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解明!!恐竜の鳴き声

作者: ひろ
掲載日:2025/12/02

※本作はフィクションです。実在の法律・人物・団体とは一切関係ありません。

 「助手君、これを見たまえ」


 「これは、ちょっと大きめの…琥珀の板ですか?」


 「そうじゃ。

 そしてこれは世紀の大発見じゃ。

 なんと!恐竜の声が記録された板なのじゃ」


 「えぇっ!!そ、そ、そんなことがありえるのですか!?」


 「まあ落ち着きなさい。順を追って話そう。

 この琥珀の板は、白亜紀後期の地層から発掘されたものじゃ。

 炭素年代測定法で調べたら、6600万1年前の12月27日のものと分かった。

 隕石衝突の3日前じゃな。」


 「そんな細かいところまでわかるんですかっ?」


 「炭素年代測定じゃからな。」


 「凄いや、炭素年代測定法…。」


 「そして、この琥珀の板に細〜い溝のようなモノが見えるじゃろ?

 これを電子顕微鏡で観察したところな。

 どうも、レコードのように音の振動が記録されていることが分かったのじゃ。」


 「凄いや、うちに電子顕微鏡なんて有ったんですね。

 でもなんでそんなことが?」


 「驚くところ違くない?

 …まぁ、これは推測じゃが、

 この“軟らか硬い“琥珀の表面をな、たまたま鋭利なもの。まー、黒曜石の破片とか?植物のトゲとか?、が撫でた時に、これまた偶然にも恐竜が鳴き声を上げた。

 その振動が【鋭利なもの】を震わせ、琥珀に音声記録として残ったのだと考えられる。」


 「凄いや。博士って賢かったんですね。

 で、どんな声だったんですか?」


 「お前酷くない?

 …いや、ワシもまだ聞いておらんのじゃ。お主と一緒に聞こうと思ってのう。

 ほれ、再生機も作ってみた。これから一緒に聞こう。」


 「ワクワクしますね。どんな声なんだろう?」




 カチッ、ピッ…

 『…ザザッ………ゴガァーッ!!!』



 「「おお〜っ!!」」



 「凄いな!かっこいいな!?」


 「想像通りって感じですね!!」



 『ガオ~、グルルルル、ガー、ゴガガガ、ゴガ?、ガガガーゴ、ゴゲゴゲ、グルーガ』



 「……なんか喋ってるように聞こえますね?」


 「そうじゃな…。

 そうじゃ。AIにかけてみるか。

 文脈解析で、うまく行けば言語化できるかもしれん」


 カタカタカタカタ…ターンッ



 『「覆面の男」による犠牲者はついに四人目!連続殺竜鬼の犯行に、恐怖に怯える谷の集落。そこに名探偵の登場だ!!』バンバンッ


 「「!!!!」」



 「なんと!高度な言語を操っておる…」


 「これは凄いですね。世紀の大発見どころじゃないですよ!」



 『かくしてっ!手がかりを求め奔走する名探偵』バンバンッ『しかしなかなか尻尾を掴ませぬ覆面の男!』バンバンッ



 「…これは…何をしているんですかね?」


 「うーん…人間社会で言うところの、紙芝居でもやっているような感じじゃのう。」


   •

   •

   •


 『さあ、物語も佳境に突入だ!覆面姿の犯人を崖に追い詰めた名探偵。覆面の下は一体誰何者かっ!!』ババンッ


 

 「…面白いですね博士。一体誰が犯人なんでしょう?」


 「ええぃ、ちょっと聞こえんから黙っておれ!良いところなんじゃ!」



 『…と、い う こ と で、今日はここまで!!続きは来週のお楽しみ〜♪』



 「「ええぇーーーーっ!!!」」




 「なんということじゃあ!!一番良いところだと言うのにっ。

 …続きっ…続きは無いのかっ!?」


 「あ…博士。僕、嫌なことに気づいちゃいました…。」


 「なんじゃ!?」


 「この恐竜、続きは来週って言ってましたよね……」


 「!!!、これが録られたのは」


 「「…隕石衝突の三日前…」」


   •

   •

   •


 「…のう、助手君。

 世紀の大発見だと言うのに、この圧倒的な敗北感は、一体なんじゃろうのう?」


 「結局、誰だったんでしょうね?犯人」


 「言うな!!頭がモヤモヤしてくる。」




 「…博士?これ…公表します?」


 「うーん………大発見には違いないんだがのぅ……。これを聞いたら」



 「「みんなモヤモヤするんだろうなぁ〜」」





 その後、何度も何度もためらった末に、博士はこれを公表した。

 そして、世界中の人は大いにモヤモヤしたという。

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