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桃太郎 in平成  作者: 音祇
10/36

曝露

「あの、おじさん。ここから出るの手伝ってもらっていいですか。」

「あ?手伝う?なんで。」

「なんでって、困ってる人がいたら助けるのが普通でしょう。」

桃が正論を述べる。

正論すぎて、耳が痛い。

「嬢ちゃん…。もしかして、騙されたの気づいてねーな?」

「騙され…?」


見ていられなくなった犬養が口を挟んだ。

「奴は鬼頭だ。ブラックファングのボスのな。」

桃はぽかんと口を開けている。

「え…」

「えええええええええ!!!!」

「桃太郎の子孫を語る奴が、犯罪者について調べてるって聞いてな、コンタクトをとったのさ。絡まれてるフリすれば、直ぐに助けに来てくれたぜ。会ってみたら、こんなガキで驚いたよ。驚きのあまり、うっかり偽のアジトの居場所教えちまうぐらいな!」

そういって鬼頭は声をあげて笑い出した。


「騙すなんて、酷いです!」

桃は本気で怒っているようだった。

「騙される方が悪いんだぜ。」

そこで鬼頭は桃の他に落ちた3人組に気づいた。


「あぁ?よく見りゃ、犬養のおっさんじゃねぇか。」

(うわ、しまった。)

犬養は慌てて顔を隠す。

「ははーん。なるほどね。」

鬼頭はどうやら気づいたようだ。

言うなよ。と目で訴える。

しかし、鬼頭は言うことを聞くような男ではない。


「嬢ちゃん。本当にこいつらのこと知ってるか。」

やめろ。

「知ってますよ。犬飼さんと雉羽田さんと猿山さんです。」

「猿飛っす。」

猿飛はふてくされている。

そんなこと言っている場合ではないのだ。

「それだけか?」

やめろ。

「それだけ?」

聞くな。

「そいつらはキビキビ団だ。聞いたことあるだろ?チンケな犯罪組織。」


「え…。」

「そんなはずないですよ。だってキビキビ団のボスは犬養いぬようのはずです。」

「かー!そこまで阿保だと泣けてくるぜ。いいか、それは犬養いぬようじゃなくて犬養いぬかいと読むんだ。」



桃はひどく驚いた顔をした。

しかし今度は、叫ばなかった。

ただ、とても悲しい色を浮かべていた。


鬼頭のキャラが個人的に好き

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