メンバー集め
それからしばらくして、例の編集者から連絡があった。
ちなみに、ふたりは“ニシムラさん”と“シミズさん”という名前で、彼らは“戦学社”という結構大きな出版社の編集者だということがわかった。そこら辺の本屋に入れば、必ずどこの棚にも本が並んでいるくらい有名な出版社だ。
だからといって、ひるむわけにはいかない。むしろ、私の中ではますます闘志が湧いてきた。
「今度、うちの社で出してる雑誌で大々的に特集を組むことになったから。専用のホームページも立ち上げて、そこで作品を発表してもらう」
編集者のニシムラさんが電話越しに話してくる。
私はそれを聞いて、「フムフム」と相づちを打つ。
「開催日は、半年後。作品の公開はネット上になるが、まあ、遅くとも1ヶ月前には作品は完成させておいた方がいいな。テーマは特に決めずに、それぞれの作家が得意な話を書いてもらえばいい」
「分量は、どの程度なの?」
「原稿用紙換算で30~50枚。その範囲内で、好きな文字数で書いてもらえばいい。5人がそれぞれ1対1で対決し、さらに5人の総合点でも勝敗を決める。詳細も含めて、あとでメールで送るが、大体そんなとこだ。それでいいか?」
「ええ、構わないわ」
こうして、対決日とルールが決まった。
私は、俄然燃えてきた!
*
「…というわけなの。協力してくれる?」
「おお~、おもしろそうじゃないか!」と、サノさんはノリノリで答える。
「じゃあ、サノさんはオッケーね?」
「もちろん!もちろん!普段からお世話になってるミカミカちゃんのために全力を尽くさせてもらうよ!」
その後も、カメヤマさん、ナカムラさん、イワカベさん…とメンバーを集めていく。
「え~っと、最後のひとりはどうしようかしら?」
アベさんは、最高傑作を生み出すために没頭しているので、邪魔しないことにした。ワタナベさんも、この前の俳句の訓練で、自分なりの小説を書くコツをつかんだようで、新作に集中している。
「そうねぇ。ここは…」と、しばらく悩んだ末に、最後のひとりはリュウザキさんでいくことに決めた。
元々凡庸な作品しか書けなかった、あのリュウザキさんだ。相変わらず私のアドバイスがないと、なかなかオリジナリティのあるもは書けないようだったが、それでも以前に比べれば随分と進歩が見られた。
「物は試しね。きっと、これもいい経験になるだろうし」
そう考えて、声をかけてみた。もちろん、リュウザキさんの方は、2つ返事でオッケーしてくれた。だけど、あまり自信の方はなさそうだ。
「やります。やらせていただきます。でも、僕なんかで大丈夫なんでしょうか…」といった感じ。
「大丈夫!大丈夫!大丈夫だから、もっと自信を持って!」と、わたしも励ます。
「ちゃんとサポートとしてくれます?」
「するする!全面的にバックアップするから!」
「わかりました。じゃあ、がんばります」
「よっし!その意気よ!」
…というわけで、メンバー5人が集まった。




