キビキビ団参上
京都、南区のとある通り。
有名な寺院の門前の階段がキビキビ団のいつもの集合場所だ。
仏様の前で、犯罪者が談議をするとは世も末である。
犬養がそこへ行くと、既に猿飛と雉羽田がいた。
猿飛と雉羽田はそれぞれ、特攻服とメイド服に身を包んでいる。
何ヶ月か前に、自分が「一流の犯罪者に必要なのはキャラクター性だ」と教えたら、なぜかこうなった。
要するに馬鹿なのだ。
犬養はネクタイを正した。仕事をする時はいつもスーツ姿で挑むのが彼のポリシーだった。
3人は階段に腰掛けた。
「いいか、お前ら。ついに俺たちキビキビ団にも、でけぇ仕事をする時が来た。」
「最近、カツアゲしかしてなかったっすもんね〜。兄貴。」
猿飛は頭のつっぱりを気にしながら言った。
彼は毎朝、髪のセットに2時間かけている。
「これを見ろ。」
犬養が取り出したのは、今日の朝刊だった。
どうやら昨日起こった銀行強盗の件らしい。
「ブラックファングだ。奴ら、今回の事件で相当稼いでやがる。」
金がある。ということは即ち、裏の世界での名誉と地位に直結する。
「いーなぁ。一億円かぁ。一生遊んで暮らせますねぇ。」雉羽田がつぶやく。
それは…無理だろう。犬養は思った。
「とにかくだ!俺たちも負けてられねぇ!キビキビ団の名を世に轟かせてやろうぜ!」そこで、決めポーズをとる。五重塔をバックに光る犬養の犬歯。
「よっ!兄貴!かっこいい!」
拍手喝采。
「ちなみにぃ、何するのぉ?」
意外と冷静な雉羽田が言った。
「みみっちいカツアゲはもう止めだ!これからは、盗賊稼業に勤しむぜ!」
「盗賊…すか?」
「ああ。通行人から金品を奪う。」
沈黙。
「それってぇ、カツアゲじゃん?てかぁ、カツアゲ以下?」
「まあ、そうとも言うな。」
雉羽田と猿飛の目線が痛かった。
ため息までつかれる始末だ。
「犬養さん。」
雉羽田がかしこまって言った。
雉羽田のキャラクターである語尾を伸ばした口調も消えている。
こういう時は、たいてい良くないことがおこる。
「前から、考えてたんですけど。キビキビ団、止めていいですか。」
初登場で、解散の危機




