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理想的な編集者と作家の関係

 編集者というのは、「作家に、よりよい小説を書かせるために存在している」と思っていた。

 けれども、どうやらそうではないらしいということが、ここ最近わかってきた。それどころか、悪い噂もたびたび耳にする。

「アイツのせいで、全然小説が書けなくなってしまった!」「何がプロの編集者だよ!ムチャクチャなアドバイスじゃないか!おかげで自分の執筆スタイルが完全に崩れてしまった!」などという声を。

 その一方で、最高に相性バッチリ!「あの人のおかげで、とてもいい小説が書けました!」なんて話も聞いたことがある。

 それは、小説だけではなく、マンガの編集者とマンガ家の関係も同じだろう。


 私は、その秘密を解明すべく、いろいろと懸命に考えた。

 そうして、1つの結論をみちびき出した。

 その結論とは…

 “作家と編集者には相性がある。その相性は、作家と編集者それぞれのタイプによって決まる”というものだった。


 わかりやすく説明していこう。

 作家には、いろいろタイプが存在する。それは、みなさんよくご存じだと思う。

 それを大きくわけると、2つにわけられる。

「自分の世界に没頭し、好き勝手に書きたいタイプ」と「アレコレ意見してもらって、そのアドバイスを自分の中に取り込みながら書いていくタイプ」の2つだ。

 ザックリとしたわけ方だが、なんとなく雰囲気はわかっていただけると思う。もちろん、中には中間的な人もいるだろうけれども、それでもどちらかには寄っているはずだ。“大体こっちよりだろう”という判別はつくはず。


 それと同じように、編集者も2つのタイプにわかれる。

「いろいろと作家にせわを焼きたがるタイプ」と「完全に放置して原稿だけ取りにくるタイプ」の2種類だ。

 これも人によって傾向の大小があるだろうが、それでもどちらか近い方があるはず。より極端な人と、境界線が曖昧あいまいな人がいるだけで。


 で、大切なのはここから。

 この2つのタイプを上手うまく組み合わせてやらないと、おかしなコトが起こってしまう。問題が多発してしまうわけだ。

 逆にピッタリとかみ合えば、最高のコンビネーションとなる!


 たとえば…

「自分の世界に没頭するタイプの作家」と「放置しておくタイプの編集者」この2人が組むと、相性バッチリ!

 同じように、「アドバイスをして欲しがる作家」と「せわを焼きたがる編集者」この組み合わせもピッタリくるだろう。次の作品のアイデアを出してもらったり、いろいろと資料を集めてきてもらったりして、作家の方も感謝するはず。

 それが、逆になってしまうと、目も当てれない事態となってしまう。


 もうちょっと応用をきかせれば…

「基本的には放置しておいて欲しいんだけど、たまにはアドバイスが欲しいという作家」がいたとする。こういう人には、それに合った編集者が必要になるわけだ。普段はジッと見守っていて、ピンポイントで一言二言、気のきいた言葉を書けてあげる人が。

 それ以外だと、なんだかギクシャクしてしまうことになる。


         *


 リュウザキさんとの関係で、それを痛感した。理論だけではなく、直接肌で感じたのだ。


 リュウザキさんは、完全に「いろいろとアドバイスしてもらいたいタイプの作家」だ。むしろ、アドバイスがなければ、まともな小説が書けないレベルだと言える。なので、おせっかい焼きの編集者と相性がいいのだろう。

 今回、私が演じたのはそういう役割。きっと、そういうタイプの編集者と運よく巡り会えれば、最高の作品を生み出せるのだと思う。

 でも、私はそこまでではない。あくまで、思いついたアイデアをいくつか伝えてあげることくらいしかできやしない。このままでは、いずれ限界がくるだろう。

 それに、「このままだと、いつまでってもひとり立ちできはしない」そういう思いもあった。

 なので、1度はあえて突き放してみたのだけど、残念ながらそれは失敗に終わった。リュウザキさんは、やっぱりリュウザキさんだったのだ。自分ひとりで、いい小説を書くことはできやしなかった。この先もずっとこのままかもしれないし、もしかしたら、どこかの地点で変われる時が来るのかもしれない。それは、今の私にはわからない。


 とにかく、今は目の前の作品を完成させられるように協力してあげるだけだ。

 そう思い、私は全力を尽くした。できるだけのサポートをし、思いつくだけのアイデアを提供した。

 おかげで、2週間ほどして、どうにかメドが立ってきた。今度の決戦に提出する作品の形が整ってきたのだ。

 ここまでくれば、ひと安心。あとは早い。いつもそうなのだ。リュウザキさんは、何を書くかが決まりさえすれば、そこから先はかなりのスピードで書き上げてしまう。


「ありがとうございます!ほんとにありがとうございます!これでなんとかなります!ミカミカさんのおかげで、今回もどうにかなりました!」

 などというリュウザキさんの言葉を背後から受けながら、私はその場をあとにした。


 ところが、ホッとする間もなく、このあとすぐに次の問題が持ち上がってくる。

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