ失礼になりますね。」と日本刀を抜き、数人で襲いかかって来ました。

渚も日本刀を抜き、全員右腕を切りました。全員同じ場所を切られた為に驚いて、奥から新手を呼ぶと、奥から出て来るなり倒れました。

やくざは驚いて、「どうした!」と何が起こったのか理解できませんでした。

「全員丸東組にやられた!応援を呼びましたが、応援は出入り口で丸東組組員に阻止されました。」と報告しました。

どうにもならなくなり、「会長!」と親分を呼びました。

奥から親分が来て、「いやに騒がしいので、どなたが来られたのかな?と思えば、丸東組の梅沢さんではないですか。」とこの女子高生は丸東組の幹部だと部下に伝えました。

渚が、「私が格闘技の大会で優勝したのが気に入らなかったようなので、挨拶に来ました。」と伝えて不良高校生に、「やくざが本当にそんな事であんたらに、手を貸すと思っているの?私達の高校には裕福な家庭が多い為に、お金目的に決まっているでしょう。お金さえ手に入れれば、あんた達は用無しになるので、罪を擦り付けて、終わりですよ。」と不良高校生達にこの件から手を引くように忠告しました。

不良高校生達は、「何も知らないくせに生意気言うな!ここの人達は真剣に俺達の話を聞いてくれた。そんな事はしない。百歩譲って、もしそうだとしても、俺達が警察に黙っている訳ないよ。」と俺達は騙されていないと強調しました。

渚は、「本当にあんた達はおめでたい人ね。話を真剣に聞いたのは、お金を手に入れる為だと解らないの?仕返しの為だとか、反省させる為だとか説得されて、あんた達に現金を要求する脅迫電話をかけさせようとしませんでしたか?あんた達が電話すれば、あんた達の犯行になるのよ。死人に口無しというでしょう。その後で殺されるだけよ。死体が発見されても仲間割れした事になるでしょうね。商店街でも嫌われ者の不良だから、誰も不思議に思わないわよ。死にたくなかったら、今直ぐやくざと縁を切りなさい。」と忠告しました。

不良高校生達は銀竜会のやくざに、「彼女が今、言った事は嘘ですよね?あなた方も高校生の頃は、私達と同じだったので、気持ちは良く解ると言っていましたよね?」と心配になり確認しました。

銀竜会の親分が、「俺達の言う事と、丸東組の言う事とどちらを信用するのだ?裏切り者は、この世界ではどうなるか解っているよな。」と脅しました。

不良高校生達が真っ青になった為に渚は、「そんな脅しに屈したら死ぬだけよ。拉致された高校生は女性が多いでしょう?警察に通報されないように海外に売り飛ばそうと考えて銀竜会に監禁していたとは思わないの?考えてもみて。銀竜会があんた達に協力して、何の得があるのよ。誘拐を犯してまで協力する価値はないと思うわよ。解ったら、私と一緒にここを出て警察に助けを求めなさい。」と説得して、不良高校生と同級生達を連れて出て行こうとしました。

銀竜会のやくざが、「おい!こら!待たんかい!」と渚達の前に出ました。

渚が、「まだ、やる気?相手になるわよ。それとも、私の言っている事に間違いでもありましたか?人身売買の相手組織に何て説明するのかを考えたほうが良いと思いますよ。」と銀龍会の組員を突き飛ばして出て行きました。

銀龍会のチンピラが背後から襲おうとしましたが、丸東組の組員に阻止されました。

門を出ると、丸東組の組員が渚に挨拶した為に、渚は裏門の組員にも連絡して、全員引き上げさせました。

渚は同級生に、「多分大丈夫だと思いますが、もしやくざがまた絡んで来たら、私に連絡して下さい。話は着けますので。」と同級生達を守ろうとしました。

不良高校生達に、「銀竜会が、裏切り者がどうだとか言っていたので、あなた方は、警察に事情を説明して助けを求めなさい。あなた方も銀竜会の口車に乗るから、厄介な事に捲込まれるのよ。死にたくなければ、暫く大人しくしていないと今度は本当に殺されるわよ。銀竜会は平気で人を殺すから。通学は男友達と一緒に通学しなさいね。間違っても女友達と帰ると、彼等も人身売買の商談をしていたと思うから、拉致されて海外に売り飛ばされるわよ。それと必要以上の外出を避けないと拉致されて殺されるわよ。」と説明しました。

同級生の一人が、「梅沢さん、先程のやくざの親分が、梅沢さんの事を丸東組の梅沢さんと呼んでいましたが、この人達の仲間なのですか?」と渚の事を知り驚いていました。

渚は、「こいつらは、私の子分よ。」と返答しました。

同級生達は驚いて、「丸東組の組員が皆、子分だという事は、梅沢さんが、あの凄く怖いやくざの組長なの?だから格闘技も強かったのか。剣道も強いみたいですね。先程やくざと日本刀で争っている所を見て驚きました。時代劇と違って実際は火花が散るとは知りませんでした。」と予想外の事実を知り、信じられなくて渚に確認しました。

渚は笑いながら、「ドラマじゃあるまいし、高校生が組長な訳ないじゃないの。マスコミも黙っていないでしょうしね。私は丸東組東城組長の孫ですよ。それに日本刀は金属よ。金属同士が強く接触すれば火花が散るのは当然でしょう。」と返答しました。

同級生達は、「という事は、将来は丸東組の組長になるの?日本刀も使い慣れているみたいだし。」と渚の事をもっと詳しく知ろうとしました。

渚は、「将来の事は解らないわよ。お爺ちゃんの跡は誰も継いでいないしね。そんな事はどうでも良いから、早く帰りなさい。両親が心配しているわよ。」と全員帰宅させました。

その後渚は組員に、「皆を心配させない為に、先程は大丈夫だと説明しましたが、銀竜会は人身売買の商談をしていたと思われる為に、再び拉致され、海外に売られる可能性は否定できないわ。風俗は私達の縄張りよ。銀竜会に拉致されていた同級生達をそれとなく護衛して。」と指示しました。

その数日後、渚の予想通り、同級生が銀竜会に拉致されかかった為に、丸東組の組員が飛び出し拉致を阻止し、同級生に先日の渚からの指示を伝えると驚いていました。

組員から報告を受けた渚は拉致されかかった同級生に、「組員から聞いたわ。あなたも含めて、あの時拉致された同級生達は再び拉致される可能性が高い為に、警察に通報して保護を求める事を勧めるわ。丸東組が助けたと説明しても信頼性に欠く為に、知り合いの格闘技の達人に助けられたと説明する事を勧めるわ。格闘技の達人について聞かれれば、私の名前を出しなさいね。勿論丸東組の組員にも引き続き護衛させますが、今回のように拉致を阻止できる保障はないわ。拉致されて海外に売られれば証拠はないから、知らないと言われれば、売られた場所が判明しない限り助ける事は不可能です。」と説明しました。

同級生達は慌てて警察に通報しました。


次回投稿予定日は、3月7日です。

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