編集者との決闘
さて、夜のバーで編集者ふたり組にケンカを売ってしまったこの私ミカミカ。
こういうとこが、私の悪いとこだ。でも、仕方がない。こうなったからには、もう遅い。先に進むしかない。
「お客様。そういうのは、よそでやってもらえますか?」と、バーテンダーにも注意されてしまった。
けれども、私はその言葉を無視して続ける。
「勝負よ!勝負しなさい!」
ふたり組も、突然の提案に拍子抜けした感じだ。さきほどまでの怒りはどこへやら。こうたずねてくる。
「しょうぶ~?なんだ、そりゃ?」
「西部劇かなんかかよ」
“西部劇”その単語を聞いて、私はハッと思いついたコトがあった。
「そうよ!勝負よ!決闘よ!それぞれが育てた作家を使って決闘するの。どっちがほんとに読者に受け入れられるか戦って決めるのよ!」
ここで、一瞬、相手の動きが止まった。そうして、無下に断られるかと思った。が、違っていた。
編集者の片方が、こう言ってきたのだ。
「なるほど。それは、おもしろそうだな」
もう片方が「本気かよ?」という顔で止めに入る。
「オイオイ、冗談だろ?こんな女相手にしたって、何の得にもなりゃしないぜ」
それを聞いて、私はさらに煽りを入れる。
「え?何?恐いの?プロの編集者様が、自分で育てた作家に自信がないって言うの?いや、それならそれで構わないのよ、私の方は。素直に負けを認めるって言うんだったら、それで許してあげるわ」
そのセリフを聞いて、さっきまで止めようとしていた方も、顔を真っ赤にして反論してくる。
「なんだと!んなわけあるか!ただ、やるだけ無駄だって言ってるだけだよ!最初から勝負になるか!」
「まあまあまあ。おもしろそうじゃないか。それに例の社内企画、まだ決まってなかったろう?これでいこうじゃないか。プロ対アマチュア!編集者vs小説読み師!どっちの育てた作家が読者から人気があるか、白日の下にさらしてやろうじゃないか!」と、相方が賛同してくる。
「え?マジで?まあ、お前がそう言うんなら…」
「よっし!決まったな!じゃあ、ルールはどうする?」
相手側からそう言ってくるのを聞いて、私は心の中でガッツポーズをした!
「よっしゃ!乗ってきたわね!」と、心の中で叫びながら、表面上は冷静さをよそおってこう答えた。
「そうねぇ…5対5の勝負ってのはどうかしら?それぞれ、自慢の作家を5人ずつ出し合って勝負するの。勝敗は、読者からの得票数で競う。より得票数の多かった方が勝ち。それぞれお題を決めるなんてのもいいわね。細かいルールは、そっちで決めてちょうだい」
「よっし、わかった!けど、圧倒的差で惨敗して、あとで吠え面かくなよ」
「そっちこそ!」
こうして、私たちは、それぞれ作家を出し合って、5対5の勝負をすることになった。




