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「インターネットとゲームがあの子を駄目にしたのよ…」

 帰りぎわ、リョウタ君のお母さんとも少し話をした。

「昔は、ああじゃなかったのに…」と、お母さんはなげいていた。

「え?」

「インターネットとゲームがあの子を駄目にしたのよ…」

「どういうコトですか?」と、私はたずねてみた。

「パソコンだとかスマートフォンだとかを買い与えてしまったばっかりに。そっちの方ばかりに没頭しちゃって。あの子、ゲームの世界で、かわいらしい女の子のカードを集めたりしているんです。昔は、ああじゃなかったのに…」

「以前は、その情熱を小説の世界にそそげていたんですね」

「そうね。そうだと思う。私は、あの子の書いた小説を見せてもらったりはしていないけれど。ミカミカさんがそうおっしゃるなら、そうなんでしょうね。前に書いていた小説は見込みがあって、今書いているのは違う。そうおっしゃるのなら…」

「それは間違いないですよ。書いている作品を読んでいればわかります。何年か前の作品は情熱に満ちあふれていた。あちらこちらから、『これでもか!』と情熱のなごりが飛び出してきていた。小説って、そういうものなんです。書いている時だけじゃなくて、書き終わった後も作者の残した熱量を感じることができる。文字と文字の間から、その熱があふれ出てくる。何年()っても。何百年経ってもね。それが傑作と呼ばれる作品として残っていく」


 それにしても、そういう人は多い。インターネットやゲームの世界に没頭するあまり、肝心の執筆の方がおろそかになってしまう。

 インターネットやゲームだけじゃない。映画もマンガもテレビも、みんなみんな同じ。もちろん、そこで得られるものもあるだろう。そこから新しい小説のヒントになることもあるだろう。気晴らしだって必要だ。

 けれども、あくまでそれらは補助的な役割に過ぎない。一番大切なのは、やはり“小説を書く”という行為そのものなのだ。


 本気で作家を目指すならば、娯楽はほどほどにしておいた方がいい。プロの小説家を目指すならば、なおさらだ。

 何が本業なのかを見極めた方がいい。何が一番大切なのかを思い出した方がいい。それができない人は、しょせんそこまで。いずれ、消えていく運命にある。

 さて、リョウタ君はどちらだろうか?

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