出発
「ブラックファングっすかー。」
「なかなかぁ、強敵みたいなぁ?」
「あぁ、確かに鬼頭の野郎はなかなか厄介だな。」
「みなさん、ブラックファングのことを知っておられるのですか?」
桃が不思議そうに聞いた。
確かに、今の言い方だとまるで知り合いのようだった。
まあ、実際犯罪者の知り合いなのだが。
「い、いや!京都に住んでいたらブラックファングを知らないものはいないっすよ!」
必死に猿飛が弁解する。
「そうそう!鬼頭なんかぁ、これっぽっちも知らないわぁ!」
(いらんことを言うな!)犬養は雉羽田を睨んだ。
雉羽田は嘘をつくのが下手だった。
「そうですか。」
しかし、桃は気づかなかった。
馬鹿でよかった。
「では、そろそろ行きますか。」
食後のデザートを、食べ終わると唐突に言った。
「どこに行くんすか?」尤もな問いだ。
「もちろん、ブラックファングのアジトですよ。こんなこともあろうかと全てのアジトを調べておきました。」
「あ、アジトって!もう行くのか!?」
目を丸くする犬養達に、さも当然というように桃が頷いた。
「はい。もちのろんろんメロンパンです。」
「しかし。準備とかあるだろう。俺たちはついて行くだけだが…。」
「大丈夫ですよ。準備なんかしなくても、私は勝てます。こう見えて剣技は初代(桃太郎)を凌ぐほどと言われています。」
些か不安だが、本人が大丈夫なら大丈夫だろう。
おそらく。
たぶん。
そういうわけで、早速、ブラックファングのアジトへ向かうことになった。
時刻は午後1時だ。




