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桃太郎 in平成  作者: 音祇
16/36

信じる

また、桃ちゃん嘘ついてるぅー。

桃太郎なんていないんだよぉー。

そーだよ!

あれはおとぎ話だよ。

ふぃくしょんってやつ。


「違うもん!本当にご先祖様なの!」


うっそだー。

しょうこみせろよー。

やっぱり、うそついてる。

桃ちゃん嘘つくからきらーい。

あっちいこー。



「ほんとだってばー!」


誰も、誰も信じてくれない。

私のことを。

私の言うことに耳を傾けてくれない。



「桃ちゃん。助けて。」

私が強いのをいいことに、いつも泣きついてくるやつ。


「桃ちゃん。掃除変わってよ。」

私が頼みごとを断れないのをいいことに、用事を押し付けてくるやつ。


「桃ちゃん、お金貸てくんない?困ってるんだ。」

私が困ってる人を見捨てられないのをいいことに、金をせびるやつ。


「桃ちゃん。あいつやっつけてよ。鬱陶しいんだ。」

人を便利屋だと思って、依頼してくるやつ。


「桃ちゃんって、なんでもできるよね。いいなぁー。」

人の努力を才能と決めつけて、言い訳するやつ。


嘘をついてはいけないと言ってるのに、平気で嘘をつくやつ。

暴力を振るってはいけないと言っているのに、暴力を前にすると屈するやつ。

ストレスを言い訳に犯罪を犯すやつ。

テレビの向こう側の飢えている人を眺めて、平気でご飯を残すやつ。

平和を歌っているのに、隣国の戦争を止めようとは思わないやつ。

自分こそが世界一不幸だと決めつけて、死ぬやつ。

生まれた環境に言い訳するやつ。

人を簡単に裏切るやつ。


いろんな人達がいた。


誰も私を信じなかったし、誰も信じられなかった。


それは、どこにいっても同じだった。


お供になってほしい。と頼んでも、誰も見向きもしなかった。


なのに、彼らは信じてくれた。

自分が桃太郎であると。


お供になってくれた。

話を聞いてくれた。

暖かいご飯をおごってくれた。


見ず知らずの私に。


初めて、人を信じてもいいと思った。

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