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きっかけ

俺はこのゲーム、アナザーワールドオンラインのなかに来るまでは親父をの残した多額の借金のせいで借金取りに追われながら引っ越し続きの日々を過ごしていた。

何度めかの引っ越しをへて東京に越してきた。生活のためのバイトを探していると、道ですれ違った女子高生らしき人の会話が聞こえた。


「ねぇねぇ知ってる?」

「何を?」

「最近噂になってるゲームの話!」

「あぁあのいちどゲームを始めたら二度と抜けられないっていうあれ?」

「うん、そうなんだけどさ、また新しい噂が流れ始めたのよ。何でも、そのゲームはゲームの中に入れるらしいのよ!」

「え~嘘でしょ!?」

「わからないけど・・・でも、そのゲームはあるところで出来るらしいんだけど定員が1万人までなのよね。」

「定員なんてあるんだ!一度やったらやめられないゲームなんてやる人いるのかな?」

「なんかね、ゲームクリアをした人には三千万円がもらえるらしいよ」

「さ、三千万!?」

なに!?ゲームクリアをしたら三千万だと!?どういうことだ?「噂では確かホーカイ社っていう会社が参加者をビルに集めてるって」

「あぁあの一番高いビルね。」

どうやらそのビルで参加者を募集しているらしい。

一番高いビルというと

「あれか・・・」およそ1kmほどの距離に、一際高いビルが立っていた。

今すぐにでもビルに行きたいが、しっかりと準備を整えてから行こうと思いその日は家に帰った。

次の日

よし、準備万端!といってもなにか特別なものを持ってる訳ではない。ハンカチや財布などの日常の必需品だけだ。

あのあといろいろと考えたが、特に必要なものは思いつかなかった。では向かおう

家からビルまではあまり時間がかからなかった。

・・・それにしても、でっかいビルだなー。高さはおよそ300mほどもある。まぁ外見の話はいいや、とりあえずなかへ。

「いらっしゃいませ、ご用件は?」

受付にいた女性に話しかけられる。

「ああ、ええと、その、ゲームができるって聞いたんですけど・・・」

じつはこう見えてけっこうな人見知りなのだ。・・・特に女性に対しては。

「その話でしたら私がいたしましょう」

ふいに横から声をかけられた。そこにいたのは、一人の男性だった。整った顔立ちをした、いかにもお金持ちという感じの人だ。優しそうな顔をしてるがどこか心をゆるせなかった。「アナザーワールドオンラインへの参加がご用件ですよね?」

「アナザーワールドオンライン?」

「あぁ、すみません。名前を知らない方も多いのでしたね。あなたが参加したいゲームというのは、ゲームの中に入れて、ゲームクリアをした人には三千万円が与えられるというものでいいのですよね?」

「あぁ、そうだ。」「それでしたらこちらに。おっと申し訳ございません。私は世見孝幸よみたかゆき)と申します。」

「佐久間龍矢だ。」

「最上階までエレベーターで参りましょう。なんといってもこのビルは256mもありますからね。」

256mもあったのか、それは歩いてはのぼりたくない。

チーン


エレベーターのついた音がする。

「さぁどうぞ。ところで、あなたはこれからやるゲーム、アナザーワールドオンラインをどこまでご存知ですか?」

「ゲームクリアをした人には三千万円もらえるってのと、ゲームの中に入れるってのと、一度始めたらやめられないということだけは。」

「それはもしかして、女子高校生に聞いた話では?」

!?

何故こいつがそれを知っている!?どういうことだ?

「やはりそうでしたか。あれはうちの社員の娘二人です。二人には1日五人までに、噂として流してもらっています。今日で3日めなのですが、あなたがちょうど1万人めです。」

俺がちょうど1万人めだって?危なかったぜ、絶好のバイトを逃しちまうところだったぜ。

「しかし三千万円、ほんとに貰えるんだろうな?」

「それは大丈夫です。我ら世見財閥が保証します。」

!そうか、どこかで聞いたことのある名前かと思ったら世見財閥か!世見財閥とはこの日本で有数の財閥で、かなり昔から栄えていたらしい。

チーン


そんなことを話していたうちに、最上階についたようだ。

「つきましたよ。」

エレベーターから一歩踏み出すと

・・・なんだこれは。そのへやは、縦横高さが二十メートルほどあり、そこには何百という、人が入れるほどの大きさのポッドのようなものがある。

「ここで、あのポッドに入り、ゲームを行なってもらいます。今日、あなたが最後の一人なので明日からゲームを開始させていただきたいと思います。」

そのような説明を少し聞いた後その日はそのまま家に帰った。家についた俺はある疑問を抱えていた。

「どう考えてもあのポッドみたいなもの、1万人分も無かったと思うんだけど・・・」

あの部屋はずいぶん広く、ポッドみたいなものも数百個はあったのだが・・・そう、数百個しかなかったのだ。1万人がゲームに参加するというのに。

「考えていても仕方ないか。」今日はもう寝よう。





次の日


ふぁ~あ、よく寝た。さてと、それではあのビルにむかいますか!


ざわざわ、ざわざわ、ガヤガヤ、ガヤガヤ

・・・さすが1万人、すごい数だぜ。いや1万人はいないなこの人数、何でだろ?

「皆さん。お静かに!」

そこへちょうど世見が現れた。「今から、皆さんには最上階に移動してもらい、ゲームをプレイしていただきます。質問がなければ、移動しますが?」

おっと質問ならあるぜ

「質問だ!ここにいる人の数はどう見ても数百人程度だ!参加者は1万人だったはずだ!」

俺が問う。

「ええ、確かに参加者は1万人です。」

「なら何故ここには数百人しかいない!?」

「皆さんがプレイするアナザーワールドオンラインはその名の通り、オンラインゲームです。合計参加者1万人のうち、全国20社あるわがホーカイ社、1社につき500人を集め、合計1万人でゲームをプレイするのです。」

そうだったのか、なるほどなるほど。

「他に質問は?・・・では、最上階へ。」

皆がエレベーターのあるほうへ移動してゆく。40才くらいのオッサンから小学生くらいの子供まで様々な人がいる。

・・・ちなみに俺は16才だぜ!

各2回に別れてエレベーターで最上階にのぼる。全員が最上階につくと世見が話し始めた。

「それでは皆さん、そこのポッドにお入り下さい。今からゲームについて大まかな説明をします。」

世見の話をまとめるとこんな感じだ。

・このポッドに入ると五感がゲームの中に繋がれ、ゲームに入ってるようにプレイできる。実際ゲームの自分を現実と変わらなく動かせるのだからゲームの中に入っているといっても過言ではないだろう

・ゲームのクリア条件は最終ボスを倒すこと。ただそれだけだ。

・キャラクターの容姿は現実のプレイヤーと全く同じだ。

・キャラクターの能力はレベルアップと共に上がる。最高レベルは100

・一度ゲームを始めたら、ゲームがクリアされるまで、外にでることが出来ない。

と、まぁこんなところだろう。

「最後に、ゲーム内で死にますと、現実世界でも死にますのでお気をつけください。」




・・・は?今なんていった?

よく思い出してみよう




「最後に、ゲーム内で死にますと、現実世界でも死にますのでお気をつけください。」




・・・つまり、ゲーム内でHPが0になった瞬間に現実世界での俺も死ぬということなのか?














う・・そ・・・だろ?ちょっと待ってくれ!そう言おうとした瞬間に世界が眩んだ。

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