曝露
「あの、おじさん。ここから出るの手伝ってもらっていいですか。」
「あ?手伝う?なんで。」
「なんでって、困ってる人がいたら助けるのが普通でしょう。」
桃が正論を述べる。
正論すぎて、耳が痛い。
「嬢ちゃん…。もしかして、騙されたの気づいてねーな?」
「騙され…?」
見ていられなくなった犬養が口を挟んだ。
「奴は鬼頭だ。ブラックファングのボスのな。」
桃はぽかんと口を開けている。
「え…」
「えええええええええ!!!!」
「桃太郎の子孫を語る奴が、犯罪者について調べてるって聞いてな、コンタクトをとったのさ。絡まれてるフリすれば、直ぐに助けに来てくれたぜ。会ってみたら、こんなガキで驚いたよ。驚きのあまり、うっかり偽のアジトの居場所教えちまうぐらいな!」
そういって鬼頭は声をあげて笑い出した。
「騙すなんて、酷いです!」
桃は本気で怒っているようだった。
「騙される方が悪いんだぜ。」
そこで鬼頭は桃の他に落ちた3人組に気づいた。
「あぁ?よく見りゃ、犬養のおっさんじゃねぇか。」
(うわ、しまった。)
犬養は慌てて顔を隠す。
「ははーん。なるほどね。」
鬼頭はどうやら気づいたようだ。
言うなよ。と目で訴える。
しかし、鬼頭は言うことを聞くような男ではない。
「嬢ちゃん。本当にこいつらのこと知ってるか。」
やめろ。
「知ってますよ。犬飼さんと雉羽田さんと猿山さんです。」
「猿飛っす。」
猿飛はふてくされている。
そんなこと言っている場合ではないのだ。
「それだけか?」
やめろ。
「それだけ?」
聞くな。
「そいつらはキビキビ団だ。聞いたことあるだろ?チンケな犯罪組織。」
「え…。」
「そんなはずないですよ。だってキビキビ団のボスは犬養のはずです。」
「かー!そこまで阿保だと泣けてくるぜ。いいか、それは犬養じゃなくて犬養と読むんだ。」
桃はひどく驚いた顔をした。
しかし今度は、叫ばなかった。
ただ、とても悲しい色を浮かべていた。
鬼頭のキャラが個人的に好き




