表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/32

第百六十七章 渚、親友に丸東組を説明する

渚は何とか茂をマンションにこさせないようにしようとしていました。

陽子は、「だから、私が何をしても絶対来るって。何か別の方法を考えなさい。例えば、順子さんは午前中だけにして、お爺ちゃんには、順子さんは午後から来ると説明するとか、お爺ちゃんに内緒で日を変えるとかね。要は、お爺ちゃんが来ても、順子さんと会わなければ良いのでしょう?」と返答しました。

渚は、「母ちゃん、人事だと思ってそんな冷たい事を言わないでよ。もし鉢合わせしたらどうするのよ。お爺ちゃんを来させないよにする事が、一番安全なのよ。」と母に援助依頼しました。

陽子は、「冷たいも暖かいもないわよ。お爺ちゃんが来ると言えば必ずくるから。」と返答しました。

渚もお爺ちゃんの事は諦めて、順子にも、変に日を変えたり、時間を変えたりすれば、順子に益々疑われる可能性があった為に渚は、“何とか誤魔化すしかないか。“と思っていました。

当日、渚はどうなる事かと思いながら、そわそわしていると、茂より順子が先に来ました。

渚は、順子を自分の部屋に連れて行き、雑談しながら、“お爺ちゃんが来る前に、何とか理由を付けて、順子とマンションを出よう”と思っていると、茂が組員を連れて来ました。

渚は、“やばい!”と焦り、「順子、誰か来たみたいだから、一寸見てくるわね。」と順子を部屋に残して、玄関に行きました。

渚は、「もう良いから、帰ってよ。来なくても良いと言ったでしょう。」と追い返そうとしました。

茂は、「渚が苦労しているのを黙って見過ごせない。」とダイニングルームへ向かって行きました。

順子が、「渚!」と部屋から出て来た為に、渚は慌てて、部屋へ戻ろうとしましたが、マンションの通路は狭く、前に組員がいた為に、行けませんでした。

順子は、「トイレ何処?」とダイニングルームへ行くと、刺青のやくざが数人いて、順子の方へ来たので腰を抜かし失禁してしまいました。

組員は、「姉さんの学校では、トイレでションベンしないのですか?楽しい学校だな。一度見に行こうかな。」と笑っていました。

渚は順子にばれたので焼糞になり、組員の胸倉を掴み、「お前、もう一度言って見ろ!半殺しにするぞ!」と締めあげました。

組員は、「すみません、姉さん、勘弁して下さい。」と謝っていました。

順子は振るえながら、「渚、この人達は誰なの?」と渚の知り合いのようでしたので、その関係を知ろうとしていました。

渚は、「御免なさい。やくざの組長である私の祖父と、その子分です。私は、そのやくざでは姉さんで通っています。」と説明し、丸東組の名前を出しませんでした。

順子は、「渚みたいに、控えめでお淑やかなお嬢様がやくざの姉さんなの?」と予想外の事実に戸惑っていました。

組員は、「姉さんの何処が、控えめでお淑やかなんや?俺達が数人掛りでも敵わないのに。」と呟いていました。

渚は、「お前、半殺しにすると言っただろうが!」と組員の腕を捩じ上げました。

組員は、「姉さん、助けて、骨が折れる!」と苦しんでいました。

茂は、あまりにも組員が可哀想でしたので、「渚、そんな事をしていても良いのか?順子さんを放っておいても良いのか?着替えさせないと風邪をひくぞ。」と渚の注意を組員から順子に向けさせました。

渚は、組員を離し、「順子、驚ろかせて御免ね。」と渚の部屋に連れて行き着替えさせました。

「順子、顔色が悪いので、今日は帰った方が良いわよ。家まで送っていくから。今日の事は、順子が落ち着いてから、ゆっくりと説明するわね。それまで、皆に変な事を言わないでね。順子が全てを知った上で、皆に話すかどうかは、順子に任せるわ。黙っていてとは言いません。」と説明し、茂と一緒にマンションを出ました。

翌週、順子は、他の友達と下校しながら、渚の事を考えていました。

一人の友達が路地から出て来た丸東組の組員とぶつかり、因縁を付けられて、全員丸東組の本部に連れ込まれました。

皆は、丸東組に連れ込まれた為に脅えているとぶつかった組員が、「何故、俺とぶつかった?貴様、俺を狙っていたのか?」と睨みました。

ぶつかった友達は、「いえ、別に。」と怯えていました。

組員は、「“いえ、別に”では、解らないだろうが。はっきりしろ!外国に売り飛ばされたいのか!」と脅迫しました。

一人の組員が、順子の事を思い出し、「お前、そんな事をしたら、姉さんに、ぶっ殺されるぞ。この子達は姉さんの、お漏らし同級生だって知らないのか?」と忠告しました。

それを聞いて、順子も先日の事を思い出し、「あなたは、丸東組の組員だったのですか?」と渚が凶悪な丸東組の姉さんだったと知り驚いていました。

皆は、「順子、あなた、丸東組の組員を知っているの?お漏らしってどういう事?何かHな関係なの?」と二人の関係を知ろうとしました。

順子は、「そんな訳ないじゃないの!怖くて漏らしただけよ。あなたも一人だけだったら絶対に漏らしているわよ。組員の事は、私は直接知らないわよ。一寸待ってね。」と渚に電話しました。

「渚、大変な事になっちゃった。」と事情を説明しました。

説明を聞いた渚は、丸東組の本部に来て、「お前ら、何をしている。詰まらない事をすれば、どうなるか解っているだろうな。退け!」と組員を突き飛ばして、同級生達を本部の奥へと連れて行きました。

渚は、「順子にも、まだ説明していなかったわね。」と母が名医にも関わらず、何故、人身売買を行っているかなど、全てを説明しました。

最後に渚は、「世界的名医と言われている私の母は、間違いなく犯罪者です。黙っていてとは言いません。喋るかどうかは、皆に任せるけれども、私は全てを説明したのだから、いい加減な話はしないでね。」と説明しました。

渚は、テレジア星人の事は知らなかった為に、その説明はできませんでした。

順子が、「海外では治安の悪い地域がある事は、知っていました。規則だのルールだのと言っている大人の人より、ずっと渚のお母さんの方が立派よ。」と渚の説明に感動していました。

渚は、「順子、有難う。」と親友の順子に理解してもらえてホッとしていました。

別の同級生が、「いくら人命を救う為だと言っても、ルールを破っても良いのかな?」と疑問に感じました。

順子は、「遊泳禁止の池で子供が溺れていれば、あなたはその子供に、“ここは遊泳禁止なので、ボートを持って来るまで待って下さい。”と言うの?遊泳禁止でも飛び込んで助けようとはしないの?要は、そういう事なのよ。ルールや規則と人命と、どちらが大切だと思うのよ!渚は喋るかどうかは、皆に任せると言っていましたが、皆!黙っていて!解ったわね。喋ったら、私が許さないわよ。」と興奮していました。

結局、皆は黙っていて、やがて三年生になり、受験勉強を始めて、渚は日本でも有数の受験高校である大日本高校へ進学しました。陽子は自分の経験から、もし、渚が大日本高校へ進学しなければ、別荘にするつもりで、事前に渚の家を建築していて渚の入学祝いにその家をプレゼントしました。

渚も陽子と同じように格闘技を習っていて、自宅では猛獣を練習相手にしているのも同じでした。ただ能ある鷹は爪を隠すと言います。学校では誰も渚が格闘技の達人である事を知りませんでした。

一方、引っ越しをした陽介と菊子は、何事もなく暮らしていましたが、ある日、住宅街の公園で殺人事件が発生しました。

鶴岡さんは直ぐに警察に通報しましたが、その間に騒ぎを聞いて来た菊子が、透視力で色々と調べて、女性の力では無理なので男性が犯人だとか色々と言ったのを鶴岡さんが聞き、「あんた何様のつもり?警察が来るまで近付かないで!」と菊子に警告しました。

やがて警察が到着して、色々と調べて、その後解剖した結果、解剖所見は菊子がその場で調べた事と同じでしたので、鶴岡さんも驚いて陽介に、「あんたの妹って何者?医者?」と菊子の正体を調べようとしていました。

陽介は、「まあ、そんな所かな。」と適当に答えました。

それ以来、菊子の事を陽介以外に、鶴岡さんも何かと頼りにするようになり、自治会にも顔を出すようになりました。

菊子は自分が宇宙人とのハーフだと知られると、ここにはいられなくなると思い、もう二度とテレジア星の衛星で淋しい思いをしたくなかった為に大人しくしていましたが、それが控えめでお淑やかな女性だと思われて、益々慕われるようになりました。

今まで住宅街で人気者だった鶴岡さんは、人気が菊子に移り、それが面白くなく、菊子の弱みを掴もうとして色々調べ始めました。

そんな中、警察に追われて宝石強盗犯が自治会合を開催中の会議室に逃げ込み、自治会に参加中の女性に拳銃を突き付けて、二人で机の影に隠れて、「警察が来やがったら、誰も来なかったと言え!」と脅しました。

そこへ菊子がトイレから戻って来て、警察と同時に会議室へ入ると、皆の様子が可笑しいので、透視力で確認して現状を把握した菊子は、自治会長と警察の会話に犯人が気を取られている間に、そっと犯人の背後に回り、拳銃を持っている犯人の右腕を捩じ上げた為に警察も気付き、犯人は逮捕されて、住民からは拍手が巻き起こりました。


次回投稿予定日は、2月16日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ