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【噂検証】レッツゴー妖怪バス!【縁華バス】

 暗い森の中、お面をつけた2人の男が、古びたバス停の側に立って動画を撮っている。


「はーいということでこんにちこんばんうらめしや! 怪談検証チャンネルの検証員Sとー」


「検証員Fです」


「はい、という訳でですねー、今回はタイトルにもあると思いますが縁華バス、通称妖怪バスの検証をしていきます」


「この噂って、確か特定の時間にバスに乗って、そのバスの終点で降りると妖怪の世界に行けるーとかいうのでしたっけ?」


 検証員Fがわざとらしく、大げさなジェスチャーをしながら話題を振る。


「そうですね、知らない人向けにこの噂を説明しますと、〇〇県の山間部を通っている縁華バス。それに午前四時、圓楽道というバス停からそのバスに乗り、終点で降りると妖怪の町に入ることができるというものです」


「あと、運転手はおらず、乗り込んだらバスが勝手に進むんですっけ。そんなバスなんて、本当に存在するんですかね」


「それを検証するのがこのチャンネルですよ! 現在時刻は午前3時50分ということでね、バスが来るまであと10分となっております」


「うう、なんだか少し怖くなってきました……それにしても妖怪の町ですか。僕の中では、妖怪は江戸のような町に住んでいるイメージがありますけど」


「まあまあ、そこまで身構えなくても。そうですね、俺もそんなイメージがあります。まあなにかの本の影響でしょうけど」


 検証員Sが少し笑いながらそう言った。そんな余裕のある検証員Sとは対照的に、検証員Fはかなり怖がって、ビクビクしている。


「……お、あれが縁華バスですかね。それではバスに乗っていきましょ〜う!」


「い、いきましょう」


 先に検証員Sが、縁華バスと書かれた古びたバスに入る。ライトが眩しくてよく見えないが、だいぶ年季の入ったバスのようだ。


「おー、中は以外と普通のバスですね〜」


 続いて、逃げ腰になりながらも、検証員Fがバスに乗り込んだ。



「う、うぅ……あれ、運転手さんがいな──


 検証員Fが段差を登り切った瞬間、バスの扉が閉まり、ものすごいスピードを出して発進しはじめた。


「このバスは田舎にはよく──うおおう!? やばいカメラ落としちゃう!」


「うわあああ! と、とにかくなんかに捕まらないと!!」



 検証員Sは、何とか猛スピードを出すバスの席に座り、あわてて実況を再開した。


「えーえーっと、運転手がいないバスが急に発進しました! 縁華バスの噂は本当なのかもしれません!」



「いやどう考えても本物でしょぉ!! もうこんな噂試すんじゃなかった。眠いしお家に帰りたいよ……」



 検証員Fは「もうこりごりだ」と言わんばかりに落ち込んでしまった。そんなFを検証員Sが背中をさすって落ち着かせる。


「まあまあ、きっとこの動画はバズって有名になるだろうし、な? 無事に帰れたら一緒に焼肉食べに行こうぜ」


 検証員Fは少し間を置いて、それに返事をする。


「う、うん。そうだよね、実況して無事に帰ることが最優先だよね……ごめん、助かった」


「それならよかったわ」


 検証員Sに励まされ、気を取り直した検証員Fが実況を再開した。


「ふう、実況を続けると、運転手のいないバスは僕ら2人を乗せた瞬間に急発進し、どこかへと進んで行きます。もしかしたら、噂通り妖怪の町へ行けるのかもしれません」


 検証員Sが、検証員Fの実況を聞いていると、外が霧のようなもので真っ白になっていくことに気づいた。


「あれ、外が急に白く……霧!? ヤバ!? こんな中でもバスは勢いを落とさず、ズンズンと進んで行っています!」


「ひぇぇ、これ僕ら本当に大丈夫なのでしょうか!? ……あ、霧が晴れて……お、おぉ……!」


「え、やっばぁ……めっちゃ幻想的なんだけど……!」


 2人を乗せたバスは、思わず感嘆を漏らしてしまうほどの美しい大桜を見せたのであった。








 噂を試した2人が妖怪の町へ迷い込む話。

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